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選ばれた勇者らしい。  作者: Cookie
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発見

 周三は敵の別動隊が接近しているとの情報を

魔法学園都市国家の大魔導師リリアンから得る。

周三はリリアンからの情報通りに

フェンティーア都市国家の北部沿岸に沿って北東の海域を目指した。



 周三はグリフォンで飛行しながら悩む。

「俺って弱い。エービンスにマナにより霊体の体を与えて

俺の代わりに戦ってもらうことでなんとか戦闘力を保てている。

敵の艦隊を発見したらどう対処したらいい。

イメージの力を具現化する能力を使うか。

想像力が乏しい俺には向かない力なんだよなぁ。

俺は、このイメージ具現化能力をクリエイターと名付けた。

しかし、俺の頭のイメージを維持する事も不安定。

こんな能力を使ったら雑念で何が起こるかわからん。」

考え事にエービンスが割り込んできた。

「では、わたくしめにイメージを投影して

魔眼に記憶させれば良いのではないでしょうか。」

「え?エービンスに記憶してもらって引き出すなんてできるわけ?」

「わたくしの意識領域はシュウ様の意識領域をお借りして依存しております。

記憶を共有することは理屈の上では可能ではないでしょうか。」

「ふむ。ふむ。では、必殺技『誕生バース』を

今からイメージするからエービンスは記憶して。」

「はい。。。。。。。なんとも。非人道的な技ですね。」

「感想はいいから。できれば使いたくないんやから。」

「じゃ、次は移動スキル『神速スピードスター』を記憶して。」

「ん。この技はわたくしにもお与えくださったスキルですね。

生身の肉体のあるシュウ様が使うにはややこしい縛りが多いですから。

それを全部すっ飛ばすというのはクリエイター能力の良い活用法ですね。」

「だから感想はいらんって。

あと一つ、『第三魔法ニューマジック』ね。」

「。。。。。。。記憶完了でございます。

これで技名を念じれば左目が反応してスキルが発動するはずです。」

「すげぇ。これでどんな敵にも対応できると思うわ。

ただ、強い力というのは悲しみを生み出す。」

「バースのスキルですね。あれは悲しみしか生まないでしょうね。」

「だから感想はええって!でも、エービンスサンキュな。

俺の事はシュウって呼び捨てでええからな。」

「それはわたしが許せません。主従の間のけじめでございます。」

「俺は友達だと思ってんだけどなぁ。」

「シュウ様。うううう。エービンスは感動しております。」

周三の左目からだけ涙がこぼれた。

「おい。左目に涙があふれてる。わかったって。俺が泣いてるみたいやん。」

「はい。わたくし涙は本物とわかって頂けましたか。」

「いや。最初から疑ってないからね。」

グリフォンはフェンティーア都市国家上空に到達した。

「フェンティーアに帰ってきた!

