夕食前
周三はロアンと甘根とシエルとブリュンヒルデとスクルドに
周三が魔法学園に入学して学業に専念できるように
勇者の業務を処理する組織の設立についての構想を語る。
ブリュンヒルデはヴァルキリー軍からその組織に1名出すと約束した。
甘根は自分の直属の将軍であるシエルをその組織に出すと約束する。
第二艦橋で周三とロアンと甘根とシエルと
ブリュンヒルデとスクルドはソファーに座っている。
ロアンがソファーから立ち上がると
「では、わたしたちはこれにて失礼します。」と言った。
ブリュンヒルデもスクルドも立ち上がる。
「では、皆様ごきげんよう。」とブリュンヒルデは別れの挨拶した。
スクルドは皆に向かって「皆様これにて失礼します。
艦尾の搬入倉庫にわたしどもはおりますので御用の時は
そちらに足を運んで頂ければブリュンヒルデかわたしの
どちらかが必ずいるようにしておきますので。」と言った。
周三はソファーから立ち上がりロアンたちに向かい
「わざわざこちらまで
出向いて頂きありがとうございました。」と頭を下げた。
甘根はソファーに座ったままで
「ロアンさん、ヴァルキリーのお姉さんたちまたなぁ。」と
ロアンたちに手を振った。
シエルはソファーから立ち上がると
「皆さんまた会おう。」と
ロアンたちに向かって小さく手を振った。
ロアンは改まると
「わたしはこの2人を搬入エリアに送ったあとに
第一艦橋に戻りましたら
船団の陣形の先頭に軍艦を移動させる事になっております。
この軍艦は陣形の先頭に移動しますので
コウジ殿下やシエル将軍はご自分の軍船と遠くなります。
もしもご自身の軍船にご用があるのでしたら今のうちに
行っておいた方がよろしいかと思います。」と
甘根とシエルに向かって言った。
甘根は驚いたリアクションをしながら口を開く。
「え!?そうなんけ!
それじゃわしらは今から自分の軍船に顔を出してくるわ。
明日には敵とかち合うんやろ。
それやったらさすがに隊に顔を出さなまずいやろ。
シュウ、夕飯の時間には戻ってるから
食堂に行く時はわしの要人部屋を覗いてみてくれ。
ほな急がな。ほんじゃシエル行こけ。」
甘根はそう言って立ち上がると
シエルは甘根に向いて
「うん。」と頷いてソファーから立ち上がる。
ロアンとブリュンヒルデとスクルドはエレベーターに向かい
甘根とシエルは第二艦橋から外に出るための扉に向う。
甘根とシエルは階段の踊り場から翼で飛行をして自分の軍船に戻る。
周三はエレベーター近くで足を止めて
「じゃみんなまたね。」ロアンたちと甘根たちに交互に手を振った。
周三は第二艦橋に1人になった。
周三はテーブルの上のジュースやグラスを片付けたり
甘根のバスローブをバスルームの洗濯籠に入れたりした。
周三はバーカウンターに
よけておいた昼食のプレートをテーブルに置く。
周三は昼食は食堂で食事をしていた。
周三の部屋にはいつもキチンと乗組員が
料理が載ったプレートを運んでいる。
周三はその食事をもはやおやつと位置づけている。
周三は湯気が出ていないプレートを眺める。
「やっぱり冷めきってるな。」と周三はつぶやいた。
プレートにはピザを一切れと
ビーフシチューとトマトソースのかかった鶏肉のステーキと
厚切りのポテトフライとサラダとバナナ半分が載っている。
周三はプレートの料理に手をつけた。
周三はピザをまず食べながら色々と考える。
明日の一騎打ちはギヨク将軍に勝てるイメージはついたからもういい。
ギヨク将軍の事を考えると
ちょっと腹が立ってしまって俺のペースが乱される。
だからもうあの梟のおっさんの事は考えない。
ギヨク将軍のお兄さんがもしも別働軍を率いているなら
情報が入り次第、みんなと話し合って対応しよ。
別働隊なんてまだいるかいないかが
わからないんだからいま考えても仕方がないやん。
今の段階で情報が入ってないって事は
別働軍がいたとしてもかなり遠いんとちゃうかな。
影の国の王様のルシカルっていったい何がしたいんや?
本当に炎の国の人が言うように魔王の姫を取り戻すのが目的なんか?
そもそも敵がフェンティーアを狙ってるのかすら
あのギヨクのおっさんは、はぐらかしよった。
さすが軍人や。簡単には情報をもらさん。
よくよく考えたらあのおっさんは
俺に勝ったら連合軍の命は保障するとは言ったけど
すぐに連合軍を解放するなんて一言も言ってない。
なんていやらしい男なんや!ギヨクの野郎!!!
