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Bar pomegranateシリーズ

Bar pomegranate 劇団青二才side

作者: 裕澄

時系列的には、Bar pomegranateの後になります。

「本日は、よろしくお願いします。」

目の前の女性が、名刺を差し出さられた。


「こちらこそ、よろしくお願いします。」あたしも、最近作った名刺を差し出した。

月刊stage(ステージ) ライター 小林ゆうき】

所属してる、劇団青二才に限らず

脚本を書いている

あたし、臼倉美月(うすくらみつき)は【月刊stage】の取材を

演出担当の竹さんこと、竹林健太郎(たけばやしけんたろう)さんと

今回、脚本を担当している舞台【Bar pomegranate(バー パーマグラネット)】のインタビュー取材を座長の畑さんにまかされた。

『正直、月刊stageのライター苦手なんだよね…』と、思いつつも仕事だし、割り切ろう。


「美月、お前名刺作ったんか。」

「劇団所属って言いつつ、好き勝手に脚本家業は、やらせてもらってるんで。」


こんなやり取りを竹さんとしていると、小林さんがテーブルに座って、取材道具を出しはじめた。


「インタビュー前に、ちょっとききたいんですけど。」

と、小林さんが申し訳なさそうに、あたしに喋りかけてきた。


「うちの雑誌、臼倉さん苦手だから、インタビュー受けてくれないかも。って、上司に言われたんですけど…。なにかあったんですか?」


その言葉を聞くと、あたしと竹さんはニコリと笑いあった。

「これ、記事にしないで下さいよ。」

「おたく自体は、悪くないねん。なっ、美月。」

明らかにほっとした、小林さんを見てどんな噂が流れてるんだろうと、少しだけ興味が出てしまった。

「そーです。若林さんってライターさんと、ちょっぴり言い合いしただけですよ。」若林さんという、ライターさんに散々酷評され、鬱憤を晴らすために行った、居酒屋で偶然にも遭遇して、

まぁ。お酒の勢いを借りて言い合いになった。


「飲み屋で、あれだけ口論したら、そら噂にもなるやろ。」

「若林さん、演劇論語ると止まらなくなるので…。そう言うことだったんですね。」


そんな雑談と双方の準備が終わると、

いよいよインタビューがスタートした。


―今回の舞台はどのようなお話なんですか?

臼倉「今回作の【Bar pomegranate 】は歓楽街のBarの中で起こる、ヒューマンドラマですね。」


―脚本は臼倉さんが担当されて、演出はteam luckybook(チームラッキーブック)の竹林さんの劇団を越えてのタッグですね。

竹林「そうなんですよ。コイツ(臼倉)から、『竹さんっ!今回の舞台手伝って下さい!絶対失敗できないんですよ~!助けてくださいー』って、電話かかってきて」

竹林「それで、しゃーないからOKだしたら、『演出と客演で出てください』って。」


―えっ!?事前に客演依頼はなかったんですか?

臼倉「言わなくても、いいかなーって(笑)

どうせ脚本やってもらうなら、客演で出て貰おうと。スペシャルな感じにしようと思って。」

竹林「スペシャルで言うたら、座組が集まるだけで、スペシャルやん。」

臼倉「まぁ。そうなんですけど。鏡夜(きょうや)さんと千重子(ちえこ)さんのスケジュールが空くタイミングを見計らって、小屋とかも押さえて貰って。」


―並木さんと西尾(にしお)さんは、現在放送中のドラマでも、共演されてますけど、元々は劇団青二才出身ですもんね。

臼倉「そうですね。千重子さんに関しては、皆さんが思っている、千重子さんのイメージを覆す役をやってもらいます。」

竹林「西尾さんって、優しいイメージやからなぁ。ほんまに京都人って、感じやから

ああいう役やってもらうん、俺も演出付けてて面白いわ。」


―西尾さんが、どんな役を演じられるのか、楽しみです。

最後になりましたが、【月刊stage】の読者の皆さんに一言づつメッセージを。


竹林「【Bar

pomegranate】いい作品に仕上がると思います。劇場に来てください。そして、teamluckyも本公演近いのでそちらも、是非(笑)」


臼倉「竹さんちゃっかり、自分の所の宣伝してるじゃないですか(笑)

劇団青二才 久しぶりの公演【Bar pomegranate】最高の舞台を作り上げていきますので、4月2日、3日は劇場でお待ちしてます。」

―本日はありがとうございました。

臼倉&竹林「ありがとうございました。」




「…はぁぁ~。おわった、おわった。」月刊stageの小林さんと別れて、稽古場へ向かう道で思いっきり背伸びをした。


千重子姐さん(ちえこねぇさん)の事、ばらさない様に気を付けるの意外に大変ですよね。」歩きながら竹さんに話しかけると、


「そうやなぁ。西尾さんって、女優モードやと、京美人って感じやけど

ほんまは、絵に描いたような(あね)さんキャラやからなぁ。」横を歩いてる竹さんもほっとしたように、あたしに話しかけてきた。

「その姐さんと、克也(かつや)さんが待ってるから、さっさと帰って稽古の続きしますか。」

「そうやな。あの2人が怒らへんうちに、戻るか。」

そう言って、あたしと竹さんは稽古場へ戻った。

Bar pomegranate連載2周年記念で書き上げました。

本当に、これでBar pomegranateシリーズは一旦完結です。


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