きたの
みなみの他に、私の友人である『きたの』の名前が飛び出した為、少しだけ驚きました。
しかしよくよく考えて見ると、みなみの話が出た以上、いずれ共通の友人のきたのの名前が出ると思っていましたが・・・・。
フウカ「知ってるも何も、たまにこのお店に来られますよ」
にしま「きたのが?」
ハイリ「多分よく来るのは・・・お父さんじゃないかな?あの会長の事でしょ??」
フウカ「あ、ごめん。きたの会長がよく来られるね。でもにしまさんの友人のきたのさんは二回か三回来られたけどね」
二、三回って・・・・こっち帰って来た時にたまに顔出してるじゃないかあいつ・・・・・。地元でもしっかり夜の街で遊んでやがる・・・・。相当羽伸ばしてるだろうなぁ、あいつは・・・。
ナガレ「めっちゃかっこいい人ですよね、きたのさんって」
にしま「なに?ナガレって同性愛者なの?」
ナガレ「いいえ、ノンケっすよ俺」
にしま「ほぉ」
確かにナガレが言うように、きたのは顔がカッコよくて昔からガチでモテモテでした。とにかくバレンタインの時のきたのは女子から追いかけられまくっていました。冗談でもなんでもなく、走って追いかけられていました。
『代わりにきたのくんに渡しといて』なんて言葉何回聞いたことか・・・・。
同じ友人のひがしぐちはきたのに渡す筈のチョコを食べて、ダマテンしていましたが・・・・。
にしま「そういえば親父さんは・・・・・会長はお元気??」
フウカ「うー-ん、まぁまぁ・・・元気ですよ。お酒結構強いの飲まれますし。歳はだいぶとったけど」
にしま「跡継ぎはもうすぐ、きたのがやるんでしょ?もう隠居してるかと思ったけど」
フウカ「多分そうなると思うんですけどねぇ。他にも各地にたくさん居られるんで、誰が会長の後をされるかどうかわからないですが・・・・」
にしま「そうか、まぁおじさんにも本当にお世話になったからなぁ。帰ったら会いたい人間の一人にはなるけど、普通に家に行ってもなかなか会えないだろうからなぁ」
ハイリ「それなら、ここの店に居たら会長に偶然会えるかもよ♪」
フウカ「その時は貸し切りだから駄目よハイリ。にしまさんでも入れない。室内も入り口も外にも、お付きの人が居るのに」
そうか・・・・会長が居る時は貸し切りか・・・まぁそりゃそうか・・・。
てことはきたのの親父・・・・だいぶこの店に金落としてるな・・・・。
ナガレ「さっき会長の事を、おじさんって言ってましたよね?相当仲良しなんじゃないですか?」
にしま「いやもぉ仲良しも何も、小さい頃はきたのとずっと一緒に居たよ。何百回も家に遊びに行った事があるぜ。うちの父親も自営業の関係でゴルフ仲間になって、しょっちゅう一緒におじさんと遊んでたぞ。あと、みなみなんかは託児所時代からの仲、赤ちゃん。マジで赤ちゃんの時からド突き合いしてたからな(笑)今思えばビックリな話だけど、何回も先生たちに制止されてたわ」
フウカ「赤ちゃん同士でド突き合い??(笑)笑っちゃいけないけど、それ滅茶苦茶可愛いー-♪」
にしま「こっちの親が謝りに行ったと思ったら、次の日はみなみんとこの親が謝りに来て。もう童謡の『ヤギさん郵便』みたいに何度も同じ事するのやめませんかってことで親同士が最後は協定結んで籠城になった(笑)みなみの親が謝りに来る回数を数えてたんだけど、こっちの方が謝りに行く回数の方が多かったから俺の勝ち(笑)」
ナガレ「いや、それ盛ったでしょ?最後の(笑)赤ちゃんだったんでしょ?(笑)」
にしま「101勝100敗で俺の勝ち(笑)」
全員「はっはっはっはっはっは!!!!」
ハイリ「みんな、ヤギさん郵便って何年ぶりに聞いた!?(笑)マジでお腹痛いんだけど!!・・・・(笑)」
全員、だんだんいい感じに酔ってきました。
ナキ「学生さんみたいに、えらい盛り上がってるわね」
部屋の隅で電話していたナキママもこっちにやってきました。
ナキ「ごめん、さっき耳に入って来てしまった。にしまくんはきたの会長のお知合いなの??」
にしま「そうだよ。昔は滅茶苦茶良くしてもらってた」
ナキ「じゃあ今度、店に来られたら呼んであげるね」
にしま「あっ・・・いいの??・・・・・どうしようかなぁ・・・・今気軽にお話が出来るのかなぁ・・・・・。最後に会ったのが高校の入学式の時だからなぁ・・・・」
そう考えるともう随分長いこと会っていません・・・・大人になった今も気軽な気持ちで会えるのでしょうか・・・・。
にしま「こうやって今新しい仲間達と、元気でやってるってよろしく伝えて下さい」
ハイリ「にしま・・・・・さすが・・・・」
こっちは会いたいですが、なんかもう会えなくてもいいんです。仕事の関係でこの店に来ている可能性もあるし、おじさんを邪魔しちゃいけない。『きたの会長』を邪魔しちゃいけない。それが俺流の恩返しなんです。
とは言っても会いたいけどな・・・・・。会おうかな・・・・・。
気持ちブレブレやん俺・・・・・・。
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