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地元の友人


「ただいま」


 実家に帰った私は、実家の引き扉を開けて靴の確認をしました。


 やっぱり誰も居ない・・・・・・。


 父親は自営業で相変わらず忙しく家を空けており、下の兄弟達もまだ学校に行っている時間帯でした。


 自分の部屋である4畳半の部屋に入り、敷いてあったちゃぶ台の前の座布団に座り込みました。


にしま「部屋が全然変わってないない・・・・・。もしかして・・・妹が掃除だけしてくれてるのかな?・・・・・・。・・・うーん・・・これからどうしようか・・・・・。」



 完全に暇。暇人。



 子どもの頃に教わった柔道の恩師がやっている道場に顔を出そうと思いましたが、一度柔道を辞めた人間が、直ぐにまた道着に袖を通すなんて、そんな中途半端な精神の人間が子ども達に柔道を教えてはいけない、自分がもしその道場の子ども達なら、そういう人間から柔道は教わりたくないと思ったのです。


 その位の覚悟があって私は柔道を辞めました。


 恩師に顔を出すのは柔道以外の場所で顔を出そうかな。



にしま「・・・・・・・・・・・・・・・・」


 私は悲しみを胸に慣れ親しんだ柔道着を押し入れの奥にしまい込みました。



にしま「ちょっと、友達の家でも行ってみるか・・・・。あいつ確か地元に残ってるって言ってたよな・・・。」


 そのまま少ない荷物を置き。子どもの頃から仲が良かった友人の家に向かいました。


 少し離れていますが、散歩がてら丁度いいや・・・さっきも散歩してたけど、今日は散歩の日だ。



おばさん「あら?・・・にしまくん?・・・・・帰って来たの?」

にしま「あっこんにちわ!・・・お久しぶりです!」


 友人の家に向かおうとした所、近所のおばさんに声をかけられました。

 私は子どもの頃から柔道をやっていましたが、トレーニングの関係で毎日のランニングを欠かさなかった為、私は「陸上」のマラソン選手だと、こちらのおばさんには勘違いされていました。一応柔道でもスタミナ強化の為走ります。このおばさんは柔道は走る競技じゃないからランニングは必要ないと思われていました。私が何度説明しても分かって貰えません。未だにこの人は分かっていません。



にしま「今日帰ってきました。暫く実家に居ますのでまたよろしくお願いします。」

おばさん「お父さん忙しいからねぇ、お手伝いしてあげないとね」

にしま「そうですね、せっかくなので親孝行します」


 おばさんも変わらないなぁ・・・きっとこの人位でしょう、私が子どもの頃からあまり変わっていないのは・・・・。


 よーし、この調子で知り合いにどんどん会って行こうかな。


 柔道を辞めた事は言い出しにくいですが、それよりも懐かしい顔に会えるかもしれない。それが楽しみでした。


 にしま「確かひがしぐちの家はこの先・・・・・」


 幼馴染の「ひがしぐち」の家に向かっていました。お母さんは随分前に亡くなっていたはずですが、確かお父さんと2人暮らしだった筈です。



 ひがしぐちの家に到着しました・・・・・。





 『売家』



 

 不動産屋の名前と共に、寂れた大きな看板が正面に貼ってありました。



にしま「あいつ・・・・・もうここには居ないのか・・・・・・」


 帰ろうとしたらたまたま郵便配達員が通りかかったので聞いてみる事にしました。


 

にしま「あの、仕事中すいません。ひがしぐちさんってどこか行かれたんですかね?」


 バイクを停めて話を聞いてくれました。


 郵便屋「ああ・・・・・ひがしぐちさんねぇ、元々訳あり家庭でしたからねぇ。あなたも・・・・もしかして借金取りの人?」


にしま「いやいや、私はただの友人なんですが・・・・」


 郵便屋「スーツ姿の借金の取り立ての人が来てて、私にもひがしぐちさんがどこ行ったかって聞かれた事があるんですよ。・・・まぁ友人の方だとしても、もうあんまり関わらない方がいいですよひがしぐちさんとは。」


 さてはヤバい所に金借りたなあいつ・・・・・・。馬鹿だなぁ相変わらず・・・・・。


にしま「そうだ・・・・・きたの・・・・・・きたのはこの町にまだいますか?」


郵便屋「き・・・きたのさん?!?!・・・いやぁ、あなたあそこの倅とも友人なのかい?」


にしま「あぁ・・・まぁ・・・・」


郵便屋「今時代が時代ですからね。あそこもあまり関わらない方がいいかもしれませんよ。・・・・それじゃあ私、仕事がありますんで、この辺で・・・・。」



郵便配達員は「きたの」の名前を出した途端、血相を変えて仕事に戻りました。



にしま「・・・・・・・・・・・」


 私が付き合っていた友人はろくな人間が居ないのかと思うと、心が苦しくなります。自分はこの地元で一体何をしていたんでしょうか。自分はそれが普通だと思って付き合っていたのですが、どうやら一般の人間からしたらとても悪い方に見えていたようです。仲が良かった2人共、地元の人間達からしたら腫れ物に触るような、現状村八分のような扱いをされているようでした。

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