表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/8

涙的聲音/V.K克

楽曲掲載サイト

なし(本人未掲載の為)


主人公


URL

本人未掲載の為URL掲載不可。

Youtubeで検索よろしくお願いします。


作者コメント


ずっと一緒にいてくれてありがとう。

君は僕と一緒に過ごして楽しかったかい?


今日は…。君の誕生日だね…。





僕はアルバムを開いた。


懐かしいと思いつつパラパラと捲って行くと君と一緒に過ごした時の写真が何枚も出てくる。


僕が河原でプロポーズした時、君は

恥ずかしながらも嬉しそうな顔をしてくれたね。


君との思い出はいつまでも残り僕は一生忘れる事は無いだろう。

君は僕に数え切れないほどの思い出を残してくれた。一緒に笑いあった時もあったし喧嘩したこともあったね。


ありがとう。



付き合ってから半年が経つ。


君と僕の共通した趣味、それは音楽観賞。

二人で色んな曲を聴いていたあの頃はとても楽しかった。



まだ半年以上先だけど君への誕生日プレゼントも僕はもう決めていた。


それは歌。君の為に贈る歌。


まだ半分も完成していないけれど君の誕生日までに完全させるつもりだ。これは君との約束。


正直自分で作った曲を聞いてもらうのは恥ずかしい。

でも僕が君の為に作った歌なら君はきっと喜んでくれるに違いない。…そう思っていた。



次のページを捲ると出てきたのは病院で撮った写真。


そう。あの時の…。


君が急に床に倒れこんだあの時だ…。僕は救急車を呼んで病院に搬送してもらった。

それから入院、闘病生活が始まる。

意識は回復したが体は癌に蝕まれていたらしい。


どうしてずっと一緒にいたのに気付いてあげられなかったのだろう?


お見舞いに行ったとき、君は元気そうに話してくれた。

「ごめん、君の事、気付いてあげられなくて…。」「いいよ。気にしないで。私頑張って治すから。」



これはその時に撮った写真でそして最後の写真だった。


僕は君の帰りを待ち続けた。

無事に退院して元気になった君とまた一緒に過ごせる事を信じて。


元気な君の姿が見たいからね。そしてまたこの家で一緒に暮らしたい。

また色んな所へ遊びに行ってたくさん思い出を作りたい。

そのためなら何年経ってでも構わない。だから絶対に元気になって帰ってきてほしい。そんな気持ちだった。



…でもそれは結局無駄な事だったのだろうか?僕の叶わない夢の話だったのだろうか?僕は悲しくて仕方無い。

現実を突き付けられるのはこんなにも辛く悲しいことなのかって。それと同時に自分がどれほど無力だったのかを思い知らされた。





数日後。僕は君に会いに向かった。黒いスーツとネクタイを纏って。

会った時、君は木で出来た棺の中で静かに眠っていた。

君の顔は綺麗で…とても綺麗で…。名前を呼ぶと今にでも目を開けてくれそうな感じだった。でも…頬に触れると…とても冷たかった…。


僕は君の為に何をしてきただろう…?君が心から喜べる事を僕はしてあげただろうか…?

どうして?

どうして君がこんな事にならなければならないんだ?

君が向こうに行くにはまだ早すぎるだろう?

成人式も結婚も…。まだやり残した事はたくさんあるんじゃないのか?


どうして?どうしてだよ…。答えてくれよ…。どれだけ問い詰めても君は何一つ返事をせずずっと眠っていた…。


恋人の目の前で泣いてしまうなんて…。僕は男として情けない…。




その日の夜、僕はずっと泣いていた。







それから時が過ぎた…。


君のいない生活は慣れるまで大変だった。けれど今は上手くやって行けてる。少しずつだけど生活にも余裕が出てきた。


君の部屋を整理していた時忘れかけていたこのアルバムを見つけ今に至る。


今日はずっと楽しみにしていた君の誕生日だ。


…生きていれば。



僕はアルバムを閉じ家の外に出た。


僕が向かった場所は家の近くの河原。あの時君にプロポーズした思い出の場所だ。

ここなら君も覚えている筈だろう。


僕はこの河原で君に贈るはずだったこの歌を歌い始めた。約束通り君の誕生日までに完成させていたんだ。




君はもうこの世界にはいない。

どんなに大声で歌っても、

どんなに涙を流しながら歌っても、

どんなに君を想いながら歌っても…、

この歌は君には届かない。

届かない事なんて分かっている。

分かっていながら僕は歌い続けた。君の為に…。



歌い終えると虚無感が流れ込んで来る。

それと同時に少し気持ちが楽になったような感じがした。


恥ずかしくて君に対して一度も言えなかったあの言葉。今なら言えそうな気がする。



僕は君を想い静かにこう言った。

「愛してるよ…。」

と。




──ありがとう…──





涙的聲音閲覧ありがとうございます。

同じような静かなフレーズがずっと続くこの曲。聴いていると悲しいような優しいような。


恋愛もの(これが恋愛かどうかは不明)を書くのは初めてでしてよく分からないけど自分らしさを書けたのでこれはこれでよかったかな?と思います。

最後の一文は

愛してるよ。と大好きだよ。とどっちが良いか一週間くらい悩んだのは良い想い出です(笑)


でもこの曲に対してこの話は悲しすぎたかも知れないです(笑)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