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選ばれた勇者らしい。  作者: Cookie
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一騎打ち前

 周三は艦尾物資搬入用倉庫のフロアに

待機しているヴァルキリーの少女2000人を

目撃するために中村と甘根とシエルを伴い向かう。

フロアに到着すると周三と中村とシエルは

ミストというヴァルキリーに頼んで

ブリュンヒルデとスクルドを呼んでもらう。

甘根は単独で見知らぬヴァルキリーたちの輪に入り談笑していた。

ブリュンヒルデとスクルドと周三と中村とシエルの

5人はお喋りして過ごしブリュンヒルデから

第五大陸の新たな王は浅野五月という少女だと聞く。

浅野五月。

それはおそらく周三と中村と甘根の同級生と思われる人物の名だった。

そんな時、乗組員から敵の水軍を目視で発見してとの報告と

艦長からの召集があり周三は単独で第一艦橋に向かうのだった。


 周三は食堂からエレベーターに向かい

エレベーターに乗り込む。

4つ上のボタンを押すとエレベーターの扉を閉じた。

エレベーターが起動する上昇ししばらくして停止した。

エレベーターの扉が開き、周三は第一艦橋のフロアに出る。

乗組員たちが窓の外を見ながら緊張感の走っていた。

周三は左の階段を上って艦長のいるフロアに足を踏む。

そこには艦長ヴォルグとロアンの2人が

真剣な面持ちで席に座っていた。

周三に気付いたヴォルグは周三に笑顔を向けた。

「これはシュウ殿、いよいよ敵と正面対決ですな。」と

嬉しそうに言いながら立ち上がると周三の側に来た。

周三はヴォルグに余裕の笑顔を向けた。

「さっさと終らせますよ。あと艦長。武術の特訓で艦首の

仕切りの金属の壁に拳型のへこみを作ってしまいました。

ごめんなさい。」と周三が笑顔を一変させて

シュンと落ち込んだ様子で謝るとヴォルグの顔が

驚きの表情で硬直した。

すぐにヴォルグは大きな口を開けて大笑いすると

「ははははははははは!!!

第五大陸の硬質合金を天使の法術で強化した外装に

生身の拳でへこみをつけたって!勇者殿は本物ですな。

この戦いに勝利すれば、そのへこみは歴史遺産ですよ。

いずれはフェンティーア都市国家の国宝となりましょう。

謝って頂かなくて結構!

逆にこの艦の価値を上げて頂いてありがとうと

こちらはお礼を言いたいくらいです。」と言った。

「はぁ。そうですか。」と周三はヴォルグに返事すると

怒られなくて良かったとホッと胸をなでおろした。

ヴォルグは真剣な表情になると

「シュウ殿。

勝利の美酒を用意してここでお待ちしてます。

いっちょやっつけてきてください。」と

拳を突き出し親指を立てて励ました。

周三は爽やかな笑顔でヴォルグに

「俺はまだ未成年でお酒は飲めませんので

乾杯だけお付き合いしますよ。」と親指を立てた。

ロアンは立ち上がると

「これは心強い。さて、では、

シュウはもう戦場に向かわれますか?

