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選ばれた勇者らしい。  作者: Cookie
83/118

可能性

 周三はギヨクと第二艦橋で昼食を取った。

ギヨクは影の国の王が「真祖」という悪魔と手を組んだと話す。


 周三はギヨクと第二艦橋で昼食を取っていると

第二艦橋のエレベーターの扉が開いて

甘根と中村とシエルが入ってきた。

「お。シュウはここで食事してたんか。」と元気よく甘根が

手を挙げて周三に言ってきた。

「おお!みんなは食堂に行ってきたんか?」と

周三は甘根ら3人に向かって言った。

「おい。そちらの悪魔はどちらさんや?」と中村が周三に訊ねた。

「こちらはギヨク将軍。」と周三は答えた。

「おいおい。敵将と食事とは剛毅なやっちゃな。」と中村は驚いた。

「もう戦争が終ったんやから敵でも無いやろ。」と周三は応えた。

「そうか。でも別働軍がおるかもしれんのやろ?」と中村が言うと

「いや。なんか軍船が足りなかったみたいで来ないんやて。

ギヨク将軍が教えてくれた。」と周三が応えた。

「そうなんか。まぁそれやったらええけど。」と中村は言った。

「コウジ。あの話をギヨク将軍は受けてくれたで。」と周三が言うと

「そうか。そりゃよかったな。」と甘根が応えた。

「ん?何の話や?」と中村が周三に訊くと

「なんかシュウがな、ネヴェシス姫に国を持たせてやってくれって

頼んできたんや。ええよ。って言ってんけど

国っていうてもわしの国からネアシス姫に家臣を与えるわけにも

いかんやろって話になって

ギヨク将軍がええんちゃうかって話になってん。」と

甘根が中村に説明すると

「そんな話になってたんか。知らんかった。

なるほどな。ギヨク将軍を捕虜にするのは

最初から田中の計画としてあったわけか。

ネヴェシス姫に国を持たせるとはまた大胆な発想やな。」と中村が言った。

「俺らは異界の人間や。

異界の事は異界の人に任せた方が上手くいくとおもってな。

ギヨク将軍なら情報通やと思うしええとおもってん。

まぁ、とりあえずみんなソファーに座ってや。」と周三が促すと

ギヨクの横にシエルが座った。周三の横に甘根と中村が座った。

「お初にお目にかかる影の国の将軍ギヨクにございます。」と

ギヨクは中村と甘根とシエルに自己紹介した。

「どうも。大天使の中村太郎です。」

「どもども、わしは炎の国の王子の甘根興次や。」

「はじめまして。わたしは炎の将シエル。」

と各自、順番にギヨクに自己紹介した。

「これは!お歴々じゃな!大天使に炎の王子か!

