【コミカライズ】拝啓十年前の私、その婚約者は浮気王子です。結婚は溺愛して下さる公爵様にしなさい。
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──拝啓十年前の私、その婚約者は浮気王子です。結婚は溺愛して下さる公爵様にしなさい。
「……え?」
それは肌を撫でる風が冷たくなってきたある日の事だった。
私──リリシア・ダイアリーの元に奇怪な手紙が届いた。
王立学園に通う上級貴族である私には素晴らしい婚約者が居る。
それが王位継承権第一位であるロン・イグディア殿下だ。
この手紙にはそんな殿下に対する不敬罪と取られてもおかしくない内容が、ドレスでも作れそうな文量の用紙に連ねられていた。
先程読み上げたのはそんな手紙の第一文だ。
自室のテーブルの上に家の者が置いてくれたんだろうけど……中身見られてないよね……?
封が切られた様子もないし大丈夫だとは思うけれど……。
ソファに座りながら、うんざりするような量の手紙に目を通していく内、段々と目が滑り始めた。
「……イタズラにしては手が込んでるけど──」
そして私はある一文で手紙を読むのを止めた。
そこにはこう書かれていた。
──1週間後に開かれる学園のパーティーで殿下と婚約を破棄されるから、今のうちに公爵様と仲良くなっておきなさい。
「出来る訳無いじゃない……」
そんな事をすれば我が家はタダじゃ済まないだろう。そんな事したら浮気してるの私だし……。
それに何より、私は殿下を愛している。
同じように殿下も私を愛してくれている……筈。
政略結婚とは言え、この気持ちは本物だ。
だから私はそっと手紙を閉じた──
※
次の日、私は結局昨日の手紙が気になってあまり寝付けなかった。
何より学園にも鞄の中に手紙を忍び込ませてしまっている。
……途中で読むのを止めてしまったけれど、この手紙が偽物と割り切るのも出来ず仕舞いだからね。
これが未来からの手紙だと証明するものは今の所ない。
だけど否定する材料も無いのよね……。
そして気掛かりな事に、これを本物だと証明する事が今日出来てしまうのだ。
それは二枚目の手紙に書かれていた文章。
──どうせ私の事だから次の日にでも真剣に読み始めてるんでしょ?これが本物である証明~とか言って!
「……読み飛ばした部分にこんな事書いてたのね」
ますますこれ私じゃ──じゃなかった。
ともかく手紙には今日、学園の中庭で殿下の浮気現場を目撃する事が出来ると言う。
もしも本当にそんな現場を目撃する事があったなら、いよいよもってこの手紙が本物だという事になる。
……殿下を疑ってる訳じゃない。
これはあくまでもこの奇怪な手紙が偽物であると証明する為に──
そんな私の密かな信頼は粉々に打ち砕かれる事とる。
「殿……下……?」
美しく花達が咲き誇る学園でも有数の憩いの場の隅、人目につかないベンチで頬を染める愛おしい人。
逢い引きをしている相手は私よりも爵位の低い、どころか下級貴族の家の女じゃ……。
ほとんど見覚えはないけれど、間違いないはず。
『殿下……良いのですか?私のような者と……』
『構わん気にするな。俺の婚約者は見てくれは良いがつまらん女でなぁ。ティアのように面白い女と居る方が有意義だからな』
『……面白い……ですか。美しい、愛してるとは言って下さらないのですか?』
『ふふ、そういう発言がリリシアには無い所だよ。いつも一歩引いているからな。ティア、お前も十分美しい、愛しているぞ──』
遠くから聞こえる会話はそこで途切れ、二人の影が重なった。
今、私の頭からはこの手紙が本物だったなんて事吹き飛んでしまっていた。
去来するのはただ一つの暗い感情。
──殿下、どうして……!?
