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人間は 誰でも みんな 死ぬときは ひとりぼっち      続・小夜物語  第28話

作者: 舜風人

どんなに友人がいっぱいいても

どんなに有名人で人気者でも

どんなに家族に囲まれていても

どんなに大金持ちで、取り巻き連中に囲まれていても

人間は

死ぬときは一人ぼっち、、、。


雨の降る秋の夕暮れ

わたしはしばらく前から体調不良で

自宅に引きこもっていた。


こんな時は不思議と昔のこと、ばかりが

思い出されるんだよな。


それもみんな

なくなった人の事ばっかりがね


その人々はみんな平凡な庶民ばかりで

何らかの私のかかわりがあった人なんだけどね。


有名人なんて一人もいませんよ

そりゃあ、そうだよね

この私が

まさに

無名の、庶民代表者?みたいなものなんだから。

その私がかかわった人が

有名人であるわけがないですよ。


でも


懐かしいんだよ


こんな雨の日に一人で自宅に引きこもってるとね。


みんな

みんな

ごく平凡な庶民で


まったくの無名で、、、、、、、


でも、そんな無名の庶民でも、、、、、

精一杯

生きて、、

生ききって、、、、

それが、、、

ある日

突然?

死んでいったんだよな。


それじゃあ、、、、

こんな雨の日には、、、

記憶をさかのぼって、、、、、

思い出の糸を、手繰ってみましょうかね?


わたしの記憶に残る、、、、、、、、、、

最も古いと思われる、近隣の「死」は、、

姉の嫁ぎ先の、義祖母だったと思う。

つまり姉の夫の祖母ということ。

その人は幼い私が行くと、古い農家の縁側で

いつも日向ぼっこしていて、

わたしに黒い大きな飴玉をくれたっけ。

優しい老女だったなあ


その人が亡くなって葬儀に、私も行くと、、

大きな、、木製の桶が座敷にあって

その中に

あの老女がちょこんと座っていたっけ。

つまり「棺桶」だったということですね


今でも「棺桶」ってい言うじゃないですか。

昔は文字通り「桶」だったんですよ。

わたしはこわごわその棺桶を、覗き込んだ記憶が鮮明に残っていますよ。

老女は微動だにせず、座っていましたね。いわゆる「座棺」ですね。

今は「寝棺」しかありませんが

昔の田舎は「棺桶」で「座棺」だったんですよ。


それから何十年、、、、、、、、、、、、、、、

わたしはどれほどの近隣・親戚。父母、友人・知己・同僚などの死を

見てきただろうか、

数えきれないほどでしょうね。

余りに数が多くて、、忘れてしまったものが多いですが

今でも記憶にくっきりと残っているのも、いくつかあります。


その第一はやっぱり父母の死でしょうね。


でも


その前に

友人の死を語っておきましょうか?


高校生の時

友人でK君という男子がいました。頭が良くて、、素朴な子でした。

その子は高1で急死しました。

15才だったと思います。

ある日放課後の部活のウオーミングアップで

その子は校庭をジョギングしていたのですが突然倒れて

救急車で搬送されましたが死亡が確認されたのです。

死因は「急性心不全」でした。

その子は、心臓病の前歴はありません、。

なのに?急性心不全で急死です。

なんという不条理でしょうか?


その次に思い出すのは大学時代の友人のD君でしょうか?

その人はたしか?新潟県出身で、合気道部でした。

それくらいですから頑健そのものといった感じでしたね。

筋肉質で浅黒くて、、

ある日バイトの帰りに、

転倒してガードレールに頭を強打して、、

即死でしたね。

余りにもあっけない死でした

人間てこんなにあっけないのか

死ってこんなに不条理なのか?


新潟からご両親が遺体を引き取りに来て、、、、、

それっきり、私はその後は、、連絡なんて来なかったし、わかりませんけどね。


次に思い出すのは、、

就職して、その先輩のお方でしたね

その先輩は、、たしか45才で、、肩こりに悩まされていましたね

「Q君(私です)おれねえ、肩こりがひどくって、針きゅうに行ってるんだよ。

でもなかなかか良くならなくってね。」

そういっていた先輩はその3か月後、

肺がんと診断されて、その半年後にお亡くなりになりました。

肩こりは、、実は❓肺がんの痛みが肩に放散した「放散痛」だったのです。

お葬式にもいきましたが、、まだ若い奥さんは号泣していましたね。

子供さんも3人いて泣いていました。


次に思い出すのはその職場で親しくなった友人のR君です。

歳もほぼ同じで、急速に親しくなり行き来するようになりました。

彼はその後結婚して、数年後、

胃の痛みを覚えて通院すると、、

「スキルス性胃がん」でした。

若いので進行が早くてステージ4でした。

入院して、お見舞いに行くとあんなに元気だった彼が

げっそり痩せて見る影もありませんでしたね。

そして数か月後。あっけなく逝ってしまいました、、、、、、、、、、、。

奥さんは葬式で泣きじゃくっていました。


更に思い出すのは、、、、、、、、、

その職場に新入社員で入ってきた後輩を

わたしが指導役で?見ることになったのです。

その人はB君といって明るい好男子でしたね。

私に懐いて?慕ってくれましたっけ。

その後彼は隣県に転任してその後は特に交流もなかったのでしたが、

あるひ、彼が死んだと連絡が来ました。

なんでも、、

職場の忘年会?で、終わって、酔っ払って帰宅途中に

躓いて?後頭部を強打して、、即死だったそうです。

余りにもあっけない「死」でしたね。

人間ってこんなに簡単に死んじゃうんだ?

