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「金堂金物店」試作  作者: はちのす
2/6

第一幕 夜半

グロテスク表現注意




―――日曜、夜半―――




ひとつ、例えるならば胎内(・・)であるかの様にうねり動いて変化していく、その情動と言えばいいのだろうか。



阿形敏郎(アガタトシロウ)は、元来そういった感情の揺れによわかった(・・・・・)



名状しがたい強い圧迫によって横隔膜を跳ねさせ、意識の無いままに「うっ」と呻いてしまう。




………それだけならばどれほど良かったか。




彼の前には、異形の物がゴロリ、ゴロリと蠢いていた。



頭についているはずの目、鼻、口は無く、まるで最初からそこになかったかのような、のっぺりとした皮。

胴は無くそこからは足が生えるのみ。



―――あぁ、今夜も夜が開ければ、冷たい石畳の上は死屍累々か―――



頭の裏っかわにチリ、と灼けるように自戒の呪が浮かぶ。



彼、阿形敏郎は睡眠時遊行症(夢遊病)により、この京都を夜な夜な徘徊する日々を送っていた。


夜半に出歩くものは皆彼にとっては同じもの。


成りきらないものへの異常性愛が彼を突き動かしていた。



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