私はすぐに飛び出して二人の間を切り裂いてやろうとした。
しかし、
「ちょっと待って」
「え……!?」
一歩踏み出した私の腕を強く引き留めたのは一人の男性だった。
「あなたは……」
艶のある美しい銀髪に、筋の通った高い鼻。
優しい紫色の瞳で私を見下ろすのは公爵家の跡取り息子──ウェルスィ・マキベディア様。
華奢なのにしっかりとした体躯から伸びる腕で私を止め続ける彼は、困ったように微笑んだ。
「今出て行ったらリリシアさん、不利な事になっちゃうよ」
「な、何を……!」
「んーほら、今この現場を押さえても難癖付けられて終わっちゃうって言うか……ね?」
それが私を心配してのお言葉であろう事はすぐに理解出来た。
だけど……!
「私は殿下を愛しておりましたわ……!殿下も同じように私だけをって……!殿下が望むのでしたら愛妾だって私は……なのにこんな隠れてこそこそと陰口まで言われて……!!」
女としての嫉妬と、人格まで否定をされてしまった心は最早取り返しがつかない程煮えたぎっている。
「気持ちは分かるよ。でも、今は抑えて」
……気持ちが……分かる……!?
相手は公爵家の方だと分かってはいても、その上っ面の言葉に憤慨してしまった。
「あなたに私の何が──」
かなり大きな声を出していた筈だ。
殿下に聞こえるくらいには。
そんな私の言葉を遮るように、ウェルスィ様は私の口を優しく手で覆った。
『ん……?誰か居るのか……?』
遠くの殿下がこちらの気配に気付いた様子だったが、『気のせいか』と言って事なきを得た。
そして、当然殿下から隠れる為に私とウェルスィ様は体を密着させて柱の陰に隠れている。
「ふぅー……危なかった……」
「んんん!」
「あ、ごめんよ」
ウェルスィ様は腕の中で暴れる私を解放し、申し訳無さそうに頬を掻いた。
殿下達が中庭から離れて行くのを確認した後、イタズラっ子のような茶目っ気のある笑顔を向けた。
「やはり殿下の言うような"つまらない"お方ではないようだ」
「なっ……ば、バカにしているのですか……」
「あぁごめんよ気を悪くしないで。リリシアさんが面白くってつい」
「……」
クスクスとお腹を押さえて笑う、学園の制服に袖を通す公爵家の跡取り様。
本当にいきなり現れて何なのかしら──
そう考えた時だ。
私はふとあの手紙に書かれていた事を思い出した。
あの手紙にはこう書かれていた。
結婚をするなら公爵様、と。
そしてその続きに名前も書かれていた。
それが──
「ウェルスィ・マキベディア様……」
「ん?なんだい?急に僕の名前を呼んで」
「! あ、いえその……」
し、しまった。不意に目を合わせたウェルスィ様の瞳があまりにも綺麗でつい見惚れてしまった。
このままじゃ無言になってしまう。
話題を変えよう……。
「あ……あの……ウェルスィ様はどうしてここに……?」
「あぁ……それか……」
「?」
ウェルスィ様は少しだけ頬を赤くした後、殿下達が居た方を見て一言呟いた。
「あー……殿下の弱味を握る為、かな」
「え……?」
「分からないかい?殿下が他の女性にご執心なのは少し前から噂だったんだ。もしその現場を押さえられれば君を殿下から奪う事が出来るじゃないか」
「私……を……?」
最初は仰っている意味が分からなかった。
だってそれじゃずっと前からウェルスィ様は私を──
「そうだよ。僕はずっと君を好きだった。初めて社交界で会った時からずっと。だけど君は殿下と婚約してしまったからね……ずっとこんな日が来ないかなって願ってた」
「……そんな……事……」
「あるんだよ。一目惚れって奴さ……ほんと参ったよ。殿下の婚約者を愛してしまうなんてさ……でも好きになってしまったものは仕方ない。そうだろう?」
「……」
なんて答えたら良いのか、分からなかった。
だってこれ程真っ直ぐに愛を向けられた事なんて無かったもの。
殿下が最後に私を愛していると言ってくれたのはもう随分前……。
「ウェルスィ様……」
「うん。なんだい?」
頬を染めて笑みを浮かべるウェルスィ様と目が合う。
心臓の鼓動が早くなる──
「……わた……しは……」
「僕じゃお眼鏡に適わないかい……?」
「そ、そんな事は……!ですが……まだ私は殿下の婚約者で……いつか捨てられるのでしょうが……」
私が尻切れトンボにそう言うと、ウェルスィ様は遮るように告げた。
「──待てないよ」
「え?」
ウェルスィ様は私の両手を優しく包み込んで膝をついた。
「無理だよ。ずっとこんな日が来るのを待ったんだ。僕は今すぐにでも君が欲しい」
「い、今すぐですか……!?」
「そうだ。リリシアさ──いやリリシア。僕の所に来るんだ。必ず幸せにするから」
私の心臓ははち切れんばかりに脈打っている。
当然だ。
これ程までの愛を向けて貰ったことなど一度もない。
そそそ、そうだわ!
