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選ばれた勇者らしい。  作者: Cookie
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司令官室

 周三の第二艦橋の部屋にディアナが訊ねてきた。

周三はディアナに周三が構想中の

勇者業務を代行する国家機関の設立の話をした。

周三はそのついでに

周三の魔法学園への入学する事についても話す。

ディアナは周三がフェンティーアを離れる事には

難色を示したが周三の説得で渋々納得するのだった。


 「ありがとう。」と周三はディアナが

周三の提案に納得してくれた事に礼を言った。

続けて「それで新しい国家機関の事なんだけど

仮に勇者庁としようか。勇者庁のメンバーは

第二大陸からコウジの部下のシエルが出向してくれる。

第五大陸からはヴァルキリー軍の中から1名選抜してくれる。

第一大陸の人選はタロウに相談しようと思ってる。

第四大陸については一度、俺が機会を作って

第四大陸に自分で出向いてみようと思ってる。

第三大陸からはミュアンさんが

適任やと思うんやけどどうかな?」とディアナに訊ねた。

ディアナは意外そうな顔をしてから

「その事をミュアン少佐本人は承知しているのですか?」と訊いてきた。

「うん。本人もかなり乗り気やねん。」

「それならばわたしは異存はありません。

ミュアン少佐はフェンティーア帝国監督府に所属していますので

人事についてはわたしの一任で動かす権限があります。

もし勇者庁が設立した暁には改めてわたしに相談してください。

しかし、なるべく早めに設立して頂かないと

ミュアン少佐が本国からの辞令で転属してしまう恐れがあります。

そうなるとわたしに多少は本国に対して影響力があっても

かなり手続きが複雑なものになってしまいます。

設立のめどが立てばミュアン少佐の転属を保留する事も出来ますので

シュウはフェンティーアに帰国したら

すぐに設立に動かれた方がよろしいでしょう。」

「わかった。帰国したらザレム議長に相談するわ。」

ディアナは心配そうな顔をして

「シュウ。明日は敵の総大将と一騎打ちをするそうですね。

勝算はおありですか?」と訊いてきた。

周三はディアナに笑顔を返すと

「まぁ、炎国の将軍のシエルに武術の指導を受けたから大丈夫やと思う。

勝つ確率は100%やと俺は思ってるで。」と応えた。

それを聞いてもディアナは少し不安な様子ではあったが

「そうですか。わたしがこの艦にいない間に

ずっと修行をなさっておられたのですね。」と言った。

周三は少し考える仕草を見せてから

「でも、一騎打ちに勝っても敵軍が攻撃してくる可能性もあるから

戦闘の準備はしっかりとしておいてね。」とディアナに言った。

「わかりました。もしもの備えはしておきます。」

周三は両腕を上げて背筋を伸ばしながら体をほぐすと

「それにしても、やっと明日で戦争の決着がつくと思うとうれしいわ。

早く下宿先に帰りたい。」と周三は笑顔で言った。

ディアナは微笑みを返して

「シュウ。帰っても剣の稽古には毎日通って頂きますから。」と応えた。

「おいおい!稽古よりディアナの宮殿でケーキでお茶会するのが先やろ。

俺は地味に楽しみにしてたのに戦争が起こって中止になったやん。

稽古は、まぁ、魔法学園に入学するまでは

用事が無い日は稽古場に通ってもええよ。」と周三は言った。

ディアナはなんだか嬉しそうに

「お茶会ですか。そうですね。

それは2人の約束です。

是非、帰国したらお茶会を開きましょう。」と応えた。

「しよしよ。ああ。俺は今からちょっとコウジの所に行くねんけど

ここにおる?すぐに帰ってくるとは思うけど。」と周三が言うと

ディアナは首を横に振った。

「明日はシュウは一騎打ちがあります。

今日はゆっくり休んで明日に備えてください。

わたしはこれから自分の船に戻ります。

わたしも今日はもう休んで明日は早朝から戦の準備を致します。」と応えた。

「そうか。それじゃ一緒にエレベーターを降りようか。」と周三が言うと

「はい。そうしましょう。」をディアナは応えソファーから立ち上がった。

周三も立ち上がり2人でエレベーターに向かった。



 周三とディアナの2人はエレベーターに乗ると

「わたしは司令官室でコーラント少将と話がありますので

1つ下の階で降ります。」とディアナは言った。

「コーラント少将もこちらに来られたんだね。

俺も挨拶しておこうかな。」と言うと

「そうですか。それでは一緒に参りましょう。」とディアナが応えた。

周三は1つ下の階のボタンを押した。

エレベーターが起動してすぐに停止すると扉が開いた。

中は大きなテーブルと椅子があり会議室のようになっている。

普通は入り口から遠い席が上座だが奥に座ってしまうと戦闘時に

正面に背を向ける形になってしまう。

それでは外の戦況がわからない。

だから入口から一番手前の席にコーラント少将が座っていた。

テーブルには大きな地図が広げられていて手のひらくらいの

大きさの凸の形をした模型が沢山テーブルの隅に置かれている。

左の壁にパイプが縦に6本並んでいる。第二艦橋にもあるのかもしれないが

伝声器という通信機器である。

各セクションへ人間がパイプに口を当てて声で通信する。

第二艦橋よりもフロアの面積は狭いが十分な広さがある。

コーラント少将はこちらに気付くと

席から立ち上がり振り返って体を周三とディアナの方に向けた。

「これは勇者殿に姫様よく参られた。」とコーラントは2人に声をかけた。

司令官室にはシュトム将軍と将校らしき悪魔が1名。

それに見慣れない帝国将校が3名と

ミュアン少佐がテーブルの椅子に座っていた。

左の壁際には帝国の見習い士官2名が直立して立っていた。

左側の席に手前からシュトムと炎国将校が座り

右側の席に手前からミュアンと帝国将校3名が座っていた。

見慣れない帝国将校はおそらく帝国の各隊の水軍将校であろう。

「お邪魔します。コーラント少将にご挨拶に来ました。

シュトム将軍もいらしておられたんですね。」と周三は言った。

シュトムは笑顔を周三に向けて

「はい。明日の準備の為にこちらで

最終的な打ち合わせをさせていただいています。

こっちにおるのはコウジ殿下の直属の将軍リクセンです。」と言うと

シュトムの隣の席に座っていた赤い鎧を着た長身の男性が立ち上がった。

肌は紫色ではあるがつやのある黒髪で顔立ちが爽やかな青年だった。

年齢は20歳前後に見えた。

「コウジ殿下から勇者様の御噂は聞いています。我が名はリクセンです。

お見知りおきください。最後方右翼の隊を指揮しております。」

「はじめまして。田中周三です。よろしくお願いします。」と

周三は挨拶を返した。

続けて「それでは皆さんのお邪魔をしてはいけませんので

これで失礼します。」と言うと帝国将校は

全員が椅子から立ち上がり周三に敬礼した。

ミュアンは立ち上がると周三に向かって右腕を大きく振っていた。

敬礼しながらコーラント少将が

「勇者様。明日のご武運を祈っております。」と周三に言った。

「ありがとうございます。」と周三はコーラントに応えると

自分の左隣にいるディアナに

「またな。」と言ってエレベーターに向かった。

「はい。ご武運を。」とディアナは返事すると周三を見送った。

こんばんは。

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