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選ばれた勇者らしい。  作者: Cookie
53/118

対策

 周三は第一艦橋でロアンたちに

この世界の武術は一撃で数万も倒したりする武術が

あるみたいだがそんなのを武術というなら

敵の将軍と一騎打ちの勝負は俺には出来ないと相談する。

ロアンはそのような異常すぎる強さを持つのは

カンベインとその一味だけだと語った。

この世界にはそのような異常な強さを打ち消す能力が存在しており

それの能力は暗黒騎士が用いるというのをミュアンから説明される。

具体的な悪魔の強さというものを知るために周三は

普段は第二大陸に住んでいるコウジに相談する事にした。


 周三は第一艦橋のエレベーターに乗ると

ひとつ下の階のボタンを押した。

エレベーターが降下して第二艦橋に到着し扉が開いた。

第二艦橋の自分の部屋に戻ると中央のテーブルの上に

朝食のプレートが置かれていた。

ソファーには着替えの下着がキチンとたたんで置かれている。

「さっそく下着を用意してくれたんだな。助かる。」

すぐに周三は軍服を脱ぐと下着を新しいものに取り替えた。

下着のままソファーに座り、朝食のプレートを目の前に置いた。

パンと目玉焼きとソーセージと

サラダにスープというシンプルなメニューであった。

料理がまだ温かかったので美味しい。

「そういえばディアナとか中村とかは

もう自分の持ち場についてるんだろうな。」と周三はつぶやいた。

食事を終えてグラスに入っている冷えたオレンジジュースを飲み干した。

しばらくソファーで横になってのんびりした。

周三はちょっとウトウトしはじめた。

「あかん!このままでは寝てまうわ!」

周三はソファーから起き上がると軍服を着てエレベーターに向かった。


 周三はエレベーターで第二艦橋から2つ下のフロアに向かった。

エレベーター出て廊下を進み、左側の3つ目の扉をノックした。

「はいよ!」と中から返事する声が聞こえるとすぐに扉が開いた。

扉の中から甘根が顔を出した。

「おお!シュウやないけ!おかえりおかえり。

なんか偵察だけじゃなくて色々と大変やったらしいやんけ。

ご苦労さんやったな。」と甘根が言った。

「そやねん。もう疲れてしもたわ。」と周三が応えた。

「まぁ、中に入れや。今はこの部屋には俺だけや。」と

甘根は周三を部屋に迎え入れた。

部屋の中は帝国の要人の部屋とレイアウトも広さも同じであった。

テーブルの上には食べ終えた朝食のプレートがそのままになっており

甘根はソファーの上には毛布が置かれていた。

毛布の置かれている左側のソファーに甘根が座ると

周三は向かい側のソファーに座った。

「コウジはここで寝てるん?

