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選ばれた勇者らしい。  作者: Cookie
27/118

ロアン動く

 前回のあらすじ


 第二大陸の北西にある国の


悪魔軍が海からフェンティーアに


来襲するかもしれないという情報を知り


周三は食事は喉を通る程度の不安を抱えて悩む。


悩んだだけで就寝したのだった。






 翌日、フェンティーアに来て6日目の朝。


リアと共に市場に買出ししてから


カノレル雑貨店に周三は帰宅した。



 店内カウンターに座るハウルから


「おかえりなさい。


監督府の将校さんだと思うのですが


軍服姿の若い女性が先ほど来られて


今日の剣術の稽古はありませんと


勇者様に伝えて欲しいと


言われました。」と伝えられた。



 帝国監督府にも悪魔水軍の来襲の報が


やはり伝わっていると周三は感じた。


「そうですか。ありがとうございます。」と


周三はハウルに礼を言った。



 「いえいえ、


あと、伝言はそれだけではありません。


午後からの姫様とのお約束は


また日を改めて後日にして


頂きたいと言っておられたのですが


しかし、それとは別に用件があるので


監督府の3階の会議室に


本日、出来るだけ早く来て頂きたい。と


その女性の軍人さんに言伝されました。」



 ハウルの言葉を聞いて周三に不安が走った。


(やっぱり俺は戦争に巻き込まれるのか?


うわ! 嫌過ぎる!


隣の民家の門をくぐれば元の世界に帰れる。


さて・・・帰ろうかな。


でも、今帰るのは抵抗がある。


いつでも逃げ出せるのだから


もう少し情報を知って様子を見てからでも


遅くないはないはずだ。


このまま俺だけ逃げ出したら


元の世界で中村と甘根にあわせる顔が無い。


ここは頼りになるロアンさんに早く相談しよう。)