このまま下宿先に帰りたい!」と周三は叫んだ。

グリフォンは北東の沿岸に出ると沿岸に沿って東に飛行する。

「そろそろ軍港やな。あ。あの丘に天使軍が配置されてる。

あんなに大軍なのになんで戦ってくれないんだよ。

でも、天使が戦わないから平和って事もあるかもなぁ。」

「我も天使は人間と戦わないから人間と共存できておるのだと存じまする。」と

グリフォンが意見を述べた。

「アルフレッドもそう思うんだねぇ。

人間の敵である悪魔とだけ戦うから人間に恐れられず尊敬される。

俺もそういう生き方ができたらええんやろけれど無理っぽいな。」


 周三はフェンティーア都市国家の北東の海域をさらに北東に抜けた。

魔法学園都市国家の国境はまだまだ先だが

フェンティーア領内の陸地を見ると緑と田園風景が広がるばかりだ。

「夕食までに帰りたいのになぁ。」と周三は愚痴った。

周囲をキョロキョロと見渡すが左目の魔眼には何も探知できなかった。

さらに北東に進路を取ると

数隻の艦艇が水しぶきを上げて東に向かって航行している。

「ん?あれか?でも、6隻くらいしかおらん。

海賊船って感じでもない。立派な軍艦や。

帝国の軍艦かもしれんなぁ。一応、挨拶してみるか。

敵の情報を知ってるかもしれんからな。

アルフレッド。あの艦隊の一番後ろの大き目の艦に着陸してみようか。

攻撃してきたらすぐ上空に逃げてね。」

「あいわかった。」

目の前に見える艦隊は鋒矢ほうしの陣形だった。

まるで矢印のような形の配置を取って航行している。

艦艇は飛行するグリフォンに気付いているのかいないのかわからない。

グリフォンはかなり近づいて艦隊の周囲のすぐ上空を飛んで様子を見た。

旗艦らしき艦には艦尾にヘリポートみたいな広いエリアがあった。

「何もリアクションが無いね。

ん。あの旗!艦橋のてっぺんの旗。白い旗だね。

白旗って降伏って意味だった気がするよね。

敵意は無いって伝えたいのかな。とりあえず艦尾に着地しようか。」

周三はグリフォンを艦尾の甲板に着地させた。

「誰もいないのかな。」と周囲をキョロキョロした。

艦橋の階段から黒いスーツの男性が近づいてくる。

周囲に4名の軍服の部下を連れている。

「あ。詰襟の軍服着てる人がいるって事はやっぱり帝国軍の人かな。」

黒いスーツの黒髪碧眼の白人男性が周三を見上げて笑顔を向けた。

周三も笑顔を返した。

「あ。どうも。勇者です。あなたたちはどちらのお国の軍隊ですか?」

「これは勇者様にお会いできるとはなんたる僥倖。

神の御導きとはこのような出会いを言うのでございましょう。

わたくしどもはユンディー教団の使節艦隊でございます。

わたくしは使節団の責任者でブラッドフォード・ランドルフと申します。

以後、お見知りおきくだされたら光栄でございます。」

「はぁ。宗教団体の船なんですね。

フェンティーア都市国家に向かっておられるんですか?」

「はい。ユンディー教団の教会はフェンティーアにもございます。

使節団として議員への接見や教会へ立ち寄る用がございまして。」

「そうですか。海賊とか出て物騒だから軍艦に乗って移動するんですね。」

「はい。カノレル海洋貿易会社も軍艦で交易されておるでしょう。」

「ですね。なるほど。

ここに来るまでに海賊の艦隊とか見かけなかったですか?」

「だいぶ遠くの東の海域で多くの海賊船が群れをなしておるのを

見かけましたが反転して東に向かって航行していきました。

わたくしどもの艦隊に恐れをなしたのかもしれませんね。」

「ああ。軍艦だから強そうですもんねぇ。納得です。

では、俺たちは軽くこの辺を偵察して誰もいなかったら帰ります。

一応、何か航行許可証みたいなものがあれば見せてほしいです。

武装した軍艦ですから自衛とはいえ無許可で国内に入れないはずでしょ。」

「おっしゃる通りです。許可証は艦内にございますので

どうぞ艦内で休憩しながらお待ち頂きますよう。」

「いえ、ここで待ちます。

ゴーグルとかヘルメット外すのが邪魔臭いので。」

「いえいえ。そうおっしゃらず、お菓子や美味しい飲み物もございます。

休憩も必要ではありませんか。

勇者様にお会いしてお茶も出さないとなればわたしどもの恥。

どうかわたくしどもを助けると思って一杯だけでも。」

「。。。。チョコレートとかケーキとかあったりします?」

「もちろんございますとも。

フェンティーアの要人への贈答用の高級なものがございます。

勇者様は要人中の要人。ぜひお召し上がりください。」

「そうですか。見渡す限り、敵の姿も目視できませんし。

少しだけ休憩させてもらってからまた偵察に出ます。」

「任務ご苦労様です。では、装備を外されたら艦をご案内いたします。」

「ちょっと待ってくださいね。

命綱がキツいんですよねぇ。。。うんしょっと。外れた。

じゃ、アルフレッドはここで待っていて。

もしも、遅くなったら風の妖精さんにでも聞いてみてよ。なんてね。」

「わかりもうした。風に聞いてみまする。」とアルフレッドは頷いた。

「では、参りましょう。」と周三はブラッドフォードに言った。

「では、こちらでございます。」とブラッドフォードが手招きして

周三はブラッドフォードに伴われて艦橋の階段を上がっていった。

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