外の甲板にグリフォンは召還済みですので

いつでも騎乗できます。」と優しい微笑みで周三に問いかけた。

「はい。ロアンさん。

グリフォンから落っこちたら大変ですからね。

少し練習したいし早速、参りましょう。」と

周三は吹っ切れたように迷いが無い眼差しで返事した。

ロアンは周三の命をかけた戦いの前の表情とは

思えない澄んだ表情に内心驚きながらも歩き出すと

「では。いきましょう。」と周三の横を通り階段を下りる。

周三はヴォルグに軽く手を振るとロアンの後ろについていく。

第一艦橋に後部に設置されている非常口扉を乗組員が開ける。

ビュっと外からの強い風がフロア内部に吹き付ける。

周三とロアンは2人は外に設置されている非常用階段をおりていく。

ロアンが周三に顔を向ける。

「シュウ。

戦闘中は軍艦の外側の扉は全てオートロックがかかります。

戦闘中にシュウが軍艦に戻る事は無いとは思いますが

一応言っておきます。」

「はい。わかりました。あ。ロアンさんに頼みたい事があります。

戦闘中に艦尾の搬入用クレーンって使えますか?」

「ええ。可能だと思いますが何に使うのですか。」と

ロアンが不思議そうに言うと周三は笑顔を返した。

「ちょっとした荷物を搬入したいので。」

ロアンは首をかしげて疑問を表しながら

「荷物?ですか。詳しくお聞かせください。」と言った。

周三は、昨日に甘根に語った今後の戦略と策略と

今回の一騎打ちでの方針をロアンに詳しく語った。

ロアンは感心した顔を周三に向ける。

「シュウは勇者であり戦略家であり策略家なのですね。

わかりました。これはわたしにも

やりがいがある仕事をくださってありがとうございます。

すぐに根回ししておきます。

では準備は早い方がいい。

わたしはこの後、クレーンを操作する乗組員と

打ち合わせと準備をして外でずっと待機しています。」

「ありがとうございます。この戦いで敵に勇者を敵にまわすと

邪魔臭いことになると思い知らさないとまた攻めてくる恐れが

ありますからね。」と周三は爽やかな顔で言った。

「周三が提案する国を挙げての大掛かりな策略を

コウジ殿下も了承されたのですね。

その策略が成功すれば

戦後の敵国にかなりの圧力をかけることができると思います。

シュウは戦後まで見越した一手を

ご用意されてるとは感心しました。」

「ええ。この戦争が終ってもしも俺が魔法学園を入学したら

この策でなんとか卒業するまでの

時間くらいは稼げたらいいなと期待しています。」

「魔法の修行をする期間は

シュウが勇者としてステップアップするために

とても大事な時間だと思います。

ぜひ策が成立することをわたしも祈っています。」

2人は階段を下り甲板に足をつけると艦首に向かった。

艦首にモニュメントのようにグリフォンが座っていた。

2人は艦首の広いスペースに到着した。

グリフォンは顔を2人に向ける。

周三はグリフォンに向かって手をあげて大きく振ると

「おはよう。アルフレッド。今日はよろしく。」と挨拶した。

グリフォンは周三の目を見つめて

「おはよう。シュウ。

空のことは我にお任せください。」と言った。

「ああ。空の事はお願いね。

今回の戦術は回避行動は全て左回りでお願い。

左だけの動きなら急な動きにも俺も体重移動に対応できると思うんだ。

それに左足に負荷をかけて右腕の攻撃の威力を上げたい。」と

周三が言うとグリフォンは「了解いたした。」と返事した。

ロアンは馬具にくくりつけてあるヘルメットを馬具から外すと

「では、ヘルメットとゴーグルとマフラーを装備しますか?」と

周三に訊ねると周三は首を横に振って

「いいえ。ヘルメットやゴーグルを使うくらいの

スピードで動かれたら俺は対応できないですよ。

騎乗スキルが無いので無理はしないでいきます。

今回は最低限の動きで回避して攻撃につなげます。」とロアンに応えた。

「わかりました。では命綱だけにしておきましょう。

では、シュウ。どうぞ乗ってください。」と言うと周三は

「はい。」と返事した。

するとグリフォンが地面に伏せる姿勢を取った。

周三はロアンの肩につかまりながら危なっかしい動きで

グリフォンの鞍に跨ると鐙に足をかけた。

周三は一騎打ちよりもグリフォンの騎乗に不安を覚えた。

昨日、邪魔臭がらずに練習しとけばよかったと少し後悔した。

手のひらが汗で湿りはじめているのは騎乗への不安だった。

周三は左側に待機しているロアンに向かって

「では、ロアンさん。勝利を持ち帰り

新たなフェンティーアの勇者伝説の序章にしてやります!

大事な戦いの前に俺の世界では

友人同士で拳を合わせるんですけど

ロアンさんお願いできますか?」と言うと

左手の拳を握り招き猫のようなポーズをとった。

ロアンは微笑むと

「そうですか。拳をあわせればいいのですね。」というと

右拳を前に突き出して

「シュウに神のご加護があらんことを。」と言った。

周三は満足げな表情で

「フェンティーアに勝利を!」と言って左拳をロアンの右拳に当てた。

「ギヨク将軍をぶっとばす!」と周三は天にその拳を振り上げた。

「では、行ってきます。」と周三は空軍の真似して敬礼のポーズを取る。

「ご武運を!」とロアンも敬礼姿勢をとった。

「では、アルフレッドよろしく。」と周三はグリフォンに声をかけた。

「かしこまりもうした。」とグリフォンは言うと大きく翼をはためかせた。

グリフォンの体が浮き上がった。

周三を乗せたグリフォンは翼をはためかせるたびに

ゆっくりゆっくり空へ上昇していく。

ロアンは下で大きく手を振っていた。

周三もロアンに向かって手を振った。

甲板や艦橋で作業してる乗組員たちも周三に手を振っていた。

周三はそちらにも大きく手を振る。

敵は目視で確認できるがまだまだ遠い。

周三は騎乗練習もしたいのですぐに敵とは接触する気は無い。

周三はグリフォンの首をさすりながら

「アルフレッド。俺が大きな声で叫んだら前方に軽くスピード出して。

ちょっとテンション上げたいねん。」とグリフォンに指示すると

「わかりました。」とグリフォンは返事した。

下の軍艦が遠くなり2cmくらいに見える位置まで上昇した時に

「じゃぁ。今から叫ぶよ。」とグリフォンに前ふりした。

周三は広がる大きな空に解放感を感じつつ大きく息を吸い込むと

「田中周三、アルフレッドで出ます!」と大きな声で叫んだ。

するとグリフォンが大きく羽ばたいて凄い加速で前進した。

「おお!きもちいい!うわ!でも目が渇く!」と言うと

周三はすぐ風圧に驚いて目を瞑った。

しかし周三は飛行に心地よさを感じていた。

周三は上機嫌になりこの戦いに

いいイメージで臨めそうな気がしたのだった。

こんばんは。

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