Bloken wing/MGR-T
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主人公
俺(名もなき少年)
URL
https://youtu.be/pDoUkY6Xqm4
※作曲者コメント
「身も心も思い出も全てを滅ぼされても、辛うじて残った命とボロボロながら飛べる翼で、この苦難を乗り越える。」と言うイメージで書きました。
作者コメント
故郷への核投下。少年はこれに怒り復讐を決行。
少年は巨大な核工場基地を壊滅させた。
その後基地破壊について大統領は会見を開きそれが報道される。
MGR-T氏より「悲哀と復讐の裁き」の続編として書かせていただきました。
少年が上空から放った光線により国は大打撃を受けた。
放たれた光線は核を造る工場基地に直撃。
周辺は瞬く間に炎の海と化す。
少年は復讐から何も生まれない事は分かっている。しかしここまでしないと彼等がいつまでも変わらない事を分かっていた。
少年にとってこれは最初で最後の復讐だったのだ。
その後、核工場基地を突如として破壊された事はニュースとして国中に報道され大騒ぎとなった。
連日の報道の中、その国の大統領が、生中継で急遽会見を開き、核工場の破壊について語り出した。
この国の大統領こそが、この世界各国での核実験を決行した元凶ともいえよう。
「わが国軍保有軍基地が、一瞬にして失われたことに対し、私は悲しみと怒りを抑えることが出来ず、甚だ遺憾である。
世界では常にやテロ行為などが頻発する。隣り合った国からいつその火花がこちらに飛んでくるか分からない。はたまた全く別の遠く離れた国から突然火花が飛んで来る可能性もある。誰もがその恐怖に怯えているのだ。
しかし我々はその恐怖に立ち向かう集団なのだ。テロによる恐怖に対抗する為にも強力な核を生み出さなければならないのだ!
そう。わが国の核投下は正義と平和のために必要不可欠な行為なのだ!
その中で今回、我々を妨害する存在が現れた!
この非道極まりない存在はいかなる手段を用いてでも見つけ出し我々が排除しなければならない!
大型核工場基地が破壊されたのは我々にとって痛手ではあるがまだまだ何百ヵ所と点在する基地を用いて核実験は大いに可能。
大きな行動を起こす時に犠牲は常に存在する。こんな事の為だけに思念を折り曲げる必要などないのだ。
今回の犠牲を無駄にしない為にも
正義と平和のため、我々は必ず勝利する!!」
この言葉を最後に会見は終了し
数多の民衆から拍手が贈られた。
そう。この大統領は今までの核投下実験とその結果である核工場爆破の出来事に対して何も反省していなかったのである。
ただ自分の理想を民衆に押し付けそれに反する者はいかなる物でも排除する。それが彼のやり方だった。民衆はその独裁の言いなりにならざる負えなかった。何故なら反発すれば投獄され処刑される運命だからだ。
この民衆の中に一体何人大統領を本当に支持する者がいるだろう…。いや、仮にいたとしてもそれは洗脳された者であろう。
他国からの核攻撃を恐れ抵抗するためにあちこちに核投下する「やられる前にやる」というやり方が裏目となりこの国が色んな国から怒りを買うようになった。しかしこの国と言い争えば戦争は免れない為に他国は何も出来ないと言うのが現状である。
この中継は国内だけの報道だったが秘かにとある国の諜報機関によって報道された。
そしてその中継をテレビで見ていた遠く離れたその国に住む少年はこう言った。
「核兵器を造る事は正義?何故だ?そんな物を作りつづけて平和が訪れるのか?」
彼は以前核工場基地を破壊した少年と同じく半年前、核により故郷を失った少年である。
投下されたその時、たまたま故郷である爆心地から遠く離れていた為に生き延びた存在。それでも爆風により深い火傷を負っている。
生き延びたのは不幸中の幸いではあるがそれでも家族、友人、思い出全てを失ってしまった現実はあまりにも惨すぎる。
現在患部を包帯で巻き非難民としてこの施設にいる。
そして背中には生まれつき不思議なシンメトリー状の紋章のような痣を持っていた。
日は暮れ
その日の夜。施設内の避難民達は眠りの態勢に入った。
その中で少年もボロボロの布団にくるまり眠りの態勢に入ったのだが
布団の中でずっとテレビ中継の事を考えていた。
核兵器を造る事は正義の為平和の為?
核で人を殺すのは正義の行為なのか?