あのイフラートの息子とはのう。それに滅殺の拳剛シエル殿か。

わしの軍は2度、シエル殿の軍の突撃に軍を崩された事がある。

そうか。勇者様の軍はやはり強かったのですな。ははは。」と

「ギハク将軍ギヨク将軍の兄弟が指揮する軍は

守りが固くなかなか崩せない。」シエルは言った。

「おお。シエル殿が憶えてくださっておったとは

兄は闇魔術の達人ですからな。我が陣に食い込めば

闇の毒に苦しむ事になる。陣に入って押し切るのは難しいはず。

名のある敵将に褒めてもらえるとは嬉しいですな。」と

ギヨクがシエルに笑顔を返した。

シエルが立ち上がりバーカウンターから

グラスとフルーツジュースを取ってきて

グラスにジュースを注ぐと各自の前にグラスを置いた。

シエルは全員にグラスを置き終えるとソファーに座った。

各自がそれぞれシエルに礼の言葉をかけた。

「いま、ギヨク将軍と話をしててんけど

影の国のルシカル王は真祖という悪魔と手を組んだらしい。

おそらく今回のギヨク将軍の派兵は

真祖が関わってるかもしれんねんて。

あと真祖って第三大陸にいてるらしいで。」と周三が説明すると

「真祖って何の先祖や?」と中村が言った。

「真祖ってどんな悪魔なんや?」と甘根は首をかしげた。

「真祖は誰も知らない。知ったら死ぬから。」とシエルが言った。

「おい!物騒やな!」と中村がシエルに言った。

「シエル殿の言うとおり真祖はそういうものです。

ルシカル王でさえ会った事は無いでしょう。」とギヨクが言った。

「強いんけ?」と甘根が言うとシエルは首を振った。

「そういうものではない。死神と言われています。

ただ死を振りまくだけ。姿は無く。関わったら命が無くなる。

真祖は戦わない。ただの死の化身。ゆえに王ではなく

目的もなく、突然現れ突然姿を消す。後には大量の死体だけが残る。

真祖には敵も無く味方も無い。

第二大陸最凶の悪魔であり始まりの悪魔の一柱。

真祖と手を組むのは悪魔界の禁忌。

ルシカルは滅びの死を選んだようなもの。影の国は必ず滅ぶ。」と

シエルは悲しそうな顔で言った。

その場に沈黙が走った。

「シエルはよく知ってるな。」と周三が言うと

「常識。」とシエルが応えた。

「そうなん?」と周三がギヨクを見て言うとギヨクは頷いた。

「真祖と手を組んだ時点で我らの死は確定しておるのやもしれぬ。

だから死ぬのは遅いか早いかというだけの話だと

我が国の賢老院の連中は思ってなげやりな態度を取っておる。

影の国が真祖の駒になる事でルシカル様は何か取引きをしたのか。

それはわしにはわからぬことです。

しかし、真祖と手を組まなくともジリ貧で我が国は滅んでおるも同然。

滅ぶなら世界もろとも滅ぼそうとルシカル王はお考えになられたか。

それはわしにはわからぬ。」と苦しそうな表情を浮かべた。

「ほんなら軍船を帰らせたのはまずかったんちゃうか。

また大魔法を積んでくるかもしれんぞ。」と中村が言うと

「確かにその可能性は無くはありませんが

あの魔法はそう簡単なものではありません。

ミスすれば国内で発動するかもしれない諸刃の剣。

今回もかなり慎重に時間をかけて事を進めておりました。

それが失敗した。

勇者様が1人で大魔法を解除した情報も伝わるでしょう。

ルシカル王に真祖からの依頼があれば別かもしれぬが

影の国が単独で大魔法をしかけてくる事は無いでしょう。

大魔法は真祖は重要視しておらぬ気がする。

今回も大魔法は任務の上での重要性は

ついでのような扱いでありました。」とギヨクは応えた。

「大魔法がついでて。じゃ今回の目的ってなんなん?」と甘根が言うと

「わしらの軍が人間か天使に殺される事でありました。」と

甘根にギヨクは応えた。

「おっちゃん死にに来たんかいな!」と甘根は驚いた。

「なるほど。ギヨク将軍の軍の死が目的というのは

なんとも捨て身な戦法やなぁ。

でも、第三大陸と影の国が敵対しても

第二大陸は第三大陸に隣接している土地は全てが炎の国の領土や。

炎の国の悪魔は人間に敵意は無い。

第三大陸の上空に第一大陸があるから影の国からは遠すぎる。

人間や天使と敵対関係にある悪魔勢力『影の国』は

第三大陸から遥か遠い第二大陸の北端の影の国。