居住用の部屋は用意してもらわんかったん?」と周三が訊くと

「ああ。一応は用意してもらったんやけどここからめちゃ遠いねん。

だから色々と連絡とか打ち合わせとかで一々ここに来るのも大変やろ。

ここの方がすけぇ便利やからここで寝てんねん。」と甘根は応えた。

「ここは風呂が無いやろ。

それやったら俺の部屋に風呂があるから使ってええで。」

「ほう。助かる。気が向いたら使わせてもらうわ。」

「遠慮せんといつでも言うてや。」

「シュウ、わし、朝食をさっき食べてんけどな。

なんか量が物足りんから後で下の食堂に行って食べよう思てんねん。

普段の食堂はお金がかかるらしいけど戦争の間は無料やねんて。

食べ放題やで。それやったら行かな損やろ。」

「それは俺も行きたいわ!」

「ほんじゃ今から行こけ?」

「おっけおっけ!行こ行こ!美味しい物食べると元気でそうや。」

2人は立ち上がると部屋を出てエレベーターに向かった。


 周三と甘根はエレベーターで2つ下の階に下りて食堂に向かう。

船尾の方向に歩いていくと右手に大きな食堂があった。

船尾の方にもっと向かうと乗組員の居住区画があるらしい。

食堂はビュッフェ形式になっており料理の乗った大皿から

料理を自分のプレートに取り分けていくシステムだった。

普段はビュッフェでは無いらしいし無料でもない。

乗組員たちが、テーブルで戦争が終っても

ビュッフェ形式のままにしてほしいよな。と話している。

朝食のピーク時間は過ぎていて食事をする乗組員は多くはなかった。

ビュッフェは交易の航海ではなく戦争だからできるのだろう。

この戦争は1週間の予定だから食料に余裕はあるが

交易での航海はかなり日数が必要になるのでやはり食料を

きっちりと無駄なく管理しないと量が厳しいのかもしれない。

甘根は嬉しそうに「うまそう!シュウ!どんどん取ろうや!」と言った。

甘根はプレートを持つと1人で早足で

料理の乗った大皿が置いてあるいくつかのテーブルを見て回る。

周三も料理を見てたらお腹が減ってきて

「はよ食べたい!」と言うとプレートを持って甘根を追った。

周三と甘根はピザやパスタやカレーやフライドチキンに

煮込みハンバーグ、ポテトフライ、ベーコン、ソーセージなど

ファミレスで中学生が好んで注文するような料理のチョイスだった。

中学生くらいの好みは、カロリーイコールおいしい。と言えるのかも知れない。

複数のプレートに山盛りに盛り付けして自分たちのテーブルの上に置いた。

甘根はグラス4つに種類の違うジュースを入れて置いた。

周三はジュースはグラス1つで十分だった。

周三と甘根は無言でしばらくはひたすら料理を食べていた。

周三が一旦席を立ってコーヒーを取りに行って戻ると

「甘根に相談したい事があんねん。」と周三は甘根に切り出した。

「ん。急に改まってどないしてん。」と甘根が返事した。

「実はな。敵の将軍と一騎打ちで決着をつけようって言われてんけどな。

甘根が知ってる通り、俺って暴力的な喧嘩はほとんどしたことないやん。

せめて敵の情報だけでも知っておいて一騎打ちの参考にしたい。

だから甘根に悪魔の強さって一体どれくらいのもんか教えてほしいねん。」

「そや!思い出したわ。

シュウは敵と一騎打ちするらしいな。昨日、ロアンさんから聞いたで。

シュウがタイマンで決着をつけるとかキャラ的に信じられんかったわ。

こっち来てキャラを変えるというのも高校デビューみたいなもんけ。

まぁ、タイマンで勝負をつけるんはええけどわしの出番が無いやんけ。

わしが代わりにタイマン勝負してきたろけ?」と甘根が提案してきた。

「コウジありがとうな。代わりに頼むわ。と言いたい。

それはすげぇ嬉しい提案やけどもそれは無理や。

総大将同士じゃないとあかんらしい。」

「つまらんわ。せっかく来たのにわしはいらんのけ?」と

甘根はかなり不満そうだった。

「敵の悪魔軍を殺さずに済んだ方が第三大陸に恨みも持たれずに済むから

なるべく穏便に片を付けたいねん。」

甘根はすねた表情から笑顔に戻って

「ええよええよ。わしらの国の戦争じゃないからな。

シュウの国の戦争やねんからシュウの好きなようにしたらええよ。

それで。ああ。一騎打ちに勝ちたいから悪魔の強さを知りたいんけ。

その将軍は飛ぶ系か?普通の兵か?」と訊いた。

「飛ぶ系やな。敵の将軍は梟にそっくりの顔をしてる。」

「それはめっちゃやっかいやな。

飛ぶ奴は移動攻撃が速くて強いで。シュウは飛ばれへんのやから

相手に飛ぶのは無しにしてくれ。って言えば良かったのに。」

周三はその甘根の言葉に、ハッと気付かされるものがあった。

相手が魔法を禁止してきたんだからこちらも相手に飛行行為を

禁止すれば少しは有利に戦えたのかもしれない。

なのに相手に合わせて空中戦でお願いしますなんて

相手の思う壺ではないか。周三は自分の馬鹿さ加減にうんざりした。

もしもロアンが第二大陸の言葉がわかっていたら

魔法を使わないで欲しいと

ギヨクが提案をしてきた話の流れをロアンも把握できた。

そこでロアンが、それならこちらも条件を出しましょう。と

進言してきていたかもしれない。

少なくとももっと有利な条件で

ギヨク将軍と一騎打ちができた可能性が高い。

周三が断片的な話の内容をロアンに通訳し説明しながら質問していては

魔法が一騎打ちのルールで禁止されているのか魔法を使わないように

相手から頼まれているのかがぼんやりしてしまったのか。

だから一騎打ちは空中と船上のどちらが有利かという質問に対しての

率直な答えしかロアンは答えられなかった。

ギヨクがわざと負けると約束してきた事で絶対的な油断も生んだ。

ギヨクの負けてくれる約束で周三の思考は

空中でも船上でもどっちでもよいけれど

どっちの方が戦うのに楽かという考え方になっていた。

眠気で早く帰りたいという気持ちも周三の危機感を低下させていたのだろう。

「そやな。コウジの言うとおりやわ。俺ってアホやな。」と

元気の無い声で甘根に応えた。

「なんや。シュウ。落ち込んでしもたんけ。あんま気を落としなや。

わしがシュウの特訓に付き合ってやりたいけど

わしは普通の悪魔とは戦い方がちょっと違うらしい。

だからシュウのタイマンの参考にはならへん。

わしの部下に強い堕天使がおるから

そいつに飛ぶタイプの悪魔との戦い方を教えてもらったらええ。

あとでシュウの部屋にそいつを連れて行ったるわ。」

「助かるわ。コウジありがとうな。」と周三は心から甘根に礼を言った。

おはようございます。

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