そういう思いに私は愕然としました。


ああ

まだまだ

思い出す

職場に専属の運転手さんがいて業務用のバスを運行していたのですが

その人、、Yさんは50才くらいで

なんと?

休んだことがないのだそうです

つまり皆勤ということです、

カゼ一つひいたことがないそうで、自慢そうに言っていましたね。

その、Yさんがある日、体調不良で通院したところ、

なんと、「悪性鼠経リンパ腫」と診断されたのです。

つまりガンです。

入院して、、一か月後みんなで、お見舞いに行ったのですが

病室に入るとあの日焼けした頑健名Yさんが

げっそり痩せて、、骸骨みたいでした。

唖然としたことを覚えています。

こんなになっちゃうんだ。

あの健康そのもののYさんが

まるで骸骨みたいに。。。

Yさんは半年後に帰らぬ人となりました。



ああ人の死ってなんて残酷でむごいのでしょうか?

あんなに元気でジョークを飛ばしていたのに、、

あんなに健康で若かったのに、、、

あんなに、生命に満ち溢れていたのに、、

それなのに

あっけなく

余りにもあっけなく

急死してしまう。


人生の哀れさ

人生の虚しさ

そして人生って急に終わってしまうんだ、という現実に

わたしは言葉もありませんでした、

でも

それが人生の現実なんですね。

人は

あっけなく

ある日

あまりにもあっけなく死んでしまうという

それが人生なんだという真実。

命って何だろう?

人生って何だろう?


わからない

わたしには、、わからない。


でも?こうして私はまだ生きている

生かされている。

生きたいと熱望しても、、急死してしまう人もいる

だがそれに対して

別に生きたいと熱望もしていないのに

わたしのように、長命を保つ人もいる。

この差って

なんだろう?

わからない

わたしにはわからない。


でもそんな私にも

確実に死は迫ってきているのでしょうね。

「生まれたものは何時か必ず死ぬからである」


最近ふっと意識が飛ぶことがあります。

しばらくすると意識が戻ってくるのですが、、

なんか

臨死体験❓みたいで気味が悪いです。

まあこれ一種の老化現象なんでしょうが、、、、、。


さて

私の姉も85才で最近亡くなったのですが

彼女は、、旦那が肺がんで10年前に亡くなり

其の後一人で他県に住んでいたんですが

ある日庭畑で倒れているのを近所の人が発見して通報

でもすでに亡くなっていたそうです。

「食道大動脈りゅう破裂」だったそうです。


もう一人の姉は健在ですがその旦那さんが

数年前に亡くなりました、。

他県に住んでるので姉から聞いたとことによると、

「散歩に行ってくる」といって旦那が出かけて

しばらくするとケータイがかかってきて

「公園にいるんだが息が苦しいから来てくれ」というので

姉が駆け付けるとベンチですでに死んでたそうです。

急性心不全だったそうです。


こうして人間って


どんどん死んでゆくんですね。

あまりにあっけなく

勿論有名人みたいに

気の利いたセリフなんか、残しもしないでね。

あっけなく

無言で死んでゆくだけ

まあそれが無名の庶民の死だということです。


生まれてきたとき無名であったように

其の後、どれほど生きたにしても

やっぱり

無名のままで

そうしてある日

余りにもあっけなく

無名に、、死んでゆく


じゃあ

彼らの人生って、、なんだったのだろうか?

何の意味が

何の価値が

あったんだろう?


わからない

わたしには

わからない。


でも

それが

無名の庶民人生の「実相」だというのが現実なのですね。

死ねば忘れさられるように、、、、、、、、、


というか?

生前

すでにまったくの「無名」でしたからね。

生前からいてもいなくても

だれも知らなかった存在でしたからね。

来たのも知らなかったし

去ったのも知らなかった

ほんまに

あなたは空気のような、、、、、


それが庶民人生の真相なのです。


といって有名人だから人生がどうだともいえないしね。

死なば

風の吹くままに

塵のように

消え去るのみ、です、

英雄も

偉人も

聖人も

死ねば


そこらの庶民のように

消え去るのみだからです。

じゃあ

人生って何だったのだろうか?

わからない

わたしには

わからない。


ところで私の父母の死をまだ

語っていませんでしたよね。


まあ

いまさら語ってもしょうがないけどね。

わたしの父はお酒好きで、、アル中じゃあないけど

よく飲んでいましたね

で、、肝硬変になり

腹水がたまりむくんで、それでもお酒を飲んで

最後は自宅でほぼ寝たきりになり

ある日息を引き取りました。


わたしの母は、父の死後10年くらい生きて

独居生活で

訪問ヘルパーが毎日来て、

わたしは遠い他県で働いていたので介護もできず、

ある日ヘルパーさんが行くと血を吐いて昏睡状態だったそうです。

大動脈瘤破裂だったそうです、幸い軽度?で即死じゃなかったようですが

昏睡状態のままで、一か月後にはなくなりました。


人の一生って何だったのでしょうか?

人生って何だったのでしょうか?

そして

人の命って

何だったんでしょうか?


わからない

わたしにはわからない。


でも

ある日あまりにもあっけなく

人は死んでゆくってことだけはわかる


そう

余りにもあっけなくね。

人の死って

あまりにも

あっけないってことだけは

わかるよ。


そうして人の死って


どんなに友人がいっぱいいても


どんなに有名人で人気者でも



どんなに家族に囲まれていても


どんなに大金持ちで、取り巻き連中に囲まれていても


人間は


死ぬときは一人ぼっち、、、。











































































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