これで本当に平和が訪れるのか?
少年はどうしても寝ることが出来ず火傷で痛む身体を起こし立ち上がり外の空気を吸いに施設を出た。
雲一つない綺麗な夜空を見上げながらまた考えはじめる。
核投下の瞬間そこにいた人は何を思う?
何も知らされず一瞬にして命を奪われ未来を奪われる。それはどれほど悲しくどれほど悔しいのだろうか。
少年のように生き残った人も一瞬にして沢山のものを失う。家族友達思い出。何もかも失う。いくら泣こうと嘆こうと失ったものはもう戻ってこない。そんな中でも彼らは生きなければならないのである。
そして核投下する人間は完成品の実験と称して至るところに投下する。
その実験の為だけに爆心地に住む沢山の人達は瞬く間に命を奪われ
逆に投下した人間はのうのうと毎日を生きる。
これが正義なのか?正義であって良いのか!?
違う…。違う!これはただの殺戮だ!
「何が正義だ…。お前のその正義で一体何人の人が死んだと思ってるんだよ!何大量殺戮を正当化してんだ!お前のせいで何人の人が苦しんだと思ってんだ!!」
少年は故郷や大切な人達を失った事を思い出し、怒りながらも悲しみ涙を流し出す。
「…だったら俺が教えてやるよ…。お前が考えてる正義ってヤツを!」
その瞬間、少年の背中の痣が急激に焼けるように熱くなり突然巨大な翼が現れたではないか!
それは天使の翼と言わんばかりに純白で神々しさを放っていた。
そう。彼は古代に起こった神々の戦争で敗れた神が姿を人間に変えさせられ地上に放たれたのだが、その神は彼はその神の子孫だったのだ。
両親も少年自身もその事を知らなかったのだが怒りで感情が極限にまで高まった為、遂に隠されていた神の力が呼び醒まされたのである。
その力によって少年の体中の火傷はみるみるうちに回復しはじめ瞬く間に傷一つない姿を取り戻した。
そのまま少年は翼を羽ばたかせ空を飛びはじめる。
目指すは勿論あの幾度となく核投下を繰り返した殺戮の国だった。
そして朝。太陽が昇りはじめたその時。
少年は核を投下してきた国付近までたどり着き、そのまま領空へ突入する。
少年はレーダーに反応した。
敵軍はすぐさま敵と見なし少年にミサイルやバルカンを放ち空は瞬く間に弾幕の嵐となる。
流石の少年もこれには手こずったようだった。
銃弾が体に当たろうとも神の血を持つ者に人間の作った武器に痛みを感じる事はまず無い。
しかし翼に当たれば機動性が損なわれ上手く飛べなくなるからだ。
翼がボロボロになりながらも少年は飛び続けた。
防衛ラインを突破し大統領のいる要塞へ向かった。
もの凄いスピードで要塞に突撃した。甲板を突き破り少年は中へ侵入。
壁という壁を壊しまわり少年は暴君を探し続けた。
「どこだ!?どこにいる!!」
しかしいくら探してもあの暴君は見当たらない。
それどころかこの要塞は誰も居らず裳抜けの殻だったのだ。
そう。これは罠。少年がレーダーに反応した時から既に実行されていた。
防衛ラインでの攻防で時間を稼ぎその間に大統領は既にヘリに乗ってこの要塞を脱出していたのだ。
兵達も脱出させたあと少年が侵入した時を狙って要塞内に仕込まれた核を爆破させる企てであった。
そして今、絶好のチャンスと言えるこの時、要塞は大爆発を起こした…。
その爆音を遠く離れた地で聞いていた大統領は少年の愚かさを嘲笑う。
Bloken wing閲覧ありがとうございます。
そして書かせて頂いてありがとうございます。こちらを更新するのは久しぶりですね。
音源やイメージが悲哀と復讐の裁き(以下、悲哀)とそっくりな感じだったので
お伺いしたところやはり悲哀を意識した所があったとか。それから大まかな世界観を教えて頂き 急遽悲哀の続編として書くことにしました。(この話の為に悲哀の方を若干変更させて頂きました。)
MGR-T様の世界観と自分の曲に対するイメージを合わせようやく今の形となり完成。
後味が悪い話になりましたがこれはMGR-T様からの要望。
作曲され次第この話はまだまだ続きますね(笑)
このままでは少年が報われないので次の曲に期待しましょう。