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JKとラブレター


「俺が運命感じた女の子、どうやらあの子も運命感じたらしいです。」


「小さい頃の約束を信じて会いに来たJKと同棲する事になりました。」


2作品ともよろしくお願いします。

 4月も半ばを過ぎた頃、凛が手紙を出してきた。


「朝学校の靴箱にこれが入っていました…」


「なんだそれ?あぁラブレターか!やっぱり凛はモテるだろうとは思ってたが早速か」


「中学時代から何度もあったんですが怖いんです…」


「なんかあったのか?」


「断った瞬間腕を握られたり抱きつかれたり…だから怖いんです。しかも指定の場所が校舎裏って怪しくて行きたくありません…」


「凛は可愛いもんな。だったら行かないでほっとく方がいいんじゃないのか?来ないって噂が広まればラブレターも減るだろう?」


「それももうしました。そしたら昔、あいつはお高く止まってるって悪口言われたりして…」


「じゃあ好きな人がいるから無理って言って走って逃げるくらいしか思い浮かばないなぁ」


「それでその…彼氏がいるって嘘を言いたいんですが和真君の名前出していいですか…?」


「まぁ名前だけならいいけどバレないか?」


「それは秘密にします。お願いします!」

 そう言い綺麗にお辞儀をしてきた。

 まぁ名前だけならと思い許可したが何故か今月一の笑顔になっていた。


 そして抱きつかれて話を続ける。


「それにいつかは本当に彼氏になってくれますもんね。今日も愛の成長を感じます」


「おいこの前の話から一週間しか経ってないのにそんなに育たないだろ?」


 そういいながら凛の背中に腕を回し抱きしめる。


「自覚ないんですか?最近は普通に抱きしめ返してくれるようになりましたよ?」


 言われて気づいた…

 最近は凛が抱きしめてきたらすぐに背中に腕を回している自分がいる事を…


 あとは一度だけだがソファーに並んでテレビを見ている時に無意識で抱き寄せていた…

 それは流石に気付いてすぐに離したが凛は嬉しそうだったな。


 凛が来てから1人の時間が減り、ムラムラした気持ちをあまり発散できていないのも関係あるかも知れない。

 まだ20代なんだから色々と溜まってしまうのだ。


 それよりも無意識に自分が変化していることに驚いた。


「凛を抱きしめてると安心して疲れが取れるんだよ。しょうがないだろ」


 今回も無意識に思ったまま口に出してしまった。


「じゃあカップル成立も近いかもしれません」


 そして早速今月一の笑顔を更新していた。


 そしてラブレターの作戦を立てる。


 まぁほぼ凛の案なのだが凛の生活がかかってるんだから当たり前か。


 まず朝学校に行ったら仲のいい友達と恋愛トークをして好きな人がいると言う。大きめの声で。


 そして彼氏かと聞かれた場合は「そうなの」と大きめの声で答える。


 片思いかと聞かれた場合に「彼氏だよ」と大きめの声で答える。


 聞いたところによると凛は結構有名になってるらしく男子などがクラスを覗きに来るらしいので噂がすぐに広まるんじゃないかとの事。


 そしてラブレターが来なくなればいいし来ても彼氏がいるからで済ませる作戦だ。


 そしてそれでもラブレターが来るようなら、

「彼氏いるのにラブレターとか迷惑」

 と言いつつその場でラブレターを読む作戦だ。


 それでこれから先の告白を減らせて今回の件も簡単に断る理由が出来る。


 そして作戦が出来た後、凛が抱きしめて来る。


 そして俺も腕を回そうとする前に一言、


「私の心は和真君にありますから」

 と言い、走って部屋に戻ってしまった。


 可愛い事を言ってくれるものだと思いながらも抱きしめられなかった寂しい気持ちがあることに気づく。


 そして「はぁ」とため息をつき部屋に戻るのだった。


 そして次の日の朝凛は意気揚々と部屋を出て行った。


 また抱きしめられなかった…


 そして会社帰り家に帰ると凛から作戦成功だと聞かされる。


 そして抱きついてきたが俺は肩を押さえて止める。


「えっなんで…?嫌でしたか?」

 そして表情が一瞬にして暗くなる。

 泣き、笑い、怒り、落ち込む。こんなにも表情豊かな凛が可愛く思えたが俺は心を鬼にして今日一日の事を思い返しながら言う。


「昨日の夜俺は今のお前と同じ気持ちだった」


 そう言い風呂に向かう。そして歩き出した時後ろからシャツの裾を掴まれる。


「ごめんなさい。昨日は恥ずかしくて逃げてしまいました…お願いなんで抱きしめて下さい」


「もう少し我慢してろ。俺は一日我慢した」


 そう言い残し風呂に入る。


 自分でも分かっている。やってる事が子供だって事くらいは。


 それでも寂しかったのだ。もう俺の気持ちは引き返せない。恋していると今自覚する。


 そして考え事のせいかいつもより長く風呂に入ってしまった後リビングに戻る。


 凛は落ち込んだ顔をしつつも夕飯の支度をしてくれていた。

 ありがたい事だ。俺はこんなにもガキなのに…


「凛」


「はい?」


「こっちにきてくれないか?」


「どうしたんですか?」


「頼むよ。来てくれ」


 もう俺はただの子供だった。駄々をこねているだけだった。そして凛を求めていた。


 そして近づいてきた凛を優しさのかけらもなく抱きしめていた。

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