こんな時こそあの手紙を!!
「ちょ、ちょっと待って下さい!!少しだけお時間を……!」
「……そうだよね。こんな事すぐには答えられないよね」
あ……!ウェルスィ様が凄く悲しそうな顔を……!!
時間って手紙を確認する時間が欲しいだけですから……!
私はウェルスィ様が両手を解放してくれたので、慌てて後ろを向いて手紙を読んだ。
そこには──
──愛を告げられたらその胸に飛び込みなさい!いっそ唇を重ねなさい!!
「出来るか!!」
「り、リリシア……?」
「あ、す……すみません何でも無いんです……あはは」
私は思わず叩き付けた手紙を拾い上げ、そっと鞄の中にしまった。
しかし全く役に立たない未来からの手紙だ……。
本物なのは分かったけれどね……。
さて、いよいよどう返事をしたら良いのか分からなくなってきた。
あの手紙によると私は来週殿下に捨てられる。
……だったらウェルスィ様に乗り換えるのも悪くないんじゃない……?
──そんな邪な考えが頭をよぎった。
「……最低だ私……」
「え……?」
「い、いえ……」
いくら未来からの手紙がウェルスィ様との事を運命付けようとしていても、そんなのやってる事は殿下と変わらない。
ウェルスィ様は確かにお美しい人だ。
こんな醜い心を持つ私をずっと愛してくれるような尊いお方だ。
そんな方のお心を利用するだなんて、許される事じゃない。
だから……私は……。
「ウェルスィ様……本当に申し訳ございません。今はまだお気持ちにはお応え出来ません……。やはり私はまだ殿下の婚約者。いずれ捨てられるとしても今気軽に移り変わるような心ではウェルスィ様にお応えする資格はありませんから……」
「そうか……分かった。いきなりで困らせてしまったよね。ごめん」
「私の方こそ本当にすみません……」
私達はお互いに頭を下げ、その日は別れた。
胸に燻る火照りが冷める事はなく、一週間はあっという間に過ぎていく。
その間もウェルスィ様とは何度かお話をする機会があり、その度に私の心は酷く揺れた。
あんな現場を目撃しては殿下への気持ちは薄れつつある。
本当にパーティーで婚約を破棄されるなら、私は黙って辛酸を嘗めるつもりはない。
少なくとも手紙によれば私の反撃は上手くいくらしいしね。
──そして、複雑で解き方の分からない想いを抱えたままパーティー当日がやって来た。
※
「リリシア、君との婚約を破棄させて貰う」
学園でも一際大きなホールの中、私は大勢の生徒が居るこの場で手紙に添えられた文言と一字一句違わない言葉を告げられた。
不思議と私の胸の内に悲哀が満ちる事はなかった。
あの手紙のおかげで覚悟はしていたし、せめて一矢報いる方法も思い付いた。
殿下の言葉を聞き付けた生徒達が、私達を取り囲むように集まる。
そしてその中には──ふふ……丁度良いわ。
「殿下、それは私の他に想い人が出来たと捉えて宜しいのでしょうか?」
「そうだ。父上が決めた相手だが構わん。私は真実の愛に目覚めたのだ」
