JKと土曜日の出来事
こんにちわ。
本日最後の投稿になります。
面白いと思って下さった方は評価、レビューよろしくお願いします。
今日は朝から2人で並んでキッチンに立っていた。
お互いの料理を教え合う事にしたらしい。
どういう風の吹き回しかとも思ったがいい事なので詮索はしないでおいたが…
多少の言い争いはあったが朝ご飯が出てきた。
肉じゃがにグラタン…
「朝から肉じゃがを教えるなんてどうかしてます!」
「私だって朝からグラタンを教えてもらうなんて思ってなかった!」
2人に話を聞くと呆れる答えが帰って来た。
朝なんて卵かウインナー、魚に納豆くらいしか思い浮かばないが自分の実力を見せびらかしたいが為に冷蔵庫の中の材料と相談して最高の料理を教える事にしたらしい。
そして凛が作った肉じゃがと香奈が作ったグラタンがテーブルにはある。
「とりあえず肉じゃがは味が染み込んだ方が美味しいだろうから夜まで待とう」
俺はそういいまだ箸を付けていなかった肉じゃがを凛に頼み鍋に戻してもらった。
まぁグラタンも重いと思うがどっちも食べるよりはいいだろう。
「お前らの実力は分かってるから見せびらかさないでいいんだぞ?」
「でも…私には月曜日までしか時間がないから…」
香奈の一言で場が暗くなってしまう。
「じゃあ今日は楽しむ為に昼間から焼肉行くか?午前中はスーパーに行っておけば2、3日は食事に困らないしその間は毎回1品ずつ作っていいから」
「和兄いいの?今みたいに変な組み合わせになるかもよ?焼肉はいい思い出になりそうだけど…」
「メニューは2人で相談してどうにかしてくれ」
そういい朝ご飯を食べながら2人は話し合い、スーパーで買う材料を考え始めた。
「でも焼肉行ったらビール飲みたくなるよな…」
「飲んでもいいんじゃないですか?ゴールデンウィークですから」
「お金かかるけど代行だってあるでしょ?」
「そうなんだがな…女子高生2人連れて焼肉行って一人でビール飲むのってなんかイメージ悪くないか?しかも俺のカードとはいえ凛に持たせて会計は全部任せてるのに…」
「それはそうだね…ホットプレートとかないの?そうすれば家でできるでしょ?」
「これからの為に今日買うか?家なら人目を気にしないしな」
「ホットプレートがあればお好み焼きとかも出来ますね。たこ焼きのプレートも付いてるやつがいいです!」
そしてホットプレートを買いに行くのも予定に加わった。
「私はお掃除もしたいんでホットプレートと材料は二人に任せてもいいですか?」
凛が珍しい事を言い出した。
俺と香奈を二人きりにしたくないはずなのにどうしたんだろう?香奈に話をするのは明日の予定だ。
「凛いいの…?和兄と二人で買い物行って?」
「いいんです。もう9時になるんで着替えて下さい。一番近い家電量販店は10時開店ですからすぐ選んでスーパー行かないとお昼ご飯に間に合いません!」
そういい俺と香奈を各自の部屋に押して行った。
途中で凛は香奈に小声で話しかけて「ありがとう」と言われていたのが聞こえた。
そして着替えも終わり凛に家を任せて香奈と買い物に出かける。
最初の家電量販店はすぐに終わった。
凛の希望も取り入れてたこ焼きプレートにお好み焼き用の平らなプレート、焼肉の油が下に落ちるプレートが付いたホットプレートを買った。
その他に集塵機能付き脱臭機とやらも購入した。
今ならなんと新品のフィルターが二枚付くとかやっていたし部屋にいつまでも臭いが残るのは嫌だったからだ。
だが重量が30kgを少し超えるらしいので部屋に運ぶのが手間だ。
家に送ろうとも思ったが昼には絶対に間に合わないので俺が頑張るしかないのだ。
「そんなに買っていいの?凛の為に奮発し過ぎじゃない?」
「凛の為だけじゃないぞ?会社の連中も飲みに来る事が多いし家具に臭いが付くのも嫌だ。お前だってたまには飯食いに来るだろ?」
「えっ?また来ていいの?追い出したいんじゃないの?」
「そんな訳ないだろ?ただ俺と凛の事を納得して欲しいだけでもう来るなとは言わないぞ?香奈がくっ付いたりするから凛が怒って追い出そうとするだけで親戚なんだからたまには来いよ」
「いいならたまには遊びに行ってあげてもいいかな…」
そう小さい声でいいながらも顔は少しにやけていた。
俺も凛もただ追い出したいんじゃないのだ。香奈が俺を奪うと言うから凛が追い出そうとするだけで、普通に接してくれれば凛だってもてなすだろう。
佐藤の時だって色々あったが今は凛と仲がいいし飲み会では普通にもてなしている。
だからもし香奈が俺を諦めてくれた上で仲良くしてくれるのであれば凛も納得すると思う。
「でもまだ私にも少しだけ時間があるから覚悟しててよね!」
そういい手を繋いできた。
香奈は元気良く言ってはいるが言葉に影が見える。
そのせいもあってか手を離せないでいた。
香奈にも考えがあって今を過ごしているのなら聞いてもしょうがないだろうし手を繋いだままスーパーに向かう。