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選ばれた勇者らしい。  作者: Cookie
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一騎打ちへの方針

 周三は敵の悪魔軍の将軍ギヨクとの一騎打ちに向けて

外の甲板で作戦を練っていた。

魔力とマナの違いについて考えぬいた周三は

イメージで不思議を起こす「超能力」のようなことが

出来ないかと考えマナをイメージで事象に

作用させる実験をおこなってこれに無事に成功する。

そんな折にヴァルキリー2000騎が軍艦に到着した。


 周三は外の甲板で胡坐をかいて座禅のような姿勢を取り

ギヨク攻略の為の技のイメージの構築していた。

周三は目を閉じて悩んだ。

ギヨク将軍を倒すというだけなら

ギヨクは一瞬で死ね!というイメージの技を

開発すればいいのだがそれはあまりにも幼稚すぎや。

だって、自分に都合の悪い人を全部殺していったら

この世界は理想的な世界になるんか?

それにそんなチカラは呪いのカテゴリーに入るやろ。

勇者が呪術で敵を倒してええんやろか。

なんかイメージ悪すぎでしょ。

自分の都合の悪い奴が全員を始末して解決できるなら

元いた世界でも犯罪を犯した人を

全員死刑にする法律にしているはずやろ。

でも、元いた世界は死刑を無くそうという風潮もある。

きっと世界はそんなに単純ではないんや。

あの暴力的なカンベインだって

全大陸戦争の時に敵の総大将魔王ゼネシスを

殺してないんやから俺が今回、敵の総大将を殺したら

カンベインよりも暴力的な男みたいやんか。それは嫌すぎる。

じゃぁ、ギヨク改心しろ!という精神を改変する技を開発するか。

いや、それはなんとなく道徳的にすごくヤバい気がする。

他人の精神や人格を都合よくイジるなんてまさに悪魔の所業やわ。

他人にマインドコントロールを使う勇者なんて絶対おかしいよ。

という事はある程度は物理的な攻撃を多用せざるおえないのか。

拳で語り合う形にするか。でも俺は怪我をしたくない。

じゃあ、俺の安全を第一に考えた技を考えなくてはならない。

俺はギヨク将軍にもあまり痛い思いをしてもらいたくはない。

でも、痛くなかったらギヨク将軍が降参はしてくれないやろ。

ギヨク将軍はわざと負ける約束をしてくれているが

俺の勘では87%の確率で本気で攻撃してくる気がする。

13%の希望に賭けるほど俺は無謀な男ではないんや。

武器強化成功確率50%!

だけど体感15%!というオンラインRPGでの格言を思い出す。

確率が5割ではほぼ成功しない事が多いということだ。

13%というのも根拠のある数字ではないが

俺が対策を立てて準備をしていなければ

ギヨク将軍は俺の油断を見抜いて攻撃してくる可能性だってある。

心構えができているのといないのとでも確率が変わるというわけや。

悪魔は名誉を重んじるってコウジやシエ姉が言っていた。

あの自尊心が高くて幼稚な精神を持つギヨク将軍が

味方の軍の前でわざと負けるという想像が沸かへん。

俺はギヨク将軍が本気を出しても対処できる男になる必要がある。

暴力では何も解決しないかもしれないが

例えば、ギヨク将軍はすぐ参ったと言わせる!という技を

編み出したとしても、それは魔法だ!と

なんくせをつけられるに決まっている。

こんな虫も殺せないような俺にギヨク将軍は

暴力行為をさせようとしている。

ギヨク将軍は天性のドMなのか。

ここは俺が今、構想を練っているギヨク将軍への苛酷な責めも

ドMなギヨク将軍にとってはご褒美なのだと解釈する事にしようか。

なんで俺を殺そうとしているかもしれないおっさんに

ここまで俺が気を使わねばならんのだ!

そんなん俺が惨めすぎるやろ!

なんだか無性に腹が立ってきたで。ギヨクのアホたれー!!!

温和な俺をこんな気持ちにさせるとは

やはりギヨク将軍はきっとドMの才能があるんちゃうやろか。

周三はギヨク将軍を傷つけないように決着をつけたいという考えから

ギヨク将軍が精神的にも肉体的にもどの程度までの苦痛に

耐えれるのかという考えにシフトしていった。

俺にとってドSな行為もギヨク将軍にとっては

そんなの初心者プレイすぎる。と余裕を見せる超ド級のドMなら

俺が逆に精神的に追い込まれてしまう。

ギヨク将軍はカンベインの虐待に耐え切っている男や。

しかし、俺があまりに酷い事をしては味方の人々の

俺に対するイメージがとても悪い物になってしまうやろ。

もし一騎打ちでギヨク将軍に勝利したとしても第三大陸の新聞で

勇者田中周三はまさにカンベインの再来。なんていう見出しが

踊ったらもうこの世界では友達が出来ないかもしれない。

「この戦争が終ったらもう2度と戦争に参加したくないなぁ。」と

周三は愚痴った。そしてギヨク将軍への苛立ちも高まっていった。

周三のギヨク将軍への苛立ちが精神を高め

より具体的なイメージを作り出す集中力に良い影響を与えてはいる。

しかし、周三は超能力という付け焼刃で不安定なチカラに

命を預ける気にはまったくならなかった。

周三はふとある可能性に気付き、試してみる事にした。

周三は魔眼を発動した。左目が光を帯び始めた。

「おい!エービンス!聞こえるなら返事しろ!

魔力の使い方を教えてほしいねん!頼むわ!」

特には魔眼に反応が無かった。

「やっぱりもう目と同化してしまって人格は無くなったんか。」

周三は諦めて魔眼を停止しようとすると

左目に眼玉のバケモノが映る。

それはまさしくエービンスの姿だった。

周三の左目にだけエービンスの姿が見えている。

そのエービンスが周三に話かけてきた。

「さすが勇者様ですね。

エービンスの存在に気付くなんて驚きました。

エービンスは勇者様の忠実なる僕です。

なんなりとご質問を受け承ります。」

周三は左目に映るエービンスに

「魔力を魔法では無い形で使用して自分自身を強化したい。

魔力はエービンスにだいぶ蓄積してもらったから

その魔力を使いたい。魔力の使い方も教えて。」と言った。

「ふむふむ。わかりました。このエービンスには

実は勇者様との合体技があるのでそれをご覧頂きましょう。

おそらくそれで勇者様のお悩みは

ビシっ!と解決するでしょう。

では、これがエービンスの2つ目の能力でございます。」

左目から黒紫の黒炎が噴き出して周三の全身を覆う。

周三の体のシルエットが変わった。

周三は全身をくまなく見渡す。

「これはすごいな!魔眼にこんなチカラがあるなんて。

魔力の使い方もこの状態だとはっきりと感覚としてわかるわ。

精霊と剣が融合して聖剣となるように

精霊エービンスと俺自身とが融合できるのか。

これで一騎打ちに勝てる!あははははははは!!!」と

周三は大きく高笑いをした。


 しばらくしてシエルが第二艦橋から甲板に降りてきた。

シエルが艦首に近くに到着すると周三が胡坐をかいていた。

特に周三の外見に変化は見られない。

しかし、周三からはドス黒いオーラのようなものが

出ているようにシエルは感じた。

その源は魔力だとシエルはすぐにわかったが

周三の激しい心の波動のようなものが原因で

魔力が異様なまでに荒ぶっている事にシエルは驚く。

魔力は感情では反応しない無機質なチカラだからだ。

シエルは心に何か不安のようなものを感じたのだった。

こんにちは

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