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【10】 ヘレンとヘレナ 〜ケイの世界〜
「ヘレン、聞こ―――レン、聞こえるか?」
急に少しノイズがかった通信が。
「何よ、いきなり呼び出しておいて。レディーに対して失礼じゃないの?」
二人分の長距離転移魔法を使って、疲れてるってのに、こんなことに魔力を使いたくない。
「――だ、テオ――。元気――てるか?」
テオ!?あの人ったら。ケイのことに気がついたのね
「元気よ。あなたの亡骸くんもね!」
「それは良―――。たい――。魔力がほ――でき――。」
通信が切れた。テオったら、入れ替わって、魔力が弱まったみたいね
早く元通りに入れ替わってくれればいいんだけど。
だめだ、切れてしまった。この魔力ではこの程度が限界か。
「ちょっと、まさか魔力切れ?私の魔力はどうしたのよ!」
セレナが金髪をゆらゆらさせながら文句を言う。
「何の話だ。お前から吸い取った魔力など、私の全魔力のうちの1割にもならんぞ」
「え、うそ…」
細い足が地面に崩れ落ちる。実は、さっきの話はかなりの誇張を含んだものなのだが、これはこれで面白いから、また繰り返そうと思う。
「やはり、問題は、魔力だな…」
「私、詳しい人を知ってるわ」
声だけでドヤ顔が目に浮かぶ。復活、早いな…
「あした、森へ行きましょう」