「真実って……」
思わずツッコミを入れてしまったじゃないですか。
「馬鹿にするなよリリシア。お前のようなつまらん女では私を満足させる事は出来ん。そう、私に相応しいのは──」
はぁ……もう良いわ。ほんとなんか段々冷めてきたわ。
本当はもっと引っ張って大々的に言ってやるつもりだったけど……。
私は殿下の言葉を遮り、その相応しい相手とやらの名前を告げた。
「──ジェリカ・ルータスですか?」
「!?」
目を丸くして固まる殿下。
もう断罪やらをする気も起きない私は、淡々と浮気相手達の名前を連ねた。
「もしくはデューラ・ペリウス、アイン・アンバルン、あぁ身分が違い過ぎますがティア・セルルトでしょうか?」
ペラペラと殿下にとって覚えのあるであろう名前を告げると、面白いくらいに顔を青くされた。
「大丈夫ですか殿下?顔色が優れませんが。まぁ、そうですよね。愛妾になってしまうけれど本当に好きなのはお前だからと色んな女に手を出せばそのようなお顔になられますとも」
「なっ、何を……!?貴様……!?」
「あぁ証拠を出せとでも仰いたいのですか?うーんもう必要ないと思うのですが──」
私は円形に集まる生徒達の中に居た、あの下級貴族に視線を送った。
更に続々と殿下お手付きの女達が輪の内側に集まって来る。
「殿下どういう事ですか!?私にだけご寵愛を注ぐと言ってくださったのに!?」
「そ、それは……!!」
「そんな……私以外の女にもそのお言葉を……!?」
「愛してると言ってくれたのに!!」
……あぁ……なんかもう見てられない。
手紙によると、この後殿下は好色王子として他国に名を轟かせ、貰い手が無くなってしまうらしい。
王位も弟に譲る事となって、廃嫡騒ぎにまで──ってもうどうでも良いか。
何故か手紙の後半は殆どが殿下の悲惨な末路でびっしりだったし、とりあえず今はこれで私の溜飲は下がった。
私はそそくさと生徒達の輪を抜け、会場を後にした。
着飾ったパールが散りばめられたドレスの裾が地面に擦れるのを気にする事もなく足早に。
コツンコツン、とヒールが音を鳴らす度に振動で何か冷たいものが頬を伝っている気がした。
「……っ……うっ……!」
さっきまでの少しでも意趣返しをしてやろうと、気張っていた自分とは裏腹な自分に驚いてしまう。
後から後から涙が出て来るんだもの。
惨め過ぎでしょう私……。
気が付くと、私はあの中庭へたどり着いていた。
辺りは暗く、中庭の池の水面に浮かぶ月が優しく反射している。
月でも眺めて心を落ち着かせよう……。
私はそっと池の方へ足を向けた。
その時だった──
「ちょ、待って!!」
「え……?」
中庭に響いた声はウェルスィ様のものだった。
ウェルスィ様は強く私を後ろから抱き締めて、歩みを進ませる事を許さなかった。
「駄目だよ!!リリシア、絶対自殺なんてさせない……!!」
「ウェ、ウェルスィ様……!?」
ま、待ってなんか勘違いされてるような!?
