幕間 香奈の気持ち
こんにちわ。お久しぶりです。
先週1週間かけて書いた物を今日全て投稿します。
今回でとりあえずの一区切りになりますので楽しんで頂ければ幸いです。
続きはまた来週のどこかでまとめて投稿致します。
ブックマークやレビュー、評価よろしくお願いします。
日曜日にお出かけに誘われた後、凛と部屋で二人きりになった。
出かけると言ってももう内容は分かっている。
フラれるんだ…
涙が流れそうになるが凛が近くにいるので我慢して笑顔を続ける。
当たり前の事だったのに今になって現実を目の当たりにしていた。
初めて会った時だって結婚の挨拶だったのに現実を見ない様に目を逸らしていたのだ。
現実を見ない事で今ここに入れるのでその事だけには感謝しよう。
もし最初から受け入れてしまっていたらもう話しかける事すら出来なかっただろう。
私はなんて弱い女なんだ。嫌気が差す。
だが今はまだこの家に入れる。
弱音を吐いた時点で精神的にここには入れなくなるので頑張って口を閉ざす。
机の上には婚約指輪のパンフレットが置いてあった。
だからこそ婚約指輪のパンフレットについて触れる。
自分も女の子だから婚約指輪に対する夢もあるのでまた現実逃避をしながら凛に話しかけて一緒にパンフレットを見る事にする。
凛は情けない顔をしていた。
大方、出しっぱなしにしておいた事を後悔している様な顔だった。
だから気にしていないそぶりを見せて一緒に眺める。
二人でどんなデザインがいいかなど話し合った。
いつの間にか自分の現実さえも忘れてまだ見ぬ将来を考えつつ会話も忘れてパンフレットを見てしまっていた。
「いつか私も欲しいな」
自分でも知らずのうちに言葉が出ていて凛の顔を見ると優しい顔をしてこちらを見ていた。
その後も寝るまで二人で指輪を選びあった。
そして二人で就寝する。
次の日の朝、ほぼ同時に目を覚ました。
そしてひとつだけ提案した。
「私はもうすぐ出ていくから私の得意料理を覚えてくれない?私の分も和兄に食べさせてあげて欲しいの」
凛はまた悲しそうな顔でうなずく。
そんな顔をして欲しくないのですぐに着替えさせてキッチンに向かう。
そしたら何故か互いにやる気が出てきてしまい朝から肉じゃがとグラタンを作ってしまった…
そして今日は焼肉をやる事に決まってから凛から驚くべき事を言われた。
和兄と二人で買い物に行ってきていいらしい。
凛なりの気遣いなのだろうか?でももう諦めも入っている私にはいい思い出になるだろう。
辛いがそれすらも受け入れなければここには居れない。
受け入れれば精神を保てる。諦めたからこそ叫ばずにここに居れる。
でも少しばかりの気持ちが心の中で叫んでいる。
最後まで諦めるなと。その気持ちに蓋をする。
そして着替えて家を出て家電量販店へ着く。
和兄を見ていると何もかも凛を優先しているのが分かる。
愛している事だって痛いほど伝わる。
もしも先にアピール出来ていて和兄の隣が私ならと考える。
でも“もしも”の話なのだ。もう遅い。
それなのに優しい言葉をかけてくるんだよ…?
また遊びに来ていいって言ってくれた。
和兄には迷惑をかけてるのに…
無理やり凛との仲を引き剥がすつもりだった私なんて嫌われて当然なのに…
多分、妹くらいにしか思われてないんだろう。
でも少し安心。たまになら隣に居れる。
それだけで安心するなんてなんて安い女だろう。
一生忘れられなくなるじゃん…
そして見栄を張って弱い部分を見せない様に言葉を口にする。
私は気が強くて強気で攻めれる女なんだから。
「でもまだ私にも少しだけ時間があるから覚悟しててよね!」
そして和兄と手を繋いだ。
評価の仕方は下の☆を、 ☆☆☆☆☆から★★★★★に変えて頂きたいです。
それがやる気に繋がりますのでどうかよろしくお願いします。