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選ばれた勇者らしい。  作者: Cookie
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思い

 周三とロアンは無事、軍艦フェンティーアに帰還した。

周三はそのまま第二艦橋に用意された自分の部屋へ戻り眠った。


 どれくらい眠ったのだろう。

周三は体がかなりゴワゴワしてる感覚に襲われた。

グリフォンに騎乗しての長時間の移動による筋肉痛だろうか。

周三は普段からあまり体を動かしてはいなかったツケが

こんなところで出てしまったようだ。

ダルそうに周三はベットから体を起こすとベットのカーテンを開けた。

フロア全体が薄暗い。夕暮れなのか。それとも早朝だろうか。

室内は空調設備がしっかりしていて快適な温度だった。

周三はベットから降りた。

床に無造作に脱ぎ捨てられた自分の軍服を拾い上げた。

周三は敵の軍船から軍艦フェンティーアに帰還して

第二艦橋の自分の部屋に戻った時に

眠さに負けて床に軍服を脱ぎ捨てていたのだ。

軍服を拾い上げた軍服のズボンのポケットから

銀時計を出して蓋を開けた。

「6時か。朝か?夜か?まぁどっちでもええか。」

ソファーに座ろうと思って目をそちらに向けると

中央の大きなテーブルに食事が置かれていた。

プレートに牛肉の炒め物と魚の白身のフライと

サラダとパンとトマトのスープそしてプリンが載っていた。

「プレートってなんだか給食を思い出すなぁ。」

ソファーに座ると、周三はホッとした気持ちになった。

料理が載ったプレートを眺めると湯気が出ていない。

完全に料理は冷めているようだ。

周三はテーブルの上の給水ポットから

水をグラスに入れると一口飲んだ。

「お、水がまだ冷たい!

ポットに氷を入れてくれてくれてたのかな。」

料理は冷めていて美味しくはないだろうが

お腹がすいているので食べることにした。

「うむぅ、やっぱりすごく料理が冷めてる。

このメニューって夕食っぽいよな。って事は今は朝か。

じゃぁもうすぐ朝食かも。だとしたら温かい食事にありつけるな。」

食事を済ませてベットの近くにあるバスルームに入った。

バスタブにお湯をためるために蛇口をひねる。

勢いよく水が出た。

しばらくするとお湯になり湯気がもくもくと立ち上がる。

周三は湯船に体を浸かるのを想像するとワクワクした。

「そうだ。着替えの下着が無いわ。あとで艦長に相談しよう。」

周三はバスタブのお湯が溜まるまで洗面台で歯を磨いていた。

鏡で自分の顔を見て

「ああ。ひでぇ顔。疲れが出てんなぁ。」と感想をつぶやいた。

バスタブのお湯が溜まると周三はシャツと下着を脱いで

足先で温度を確かめつつ、足をお湯の中に入れると

ゆっくりと全身をお湯に浸した。

周三は気持ちが良すぎて鳥肌が立った。

「うわぁ~。ふぅ~。

マジ生き返るわぁ。これよ!俺はこれを求めててん!」

周三は上機嫌になり歌を歌い始めた。

「ハッピー♪ハッピー♪この気持ち~止めらんないグッモーニング♪

交差点でパンをくわえたら♪

大好きな元カレにジャンピンタックル♪

右に避けられちゃったYo♪

カウンターで顔面フックもらっちゃUhh♪

ファースト DV SOS♪ファースト DV SOS♪

ありがとうございます♪あたしにはこれがご褒美なんです♪

さでぃすてっぃくな元カレのPunchに

あ・た・し・は鼻血がブーーーーーーーーー♪

ストリートで今一番ホットでクレージーなあの子はWho?♪

住所不定無職でクーレスト&スパイシーなあの子はWho?♪

Yeahhh!YES!YES!知ってる!知ってる!

とってもストーキングな少女♪マゾナマイカ♪」

少女漫画が原作でありながら

少女向けではない内容だった深夜アニメの主題歌を周三は熱唱した。

自分の気持ちに素直で真っすぐだけれど少し不器用な主人公。

元彼に24時間全力で気持ちをぶつけていく主人公の少女の

ただただ異常なまでの前向きさと打たれ強さに

深夜になんとなく視聴していた周三は元気をもらっていたのである。

だからそのアニメの主題歌を歌っていると元気な気持ちになってくる。

歌って目が冴えてくると周三はギヨク将軍から聞いた歴史を思い出した。

カンベインって暴力的で理不尽だから怖いな。

それにしてもカンベインの仲間の人間も強すぎないか?