そう周三は決意して


朝食のスクランブルエッグとソーセージと


ミートパイを食べてから


デザートのフルーツ入りヨーグルトも


しっかり食べて


徒歩でロアン宅に周三は向かうのだった。






 ロアン宅に到着した周三は


ロアン宅の1階に物音がしないのを


確認すると2階の玄関に


階段で上がると呼び鈴を鳴らした。



 「はい。」と奥からロアンが


返事をする声が聞こえた。


しばらくして玄関の扉が開くと


爽やかな笑顔を周三にロアンは向けた。


「やぁ、シュウおはようございます。」



 ロアンに周三は軽く会釈した。


「おはようございます。


お忙しい所すみません。


実はロアンさんに


大事な相談があってきました。」と


ロアンに周三は真剣な表情を向けた。



 ロアンは微笑みを崩さず


「相談ですか。


では、どうぞ中へ入って。


お茶の用意をしますので。


話はそれから聞きます。」と


周三をロアンは奥のリビングに招きいれた。



 周三はリビングに入ると


テーブルの北側の椅子をひいて座った。


周三が真剣な表情で黙っていた。



 フェアリーのララーが飛んできて


フワリと周三の肩に乗る。



 「おはよ。


シュウは今日はおとなしいね。」と言って


周三の肩で座った。



 「ララー。


俺には今、大きな悩み事があってね。


それをロアンさんに相談にきてん。


だから俺は今はおとなしいのさ。」と


周三はララーに自身の胸中を告白した。



 「ぬし様なら、きっと周三の悩みを


解決してくれるよ。」と


ララーは周三を励ました。



 「サンキュな。


俺のマイエンジェル。」と


周三はララーに礼を述べた。



 ロアンは台所で


紅茶ポットとティーカップと


皿にビスケットを乗せた。


ロアンはトレイを用意をして


トレイにそれらを載せて


リビングのテーブルに置いた。


ロアンはティーカップに紅茶を注ぐと


周三の前にカップを置いた。


ロアンはテーブルの南側の席に座り


自分のティーカップに紅茶を注いだ。


ロアンが両肘をテーブルに置いて両手を重ねる。


「おまたせしました。


シュウ。ご相談と言うのは?」と周三に訊ねた。



 「ええ。実は相談というのはロアンさんには


まったく関係が無い事なのかもしれないのですが


ロアンさんもフェンティーアの住人なので


関係があるとも思うので相談します。


実は第二大陸の北西の国の軍隊が


船を率いてフェンティーアに


攻めてきているかもしれないんです。」と


ロアンに周三は真剣な顔で伝えた。



 ロアンは口元がひくついた。


「シュウ。それは確実な情報でしょうか? 」と


周三にロアンは問い返した。



 「まだ確かではありません。」と周三は応えた。



 「しかし、可能性が高いから


わたしに相談に来たわけですよね。」



 「そうです。


俺の友達に悪魔の国の王子がいるんですが


昨日、アルベルク広場で


偶然に出会ったので話しをしたんです。


悪魔なのに何をする為に


このフェンティーアに来たのか?って訊いたら


第二大陸の北西に位置する国が


水軍を率いてこの国に


攻めてくるかもしれないという事を


この国に伝えに来たそうです。」



 それを聞いたロアンは表情を引き締めた。


「なるほど。第二大陸の王子に


ご友人がいるとは驚きました。


おそらくですがその情報に


間違いは無いとわたしは感じました。」と


ロアンは目を閉じて言った。



 「ロアンさんはどうしてそう思うんですか?」



 ロアンは目を開け真剣な表情で


「第二大陸北西の国から陸沿いに真っ直ぐ直線に


海域を南下すれば第五大陸にぶつかります。


シュウのご友人はこのフェンティーアが


危ないと警告をしに来た。


という事は第五大陸の領海に入る前に


水軍は東に向かって進路を変えたと予想します。


そして、東に向いて直線上にある国は


このフェンティーアです。


だからご友人はこの国が危ないかもしれないと


伝えに来たのかもしれません。」と


ロアンは仮説を述べた。



 「それはそうかもしれませんが


フェンティーアが標的かは


友人は断定はしてなかったです。」



 「いえ、ほぼフェンティーアが


目標と考えるのが妥当でしょう。


いや、フェンティーアを


狙っているとわからせて行動するのが


目的かもしれないですが


今の段階ではそれは深読みしすぎですね。」と


ロアンは回りくどい言い回しをした。



 「それはどういうことですか? 」と


ロアンに周三は説明を求めた。



 「北西の悪魔の国に取って


この海域は敵国に囲まれた場所です。


悪魔と敵対している第五大陸が南西にあります。


第二大陸の南側はフェンティーアと交易するような


人間と友好的な悪魔の大国が


東西に渡って横たわっています。


そして第三大陸と第二大陸と第五大陸に


囲まれているこのフェンティーアは


第三大陸の支配者である帝国軍や


第一大陸の天使軍が保護しているのです。


第二大陸北西の悪魔水軍は自分から


袋のネズミになりに来るようなものです。」と説明した。



 周三は説明に頷くと「確かにそうですね。」と返事した。



 「ですから、第二大陸の北西の国は


ここに何しに来るのか?


もしかしたら、ただの人騒がせに来たのかもしれません。」



 「単に迷惑行為に来たって事ですか? 」と周三は驚いた。



 「いえ、その可能性もあるという事です。


第二大陸の北西の国というのは


ここからとても遠い国です。


もしもフェンティーアを強襲して


支配したとしても維持ができません。


フェンティーアを通過して


フェンティーア以外の攻撃目標があるのなら


フェンティーアを通過する頃には


帝国軍、天使軍、悪魔軍、妖精軍が


水軍を包囲して総攻撃するだけの時間を


与えてしまうでしょう。


わざわざ本国から遠い場所で


なおかつ敵国に囲まれた飛び地に


軍隊を送る事自体が無意味な行為だと思います。


ですので人騒がせな攻撃と


わたしは表現せざる負えないわけです。


しかし、悪魔軍の無意味な攻撃で


フェンティーアの一般市民が


被害に遭う可能性は十分あります。」



 「なるほど。なんとなくわかりました。


そうですね。


単なる外国からの嫌がらせに


俺だって巻き込まれたくないです。」と


周三はテーブルの上に置いていた右手の拳を握った。



 「もう少し詳しい情報を知らないと


何も断定はできませんし


お答えする事も手助けする事もできません。」と


ロアンが静かに言う。



 周三は何か考えるような素振りを見せながら


「今日は俺は急きょ帝国監督府に呼ばれています。


女性の帝国の軍人さんが俺に監督府に来るようにと


下宿先に伝えに来たそうです。」



 「それはもしかしたら


軍議を開くのかもしれませんね。


帝国監督府で集まって会議をするのでしたら


その可能性はありそうですね。


監督府は帝国の軍事機関なのですから。」



 「え!?


軍の会議に俺が参加しないといけないんですか?」と


周三は狼狽した様子を見せた。



 「はい。このフェンティーアには


軍隊がありませんので


フェンティーア所属の武官というのは


おそらく勇者だけだとおもいます。」



 周三は、なるほど!という顔をした。


「ああ! そっか!って納得しましたが


すごく納得したくない心境です。」と


複雑な心境が周三の口から出た。



 「もしも悪魔水軍が第五大陸の領海の近くを


通ってきたのなら


わたしの出身大陸でもある第五大陸にも


関係があることですので


第五大陸に詳しいわたしはお役に立てるかもしれません。


その軍議に参加できるように


知り合いを通じて働きかけてみます。」



 「ロアンさんも会議に参加するのですか?」と


周三は驚きながら言った。



 「ええ、わたしも出来る範囲の事は


手伝わせてもらいたいのです。


わたしもフェンティーア市民なのですから。」と


ロアンは笑顔で応えた。

こんにちは。

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