影の国の悪魔たちは人間や天使に接触する機会なんてもう無いやろ。

だから影の国の悪魔の天使や人間への敵対心は薄れていく一方やな。

そこに一石を投じる意味があったんかな。」と中村は分析した。

「そうかもな。もし、また軍船に大魔法を積んできたら

また俺が解除するしかない。

今回の事で第五大陸と第二大陸は西側海域を

強く警戒するようになるやろから今回よりも

もっと早い対応が出来るはずや。

各大陸の情報を集める機関も作る予定やから

みんなでチカラをあわせて対処するしかないな。」と周三が言った。

「受身っちゅうのは辛いなぁ。」と甘根がぼやいた。

「まったくや。」と中村が甘根に同意して苦笑した。

「真祖の行動もなんだか複雑な気がするな。

影の国の人間や天使への敵意を増長しても

軍を第三大陸に移動させる手段が無い。

陸路は炎の国が塞ぎ、海路は軍船不足。

真祖と手を組んでるのは

影の国だけとは考えにくくなってくるな。

今回、大魔法が発動して連合軍が全滅していたら

フェンティーア周辺海域は空白地のようになっていた。

第三大陸海上防衛軍が周辺海域にまったくいなくなるわけやからな。

大魔法を恐れて天使軍は10万の兵しかフェンティーアを守ってない。

別勢力がフェンティーアを襲えばどうなる?

例えば人間の大軍がフェンティーアを襲えば

天使軍は人間同士の揉め事に介入しない。

警察官しかフェンティーアを守る組織が無くなるわけやで。

真祖は戦わないってそういう意味とちゃうか。」と中村は言った。

「ちょっとヤバいな。

悪魔と手を組むのが悪魔だけとは限らん。

その発想は浮かんでても確信が持てなかったけれど

中村の解説を聞くとマジでヤバいなぁって気がしてきた。

勇者が人間と戦争するなんて事になったら最悪やで。

とりあえず早く帰国する事を考えた方が良さそうやな。

凱旋が早まれば敵の牽制になるかもしれんし。

この軍艦は本気出したらすごく速いらしい。

ある程度のメンバーを乗せてこの艦単独で帰国するか。」と周三が言った。

「それは賛成や。西からの敵への警戒は解けたわけやから

隊列を組んで軍船団を運用する必要はないわな。」と中村が応えた。

「早く帰れるんやったらそれでええで。

ギヨクのおっちゃんも早く姫さんと会いたいやろ。

おっちゃんの面倒はわしが見るわ。

嫌かもしれんけど周囲から見ても目立たんように

炎の鎧を用意するからそれ着てくれるけ。」と甘根は言った。

「嫌などととんでもない。ネヴェシス姫に会えるのならば

どのような事でも耐えましょう。」とギヨクが甘根に応えた。

「わたしは軍船に残って王子の隊を指揮します。」とシエルが言った。

「それはええけど今夜はこの艦で祝勝会らしいで。

乗組員のみんなが楽しそうに準備しとったわ。

祝勝会くらいはさせたろうや。」と中村が言うと

「そやな。」と周三が言い、その場の一同が同意した。

「じゃ、わしの要人室に

ギヨクのおっちゃん連れていくわ。」と甘根が言った。

「ヴァルキリー隊がもうすぐ第五大陸に帰るらしい。

そのあとに僕の天使隊が補給搬入スペースに入る予定やねんけど

その前にヴァルキリー隊に挨拶に行こうか。」と中村が提案した。

「そうか。確かにヴァルキリーは第五大陸の防衛軍やもんな。

いつまでも第五大陸を留守にしてはおけんわな。」と周三が言った。

「そうか。姉ちゃんらに挨拶に行こうけ。」と甘根も同意した。

「では、わたしがギヨク将軍を

連れて要人室に向かいます。」とシエルが言った。

「おお。すまんの。サンキュ。」と甘根はシエルに礼を言う。

シエルは立ち上がるとギヨクに一緒に来るようにと促した。

ギヨクは頷くと立ち上がり

シエルとギヨクはエレベーターに向かった。

シエルがエレベーターのボタンを押すと

しばらくしてエレベーターが到着して扉が開いた。

周三と甘根と中村はソファーに座ったままで

シエルとギヨクの2人に手を振った。

シエルとギヨクも周三らに手を振るとエレベーターに乗り込んだ。

エレベーターの扉が閉まりエレベーターが起動して下降していった。

おはようございます。

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