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兄さまの婚約

作者: 白谷芙蓉
掲載日:2020/06/16

スズラン兄さまは最近、とってもおかしい。

まず、私のことを全然からかわなくなった。

それどころか、みんなで食事をとるときもなんだか、ぼーっとしている。

最近は、食事を一緒に取ることも少なくっているので、たくさん聞いてほしいことがあるのに

食事をしながら、一生懸命話しても、

全然私の言うことを聞いていないみたい。

そういえば、家にもいることが少なくなって、

遠乗りにも一緒に行ってくれなくなった。


そう思っていたら、

なんと、スズランが婚約するとの衝撃ニュースを侍女のメローが教えてくれたのだ。

メローはすっごく興奮していた。

「スズラン様のお相手は子爵令嬢のミューレ様そうですよ。ミューレ嬢ってたしか、半年前に●×令息と婚約破棄したんじゃなかったですか?!いやーん。スズラン様ってば、相当情熱的にミューレ嬢に求婚したんってことでしょうか?!」


「・・・・・・」

そうだったのか。私は全然知らなった。

スズラン兄さまも私にはそんなお話一つもしてくれなかった。

そういえば、遠乗りにも一緒にいってくれなくなったのも

半年ぐらいまえからだったかも。

髪をくしでとかしてもらいながら、

私はぼーっとそんなことを考えていただけだったのに、

メローが突然手を止めた。

「お嬢様、どうしたんですか?スズラン様のご婚約がショックだったんですか?」

ひどく慌てて聞いてきた。

私は否定しようと口を開きかけたけど、

目の前にある鏡は私の泣き顔。

これはもう、ダメなときだ。

慌てて、鏡の前から離れて、ベッドにもぐりこんだ。

「大丈夫、なんでもないから。一人にさせて」

そういうのが精いっぱい。

ありがたいことにメローは何も言わず出て行ってくれた。


スズラン兄さまの婚約はとても嬉しいことなはずなのに。

スズラン兄さまが幸せなら、わたしも嬉しいはずなのに。

こんなに悲しくてさみしいなんて、間違っているのに。

そう自分に言い聞かせても、涙はでてくるし、

ちいさく悲鳴をあげているような声しか出てこなかった。

3階フロア全部を私の部屋にしてくれたのを初めて母様に感謝した。

ここで泣いても誰にも聞かれてることはないもの。

そう思ったら、余計泣きたくなってワンワン泣いた。


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