1撃で100万の悪魔軍を瞬殺するなんて無双どころやないやろ。

もしもこの世界がオンラインRPGゲームとかだったら

運営はゲームバランスをおかしいやろ!

カンベインたちの能力を下方修正しろや!

クソゲーが!カンベインたちのアカウントを停止しろ!

運営仕事しろ!ってユーザーがゲームの運営会社にメールを送ったり

ネット掲示板が炎上する騒ぎに普通はなるやろな。

悪魔は天界の神様に

カンベイン一味の能力はチートすぎ。とかって苦情を送らんのかな。

神様にとって悪魔は無課金ユーザー扱いなのか。

まぁ次代の勇者が俺みたいな普通っ子なんだから十分に

勇者の能力値は下方修正してるよな。むしろ下方修正しすぎや。

戦争なんてゲームとかならええけど実際にすると死ぬからなぁ。

俺は毎日を普通にのんびりしていたかったのにマジで困るわ。

ユメアと会いたいなぁ。

この戦争から帰ったらユメアとジェラートを食べに行こう。

ユメアは学生やから土日は休みなんやろか。

俺は暇人やからあんまり遊びに誘うとウザがられるかなぁ。

でも、俺は公務員やから安定した職業についてるわけやし

女子の印象は悪くは無いはずやろ。

でも、付き合うとかの話になっても俺は魔法学園に行くから

遠距離恋愛になっちゃうし、とりあえず付き合うとか考えるのは

学校卒業してフェンティーアに帰ってきてからやな。

でも、ユメアに彼氏とかいたらどうしよう。

そこらへんも本人に聞かないといけないな。

でも、俺、告白とかしたことないからなぁ。

フラれたらどうしよう。

絶対にOKがもらえると確信できたら告白しようかな。

周三はそんな事を考えていた。

湯船から出ると頭と体を洗ってシャワーで流して

また湯船で体を温めてからお風呂をあがった。

ゆっくり湯に浸かれて体の調子がだいぶ戻ったが

体のダルさは増したような気がする。

「お風呂に入ると疲れを実感して余計に体がダルくなるよなぁ。」

下着を着てから軍服を着た。せっかくお風呂に入ったのに

あの悪魔のマントを羽織ったせいで軍服が鳥臭い。

軍服にコロンとか吹き付けたいな。と周三は思った。

「さて、ギヨク将軍がわざと負けてはくれる約束だけれど

空中での戦闘なのでグリフォンの騎乗特訓をしないといけないなぁ。

それにしてもこの世界の武術というのは本当に得体が知れん。

カンベインの仲間の剣士の剣術は

剣の一撃で数千の敵を一瞬で倒すらしい。

そんなのはもうわけがわからないよ。

それはもはや武術ではなく魔術やろ!

そんな人間離れした破壊力を武術というカテゴリーに

含めるとこの世界のみんなが言い張るというなら仕方がない。

不思議と一騎打ちを決めた事に不思議と後悔は無い。

ギヨク将軍にわざと負けてもらう約束をしたからかなぁ。

でも油断は禁物や。

ギヨク将軍も人間離れした破壊力のある技を持っているかもしれんからな。

もしも、ギヨク将軍がわざと負けるという約束を破って

本気を出して攻撃してきたら俺は死んでしまう事になる。

予め魔眼でギヨク将軍を観察してながら

約束を破って本気を出そうとしていると判断した時点で

一騎打ちは無かった事にしてガチの戦争にシフトしよう。

フフフ。ギヨク将軍が本気かどうかは戦う前からわかるのはイイネ!

俺のこの左目の魔眼はチートアイテムと呼べるほどの

潜在能力と汎用性を秘めてる気がする。

ギヨク将軍が本気どうかは魔眼でギヨク将軍を見れば

ギヨク将軍の魔力の流れやチカラの溜め具合で判断できるやろ。

魔眼は俺の中では魔法ではない。俺の体の一部だ。

だから魔法を使わない約束にはギリギリセーフや。

俺の中では決してルール違反ではない。

バレなきゃ違反ではない。という名言も俺の世界には存在するのだよ。

他人が死ぬのはとても嫌だ。しかし自分が死ぬのはもっと嫌だ。

まぁ、そうは言っても俺は誰もが

笑顔で迎えられるエンディングのために最善を尽くす男でもある。

とりあえず着替えの下着を艦長に用意してもらうのが先決だな。」

周三はエレベーターに乗って第一艦橋に向かうのだった。

こんばんは。

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