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幕間 凛の思い

間違いで一つ先を投稿してしまいました。


これがあってからの次の投稿なので割り込ませて頂きます。


良かったと思って下さった方は評価、レビューよろしくお願いします。



 香奈さんは早い段階で和真君を諦めていた。


 料理勝負が終わって和真君の感想を聞き終わったあたりだろう。


 先にお風呂に入った香奈さんとすれ違う時の目がいつもと違った。

 私がお風呂に入っている間に二人は大切な話をするだろう。


 香奈さんの目はそれにも気付いている様な気がしたしそれは間違いじゃない。

 今の私は和真君に愛されている自覚もあるのでほぼ不安はない。

 でも“ほぼ”なのだ。数%の不安が私の心にはある。


 でも私には和真君を信用する事しか出来ない。


 そして出るタイミングを見失い長風呂になってしまったが、さすがにまずいのでお風呂をあがった。


 そして和真君と交換でソファーに座る。


 そして香奈さんと二人きりになった。


 そして香奈さんは私に語る様に話しかけてきたのだ。


 私は香奈さんの話を静かに聞く。


 日曜日出かける話をされた事。

 もうふられる事が分かっている事。

 腕に抱きついてみたがそれだけで何もしてくれなかった事。

 振り解かれはしなかったが心はもう決まっている様な気がした事。

 日曜日出かけていいかは私が決めていいって事。

 嫌なのは分かっているが出来れば許可して欲しい事。


 そんな事を聞かされた。


 そしてその時の私の気持ちは同情に近いものだった。


 こんな私がいやらしい。同情なんて最低な事なのに…


 でも香奈さんは心が強いのだ。フラれると分かっていても和真君とデートがしたいんだ。


 少しの時間だけでも二人きりで居たいのが分かる。


 そんな事私には出来ない。


 答えが分かっているのなら多分部屋に閉じこもってしまうだろう。

 だからこそ傷つく事を受け入れてでも前に進む香奈さんが強く見えた。

 だから私は明日許可を出す。


 同情だけじゃない同じ気持ちを持つ者として香奈さんを見送ろうと思う。


 そして時間的に和真君が上がるだろうと思ったのか明るい話題を振ってくれた。

 和真君に心配させない気遣いすらも完璧だったので私はそれに乗り会話をする。


 今は香奈さんに助けられたと思う。


 自分が辛いのに和真君の心配をしているからだ。


 私には絶対にできない。もし立場が逆なら泣いてしまい空気を悪くするだろう。


 だからこそ香奈さんの気持ちを汲み話に乗っかる。


 そして和真君に気持ちを悟られる事なく3人でソファーに座る事が出来た。


 その後はコンビニに行き警察に声をかけられた。


 警察に話しかけられると自分が未成年である事を自覚させられるので嫌いだ。


 親に確認を取らないと返してもらえないし納得してくれない。

 今の時代は未成年を相手にした犯罪も多いので理解はしているが和真君はそんなひとじゃないと分かってもらいたい。

 でも初めて会う人の、人となりまでは分からないのでしょうがないのも分かっている。


 でも納得は出来ない。

 私は和真君の婚約者なのに…


 でもまだ紙の上での届けも出していないのだ。

 言葉での誓いは互いに結んだがそんなもので世間は納得しない。


 だから早く結婚したい。そんな思いで泣きそうになるが香奈さんはそんな気持ちを分かってか言い争いを自らし始めてくれる。


 何度も助けられている。私も強くなりたい。


 そう思わされる。そして博人おじさんやお母さんのおかげで解放されるまで香奈さんは泣く暇をくれなかった。


 ありがとう。言葉に出すのは恥ずかしくて心の中に留めてしまった。

 そんな所が弱いんだと分かっているが言えなかった…


 だから私の部屋で寝てあげると提案だけした。


 そして家にいる安堵感からか限界が来た様で香奈さんがいるのに和真君にキスしてしまう。


 それに反応したのか香奈さんまで和真君に抱きつく。


 そして首筋にキスマークをつけたのだ。


 たくさん助けられたが流石に怒ってしまった。


 和真君は私の物だとその行為を心が拒絶した。


 そしてそんな私に怯む事なく香奈さんは耳元でささやく。


「日曜日に全て終わらせるから…今回はごめん…」


 その言葉で私の心の温度が急激にさがり怒りを忘れる。


 そして二人で私の部屋に入る。


 香奈さんは私の机の上にある物を見ながら笑顔を崩さないが目には少し涙が浮かんでいたのだ。


 だってそれは婚約指輪のパンフレットなんだから…


 昨日は隠していたが今日は服を取りにきたついでに少し見てしまったのだ。

 決して香奈さんに見せびらかすつもりはなかったのに失態だ…


 それからは香奈さんに誘われて一緒にパンフレットを見た。


 香奈さんは優しい目をしていた。指輪に想いを寄せるような表情で私と話をしてくれた。


 そしていつか自分も欲しいと言いながら一緒に指輪を選んだりもしたのだ。


 こんな優しくも心の強い女の子と心からの友達になりたいと心から思った瞬間だった。







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