おっとっと。いかん。いかん。
ギヨク将軍の事を考えたら腹が立ってしまう。
あまりに俺の怒りがMAXだと、ギヨク将軍死ね!というイメージが
先行してしまって超能力が発動して呪い殺してしまいかねない。
あくまで俺はクールに問題を処理しないとな。
俺は強さに憧れはあるけど喧嘩に強くなりたいってのとは違うなぁ。
手から稲妻が出たりしたらかっこいいな。っていう憧れやねん。
魅せる強さが欲しいんや。
そやなぁ。女子と会話の話題になる程度の強さでええのに。
もしも、俺が魔法学園に入学して最初の休み時間に女子たちに
俺って1000万の敵を皆殺しにできるねんで。なんて自慢しても
完全にドン引きされてクラスで浮いた存在になるだけやろ。
甘根みたいに自分の強さを強敵にぶつけたいって単純な欲求が羨ましい。
男らしくてええやんか。敵を殲滅したら解決するなんて魅力的やわ。
たしかに勇者ってのはそれが正しい気がするよな。
敵のボスを倒したら世界に平和が来る。
でも現実はきっとそうはうまくはいかんと思うなぁ。
元の世界でも独裁者を倒して平和が来たか?
テロの首謀者を倒してテロが無くなったか?
どう考えても現実はボスキャラを倒した方が話がややこしくなるよな。
そう考えるとやっぱり影の国の軍に対しては
あくまで冷静に対処しないといけないな。
この戦争を穏便に解決して、また下宿先で食って寝ての生活に戻るのだ。
魔法学園に入ったら素敵なキャンパスライフもエンジョイしたい。
学園生活で、もしかしたら俺は恋人が出来てしまうかもしれない。
俺の幸せは武力の強さで得られるものではなく
ありきたりの日常から得るものなのだって気付いている。
そや。明日は朝にヴァルキリー隊を見に行こうかな。
昼からやと敵と接近してバタバタするやろから会話する暇が無いやろ。
かと言って戦争が終ってからじゃすぐにヴァルキリー隊は
第五大陸に帰ってしまうやろ。
その前に少女2000人を目撃せねばならん。
ムフフ。それにしても俺の勇者庁を作るって提案は
案外にうまくいきそうやな。
この世界って戦闘力が強い女子が多いから
勇者庁は女性だけの職場にしようかなぁ。
でもそんな事したら俺が公的資金でハーレムを作ろうとしていると
フェンティーア国民から批判を受けるかもしれない。
しかし俺は魔法学園におるんやから勇者庁にはおらんねんけどな。
俺が勇者庁におらんのにハーレムもへったくれも無いやろ。
単なる女性だけの素敵で華やかな職場にすぎない。
でも批判は怖いから責任者は政治家の男性にでもしておくか。
女性だけだと逆に職場がギスギスしてしまうケースもあるかもしれん。
議員を責任者にすれば議会に根回しできるから
予算を引っ張ってこれるやろう。
男性議員を組織のトップやったら
秘書や事務員が女性ばかりってのも、うん。とても自然やんか。
国民からの批判も俺ではなく政治家が受ける。
政治家というのは国民からの批判の矛先に立つのが当たり前や。
勇者がゴシップ記事に巻き込まれるなんておかしいもん。
第一大陸はタロウは忙しそうやから
第一大陸からも女性の天使を1名派遣してもらうか。
第四大陸は竜族の女性を一人派遣してもらいたいけど
俺が第四大陸までいかなあかんやろなぁ。
第四大陸は遠すぎるからやっぱり第四大陸は後回しやな。
それにしても今回の戦争は野戦じゃなくて良かったわ。
野戦やったら徒歩とかで移動やろから疲れる。
野戦やと土埃とかで体が汚れても風呂も無いやん。
その点で海戦は快適でええわ。
波も穏やかなせいか船酔いもない。
今回の戦争は例えるなら、快適な海の旅をしていたら
ちょっとしたトラブルに巻き込まれちゃいました。ってくらいの規模に
収まったらええのになぁ。
まぁ今回の戦争は大魔法を解除する時が一番ヤバかったな。
俺はあんなに追い詰められた気持ちになった事は人生で一度も無いで。
俺はこの経験を生かしてこれからは常にトラブルの外側に
自分を置けるように全力を尽くそう。うん。考えがまとまったな。
汗かいたからシャワー浴びようか。いや、ゆっくりお湯にも浸かりたいな。
周三は新たな決意を胸に秘めて
バスルームのバスタブにお湯を入れに向かった。
こんばんは。




