JKと飲み会と…②
「俺が運命感じた女の子、どうやらあの子も運命感じたらしいです。」
「小さい頃の約束を信じて会いに来たJKと同棲する事になりました。」
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〜凛と佐藤〜
私は泣いていた。大好きな人がキスされる所を見てしまった。しかも相手は仲良くなれたと思っていた千夏さんだった。
でも少し納得も出来る。看病するほど好きで通い詰めてる人がすぐに諦め切れる訳がない。
現に私だって上手くいったからよかったものの押しかけているのだ。
「千夏さんに先越されちゃった…」
そして「バンッ」とドアが開く。
千夏さんがドアを破る勢いで入ってきてすぐに締める。
「凛ちゃんごめんなさい…自分の気持ち抑えられなかった」
目は腫れて涙がボロボロと流れている。
「キスまでしてフラれちゃった…」
心臓が飛び出るかと思うくらいびっくりしつつもすぐに安心している自分がいた。
「そうですか…」
何も言えなかった。かける言葉なんて出てこないし、慰めるなんて絶対に出来ない気持ちもある。
全ての感情が溢れている様な気持ち。
ドロドロと渦巻き制御出来ない感情。
千夏さんに取られなくて嬉しかった。
そしてキスをした千夏さんへの怒り。
もしかしたら自分も同じ運命を辿るかもしれないという気持ち。
私なら成功するかもしれないともちょっとだけ思った。
「凛ちゃんに恨まれても仕方ない。嫌いになってもらってもいい。でもね私スッキリした。酷い話だけどもう思い残す事はないと思ってる」
「私、どうしたらいいか分かりません。怒ってますし許せない。そして悲しいです。でも千夏さんがフラれたと聞いて安心している自分にも嫌気がさします。そしてどうしても和真君の気持ちを独り占めしたくなりました…私、和真君が大好きでずっと一緒にいたい。私の愛を全部あげるから愛して欲しいんです!」
「それでね…?こんな性格が悪いお姉さんから最後に一つあげられる物があるの。係長をこの部屋に連れてくるから私をフった理由を聞いてみて?それが全ての答えだから…バイバイ」
そして千夏さんは部屋を出て行く。
「何があるの…?」
そして入れ替わる様に和真君が入ってきた。
〜和真と凛〜
なんだかんだで初めて部屋に入れる。和真君の家なのに私のプライベートな空間を作ってくれている事に感謝をしているが今はそんな事どうでもいい。
「和真君…」
「凛ごめんな?凛かと思っていつもみたく抱きしめちまった。まぁ佐藤だったんだけど…それで話ってなんだ?」
「千夏さんから和真君に私をフった理由を聞いてみろって言われました。どうしてですか?キスまでしてましたし…その光景が頭から離れないんです…私、許せないし、悲しいしぐちゃぐちゃです。その答えがあるなら教えてください!」
最後の方は会話にもなっていなかった。涙を流し怒鳴りつけるように大声を出していた。この気持ちをどうにかして欲しくて…答えがあるのなら教えて欲しくて…勉強はたくさんしたがこれの答えは導き出せなくて…もう和真君の言葉を待つしか出来ないのに涙しか出なくてどうしようもない。
「俺が佐藤をフった理由はな…凛、お前の事が好きになっていたからだ。凛じゃなきゃ嫌で凛以外考えられない。俺の中にはもう凛しかいないんだ!」
そして抱きしめられる。今までで一番力強く。そして今まで一番情熱的で…愛を全身で感じるほどに…
「私でいいんですか?私を一番に選んでくれるんですか?独占欲の塊で求めて欲しくて嫌なことして怒られて…こんなにいい生活させて貰ってるのにお金も返せないし、ご飯を作る以外なにも役にたたないのにいいんですか?」
「そんな事ない!凛がいいんだ。凛の料理が一生食べたいし生活費なんて男の甲斐性だ。一番なんて言葉じゃいいあらわせない。凛以外じゃだめで凛以外考えられない」
「じゃあ私を和真君の彼女にしてくれますか?」
私は確信に迫る言葉を求める。
「彼女どころかお嫁さんになってくれ。一生俺のそばにいてくれないか?」
「じゃあこの前の続きをして下さい。今度は笑ってごまかさないで?愛を感じさせて下さい」
そして和真君と見つめ合う。
和真君は私を大切にしてくれているからこそしてくれなかった。
でも今の私は答えを求めている。
言葉だけじゃなくて行動で示してほしい。
この気持ちが伝わって欲しい。そう願う。
そして和真君の腕が頭に回る。
そして私の初恋の人と初めてのキスをした。
最初は唇を触れさせるだけだった。
「もっと感じさせて?」
そして何度か触れ合わせたのち絡み合うような深いキスをする。
私の中に想いが流れてくる。愛情を全て注ぎ込むように互いに求め合う。
私のファーストキス。
上手く出来ていないかもしれないがそれでも求め続ける。そして何度目かも分からないキスののち和真君が話しかけてくる。
「みんなに報告しよう。凛を俺の奥さんにするって」
「皆さんに言ったらもう戻れませんよ?酔っているなんて言い訳通用しませんよ?千夏さんだっています」
「俺はもう決めたんだ。ちゃんと言おう。それと佐藤に言われた事がある。凛が話があるって言われたあとになんだが、フラれるの分かってて告白しました。係長も前に進んで下さいってキスは私の思い出だと思って勘弁して下さいって」
「私千夏さんに謝ります。キスしたのは嫌だったけど誤解してました。私のためだったなんて…」
そして2人手を繋ぎ部屋を出るのだった。
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