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人生交換後の二人の日常  作者: sho
それぞれの課題
6/19

【5】  魔道学校 ~テオの世界~

「ここが、魔道学校さ」


目の前にあったのは、高い高い石積みの壁。半円形に空いた穴の向こうが見えないことからも、この壁の厚さがうかがい知れる。鳥肌が立つのは、壁の影で寒いからだと信じたい。

「中に入ったら、学長を呼ぶんだ、出てくるころには、家までの転移魔法くらいは使えるだろうさ」

「学長?」

「ああ、少し癖はあるけど、いい人さ。うわさだと、この世界に七千年生きているとか。」

ああ、そうだ。この世界では、前の世界の常識は通用しない。改めて驚いたけど、この感覚にもそろそろ慣れないとな。

「じゃあ、帰るからな!家で待ってるぞー」

可愛い少女の口から、思いがけない言葉が飛んでくる。

「え、ええ?」

次の瞬間、そこにあったのは高い太陽と、小さな花だけだった。

「いや、ここでおいて行かれるのは想定外なんだけど・・・」

前の世界の常識は通用しない、通用しない。いや、あの人が特殊なだけか・・・うん、きっとそうだ、きっと。

綿雲が高く空に浮いている。ああ、落ち着く。目線をずらすと、石の壁が。落ち着け、ケイ。頑張れ、ケイ・・


えっと、中に入ったら、学長、さんを呼ぶんだよね。

暗いトンネルを見る。さっきの街並みとは打って変わって、ここには人がいない。ここ、本当に入っていいのかな。一歩ずつ足を前に出す。自分のとは思えないほど、足取りが重い。てか、これ、僕のじゃないや。

体感一分、実際は二十秒くらい歩いたところで、中の景色が見えた。

そこは、普通の、草原だった。

「常識が、通じた。」

思わずため息が漏れる。精神的な解放感が半端じゃない。この世界に来て、一番リラックスした瞬間。視覚、聴覚、嗅覚と触覚。すべての感覚が安全を伝えている。

「ふぁーあ」

草原に倒れこむようにして横になると、疲れに任せて目を閉じた。



「寝たか?」

「寝た!」

「よし、運べ!」


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