「君が傷付いているのは分かる!!だけど──」
「ウェルスィ様、ちちち、違います!!」
「え?」
私は耳元で死なせないと叫ぶウェルスィ様の熱意に脈を早めながら、心を静めるが為に池に近付いた事を説明した。
すると、ウェルスィ様はすぐに私から離れ、頭を下げられた。
「ご、ごめん!!てっきり僕……」
「ふふっ、とんでもない事でございます。嬉しかったですから」
「リリシア……」
私は口元を隠しながら笑った。
「本当に……ウェルスィ様は結構お茶目な方ですよね」
「し、仕方ないだろ!あんな事があった後じゃ……」
「心配して下さってありがとうございます……私、本当に嬉しいんです……こんな私をウェルスィ様だけは想って下さるんですもの……」
「当然だよ……リリシアは僕の全てなんだから……!」
「ウェルスィ様……」
真剣な眼差しで私を見つめるウェルスィ様。
……そんなお顔、ずるいですよ……。
私は今までずっと殿下の為に生きてきた。
殿下の妻になるという事は王妃になるという事だ。
王妃になる為の勉学の日々はそれはもう辛いものだった。
全ては殿下の為に、と努力し続けてきたのにあんな裏切りをされて……。
だけど今目の前には私だけを一途に想って下さる殿方が居る。
あの手紙にもウェルスィ様を選べとある。
これが最善なの?未来の私。
どうせなら幼い頃からウェルスィ様と引き合わせてくれたら良かったのに。
そうすればこんな苦心せずに済んだ。
「……ウェルスィ様、私一週間よく考えましたわ。そこでお聞きしたいのです。ウェルスィ様は、殿下とあなたを両天秤に掛けるような最低な行為をした私を、それでもまだ愛して下さいますか?」
私の不安な気持ちを見透かしたであろうウェルスィ様は、返事より先に今度は正面から強く私を抱き締めた。
「ウェルスィ様……!?」
「リリシア、愛してる。両天秤なんて悪い事じゃない。それだけ昔から想っていた殿下に、僕という存在が負けないくらいリリシアの心に居たって事だから。そして──」
ウェルスィ様は私の両肩に手を添え、優しい瞳で言った。
「──今は僕に傾いた」
「……軽薄な女だと思いませんの……?」
「思わない。こう見えて僕はしつこいんだ。僕は君の全てを肯定するし、君だけを愛してる」
「ずるい……本当にずるいお人です……そんな事言われたら私……!」
「僕を好きになってしまうかい?」
あぁ……もうどうなっても知りませんわよ……!
殿下に裏切られて傷付いた心など、既に癒えてしまった。同時に殿下への想いも消えてしまう。
だってこれ程までに私を愛して下さる方が居るのだから。
「とっくに好きになってしまいましたわ。私の方が強い気持ちかも知れませんわよ?」
「む、言っておくけど僕の方が愛してるからね!」
「すぐに追い抜いてみせますから!」
「ぷっ」
「ふふっ」
私達は顔を真っ赤にしながら吹き出すように笑い出した。
なんて、なんて素晴らしいお方が私を愛して下さったんだろう。
未来の私、あなたのおかげで確かに幸せを手に入れましたわよ。
「リリシア──」
「ウェルスィ様──」
月明かりが優しく照らす光の下、私達の影は一つになる。
口付けは一瞬で、触れるだけのものだったけれどそれで良い。
あの手紙にはそう書いてあったから──
※
未来の自分からの手紙。
これには現代に無い特殊な魔法が掛けられていた。
今の技術では解析は不可能。更に解除も不可能。
ただ誰が開発した魔法なのかはすぐに分かった。
過去も現在も未来も、どんな道を辿っても必ず同じ人と結ばれるという、しつこいくらいに強い気持ちが書き連ねられていたから。
あの日──
『はじめましてリリシアじょう。ぼくはウェルスィ、きみのつよいひとみにひかれた!ぼくとけっこんしよう!!』
『ごめんなさい、わたしでんかとこんやくしてますの。あと、いきなりけっこんとかいわないほうがいいですわよ。こわいです』
『えぇ!?』
手紙をくれた頃から数えて二十年後の僕、面白くて美しい人をようやく手に入れたよ。
幼い頃から想い続けた彼女は、今僕の隣で強い瞳を僕に向け続けてくれている。
必ず幸せにしてみせるから、この手紙はもう要らない。
それに魔力を込めるだけで過去へ飛ばせるようにしたのは、後は自力で彼女を幸せにしろって事だろう?
そしてリリシアに出会ったばかりの僕。
諦めるな。鍛練を続けろ。
運命は必ず僕達を結ぶから──
お読み下さりありがとうございます!
続きが気になる、面白い。
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