JKとJK②
「俺が運命感じた女の子、どうやらあの子も運命感じたらしいです。」
「小さい頃の約束を信じて会いに来たJKと同棲する事になりました。」
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「和兄はどうして凛ちゃんを選んだの?」
香奈は2人きりになってすぐにそう聞いてきた。
「俺も最初は何とも思ってなかったんだけどな。最初から好きだってアピールもあったし行動で示してくれた。あとは料理で胃袋を掴まれた感じだな」
「それなら私も好きだってアピールしてたと思うんだけど…気付いてたでしょ?」
香奈から本心が出た。だが香奈のアピールは親戚のお兄さんに対するちょっとした気の迷いくらいにしか考えていなかった。
「香奈の気持ちにも少しは気付いてたさ。でも凛はどんどん俺の内側に歩み寄ってきたし一緒に住みたいって言ってきた時の目が本気で断れなかったのもおるけどな」
「和兄って凛ちゃんと一緒に住んでるの!?知らなかったんだけど!報告してよ!そしたら私だって好きって本気で伝えたのに…誰よりも好きだって自信あったのに…」
いつも強気な香奈が涙を流してしまった…
そこまで本気だったなんて知らなかったしもう俺の気持ちは凛と共にあるのでもう答えは決まっている。
「香奈泣かないでくれ。俺と凛はもう一生を誓った。ずっと一緒にいたいんだ。だから認めて欲しいんだ」
「そんなの絶対に出来ない。理解はしたけど納得出来ない!」
大声でそう叫び凛と母さんがキッチンから顔を覗かせるが俺が気持ちを伝えてる事を汲み取ってくれて会話には入らないでくれる。
「それでもだ。香奈は大切な親戚程度にしか見ていない。それが本心だ」
酷いようだが俺には香奈を突き放す事しか出来ない。香奈を慰める事は簡単かもしれないがそれをしてしまうと俺への気持ちを捨てれなくなると思った。
そして香奈は泣き崩れてしまうので俺は縁側の方を向き泣き止むまで待った。
そして香奈の泣き声が止み話しかけられる。
「いつ籍を入れるの?」
「俺と凛の誕生日でもある10月10日の予定だ」
「それ運命じゃん」
「俺もそう思うよ」
短い会話が続く。だが俺は未だに香奈の方を見れない。元々気が強い子なので泣き顔を見られたくないだろう。
「じゃあそれまでに私を意識させるから覚悟しておいて?あと向こうの親に婚約が破談になりましたって挨拶の練習もしておいてね」
「もう諦めてくれ。そのつもりはない」
「でも絶対意識するようになる!」
「やめてくれ。香奈の行動で凛が悲しんだら俺は本気で怒るぞ?」
「構わない。怒られるくらいならいくらでも怒って!私は本気だ」
「じゃあ好きにしてくれ。もうお前とは分かり合えない」
そう突き放した。そしてキッチンから母さんだけが戻ってきた。
「話は済んだ?香奈ちゃんも気持ちを伝えたのね?泣いてるのを見れば答えは分かっちゃうけど」
「まだ答えは出てないもん。これから和兄に本当の答えを出させてやるんだから」
そういい下を向き黙ってしまう。
そして今度は俺に話しかける。
「言ったでしょ?香奈ちゃんと凛ちゃんは合わないって。意味わかった?」
「まぁ分かったけど香奈が理解してくれればいつかいい仲になれるとも思うけどな」
「難しいかもしれないけどあとは時間が解決してくれるかしらね。あと凛ちゃんの手際いいわね。料理の腕すごい」
「そうだろ?食べたらびっくりするぞ?俺の部下たちの胃袋まで掴んでるんだ」
「もう会社の人にも紹介してるのね。俺の妻ですって言ってるの?」
「まぁ結婚するとは言ってあるよ」
「和真も結婚するにはいい年だと思うわ。おめでとう」
「じゃあ会社の人たちにも結婚相手が変わったって報告の練習もしておいて!」
黙っていた香奈がまたそんな事を言い出した…
もう納得してくれよ本当に…
母さんも笑ってないでどうにかして欲しいもんだがどうしようもないだろう。
「お昼ご飯出来ました!」
凛の明るい声が聞こえてきたので運ぶのを手伝いにキッチンに向かう。
「香奈さんどうでした?大声出してましたけど?」
凛も気になったのか小声で聞いてくる。
「好きって言われたからしっかり断ったよ。あとは香奈次第だな」
「そうですか。和真君ありがとうございます。私はお義母様から幸せになってねって言われたのに早速不幸になるところでした…」
「俺は凛だけだよ。もっと幸せにしてやるから楽しみにしててくれ」
そう伝えると凛は笑顔になる。その笑顔を俺は守りたいんだ。
「和兄〜そっちから甘い雰囲気が伝わってくるんだけど早く来てよ!貴方の妻が待ってるぞ!」
そう香奈の声がした…凛と俺は苦笑いしつつも料理を運ぶ。
こたつの上に並ぶのは麻婆豆腐と青椒肉絲、それにチャーハンだ。そして小皿に1人づつモヤシのナムルがよそってある。
まるで中華料理屋のようだが凛は中華が好きなんだろう。
結構頻繁に夕食でも中華が出てくるから。
本来はレパートリーも豊富だが今日は有名所で勝負のようだ。
「美味しそう…」
香奈はそう呟き目に涙を溜めている。
それを俺も凛も見ないふりをして4人で「いただきます」と挨拶をして食べ始める。
そして波乱のお昼ご飯がスタートした。
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