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選ばれた勇者らしい。  作者: Cookie
73/118

見習い海技士

 周三は炎の国の要人室で甘根に色々と相談する。

第三大陸が敵の思惑に巻き込まれない為に

汚れ仕事を甘根に頼んだのだ。

甘根は周三の申し出を快く了承した。

周三は炎の国の要人室を出て第二艦橋へ向かった。


 エレベーターが停止しエレベーターの扉が開いたら

艦橋内の照明がついていた。

あれ?消し忘れたかな。と周三は思った。

そのまま第二艦橋に入ると

つなぎの作業着を着た若い女性がテーブルの

周三が食べ終えたプレートをトレイに載せていた。

「ああ。どうもご苦労様です。」と周三が女性に声をかけると

「こんばんは。勇者様でいらっしゃいますね。

はじめまして。わたしはフェンティーア号で

見習い海技士をしています。ステラと申します。

勇者様の第二艦橋の清掃などもわたくしが担当していますので

何かありましたらわたくしに申し付けてください。」と

ステラは周三に丁寧に挨拶した。

「いつもありがとうございます。

俺は勇者させてもらってる田中周三です。

しがない公務員なので俺の事は呼び捨てでシュウと呼んでください。

タオルとかバスローブとかいつも補充して頂いて感謝しています。

食事をいつも運んでくれてるのはステラさんだったんですね。

お会いしたらお礼を言おうと思ってました。」

「お礼なんてとんでもありません。

仕事ですのでお気になさらないでください。」とステラは顔を赤らめた。

ステラは周三と同じくらいの身長でチョコレート色の髪の色をしている。

長い髪を後ろでリボンでくくっていて可愛らしい顔をしている。

年齢は周三とそんなには変わらない気がする。

サイズの大きめのつなぎを着ているが

それでもかなりステラがグラマラスなナイスボディーなのがわかった。

「あの。ステラさんはいつもどちらにいらっしゃいますか?」

「はい。いつもは第一艦橋と機関室を往復しています。

まだ見習いですので船内の雑用がわたくしの主な仕事です。

ですのでそのどちらかにわたくしはいます。」

「なるほど。用事がある時は艦長に伝えたら早そうだね。」

「はい。艦長ではなくても第一艦橋にいる乗組員なら

誰に言って頂いてもわたしに伝わります。」

「女性の民間人なのに戦場に来るなんて大変ですね。」

「いいえ。この船の通常航海も戦場みたいなものですから。」

「なるほど(笑)そうですね。そうかもしれませんね。

この船って女性が多い気がしますがどの国でも普通なのでしょうか?」

「どうなんでしょうか。この船は第五大陸と自国との往復なので

わたくしは外国についてはあまりよく知らないのですけれど

フェンティーア都市国家は男女の雇用格差がありませんから

どんな職業でも女性が就くことが出来ますね。

その代わり女性だからってチヤホヤもしてもらえませんけれど(笑)

カノレル海洋貿易会社はお給料がいいので女性にも人気の就職先ですよ。」

「フェンティーア都市国家って他国と比べると進んでそうですね。」

「はい。わたくしもそう思います。

フェンティーア都市国家はこの世界で唯一の民主国家です。

だから政治は国民の暮らしが優先されます。

他の国は国家のためとか皇帝のためとかが優先されるとたまに聞きます。

この国は国民のためにって政治家の人が演説するんです。

それはとてもすごい事なんだよ。って父が言ってました。

だからわたしはフェンティーア都市国家を作ったカンベイン様を

心から尊敬しています。」とステラは嬉しそうに語った。

「そうだね。カンベインは凄過ぎるね。

俺は勇者だけどカンベインとは比べないでね。」

「いいえ。シュウ様も凄いと思います。

敵の軍に乗り込んで大魔法を解除して戻られたと聞きました。

明日も敵の総大将と一騎打ちをなさるのですよね。

わたくしはシュウ様とこの船でご一緒できた事を

とても誇りに思っています。」とステラは微笑みながら言った。

「ステラが無事にフェンティーア都市国家に帰れるように

明日は精一杯頑張るよ。忙しいのに時間をとらせて悪かったね。」と

周三が応えるとステラは照れたように

「いいえ。シュウ様とお話できてすごく嬉しかったです。

家族に勇者様と知り合いになれたよって自慢します。

また何か用がございましたら気軽にお声をかけてください。」と言うと

ステラは会釈してトレイを持ってエレベーターへと向かった。

エレベーターの扉が開くとステラはエレベーターに乗り込んで

「では、失礼いたします。」と周三に笑顔で挨拶した。

周三はエレベーターの扉の前までついていくと

「ステラまたね。」と周三が返事した。

ステラは周三に微笑を返すとエレベーターの扉が閉まった。


 周三は私服を脱いでクローゼットにしまうと

艦橋内の照明を暗くしてベットにもぐりこんだ。

周三はベットの屋根から垂れ下がるカーテンを閉めて

ベットの上で体を横にすると

「ステラは大きい胸をしてたな。

俺には刺激的過ぎた。」と周三はつぶやいた。

そのあと周三は心の中で考えた。

「女性の胸に惹かれるのは男としては当然やろ。

以前、父さんが、お前が赤ちゃんの時に

お母さんの胸を独占してた時期があるのを憶えてるか?

他の男にお母さんの胸を奪われたと思うと父さんは

悔しくて悔しくて俺はもどかしい夜を何日も過ごしたんや。

お前にはいつかこれは言うとかなあかんと思っていた。と

真剣な顔で面と向かって正座で語られた事があった。

俺には乳児の時の記憶なんて無い。

このおっさんは何を言うとるんだ。とあの時は

父さんを軽蔑してしまったが

そんな男心がわかる時が俺にも来るのだろうか。

その前に俺はまず恋人を作らないとあかんな。

こっちで恋人が出来たら恋愛経験値がレベルアップするよな。

俺が元の世界に戻った時には恋愛マスターになってるかな。

いとこの社会人のお兄ちゃんとお正月に会った時にお兄ちゃんが、

俺は学生のシュウ坊がうらやましい。

俺はいまの恋愛テクニックのままで

高校生ぐらいの歳頃に戻りたい。と言っていた。

学生時代は女子学生も経験値が低いわけやからハードルが低い。

いとこの兄ちゃんは高レベルな状態で

ガールハントをしたいというとるわけや。

RPGのゲームで言えばレベル99でクリアしたあとに

レベル99のままゲームの2周目に入るのと同じ理屈かな。

恋愛で無双したいんやな。その気持ちは俺もわかる。

フラれて傷つきたくないもんな。

俺は別に好きでもない女の子と付き合いたいわけじゃないけど

好きな女の子と出会わないと好きな女の子ができないわけやん。

テレビ番組で、異性は星の数ほどいるけど

星の数ほどの出会いは無い。と

40代の独身の女優さんが熱く語ってた。

出会いって大切やな。俺もそろそろお年頃やしな。

いつかいつかって言うとったら

あっと言う間に30歳くらいになりそう。」


 周三は恋愛について思いを巡らすうちに

意識が遠のいて眠りについた。

周三は明日の将軍との一騎打ちに対して

興味が薄れていた。それほどに自信をつけていたのだった。

根拠の無い自信ではなく

他力本願なチカラを周三は手に入れたのかもしれない。

他人任せだと他人事に思えて気持ちが楽になることがあるからだ。

ギヨクとの一騎打ちはとうとう明日に控えていた。

こんばんは。

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