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選ばれた勇者らしい。  作者: Cookie
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チャンス

 天使との戦いを闇黒天ファデルが望む。

その理由は魔眼契約との契約を達成まであと1426名の敵を

倒せばいいからだ。と艦長室内の皆に告げた。


 ブラッドフォードは悩んだ素振りで口を開く。

「ファデル、なぜ、今、天使と戦う必要があるのだ。

もう2度と戦場に出ない為に

この地で魔眼の契約を達成しておきたいのか。

魔眼の契約には期限でもあるのかね?」

ファデルは首を振って口を開く。

「そうではない。」

ボビーが口を開いた。

「今までの説明だけじゃ納得できねぇぜ。

なぜ天使なんだ。天使にこだわる意味もわからねぇ。」

カレンが口を開く。

「ボビーの言う通りだよ。

就職したって大きな会社なら大型連休だって休めるんだろ。

その休日を利用して、たまに戦場に出ればいいじゃん。

そうすれば少しずつでも魔眼のノルマを達成できるんじゃないの?

天使軍を相手にする戦力を帝国軍の敷地内から出したら

ファデル一人の問題じゃ、絶対に済まない。

きっと大ごとになるよ。」

ファデルは組んだ足を崩してに大股を開いて座り直すと

膝に肘を置いて両手を組み、組んだ両手を額をつけて考え込んでから

「そうか。納得できる説明ができるかはわからんが

まず、一つ、天使とはオレ一人で戦う。」

ボビーが驚いた表情をファデルに向けて口を開いた。

「おいおい。そりゃあまりにクレイジー過ぎるぜ。自殺行為だろ。」

カレンも口を開く。

「就職先の新人研修が始まるまでの日数に余裕が無いのか?

もしかして焦り過ぎておかしくなっちまったのかい?」

ファデルは紺色の髪をかきあげたあとに

リラックスした表情をして口を開く。

「なるほど。君たちは天使と戦った事が無いんだろう。

そもそも天使は人間を攻撃できないんだ。

それなのになぜオレが死ぬ事を前提の話になるんだ?

『この仕事が終わったら就職するんだ。』とかオレが言ってるから

戦場で戦死する兵士が出撃前に言いそうな台詞にでも聞こえた?

それはさすがにオレは馬鹿にされたような気分になる。」

ボビーがまだ納得が様子で口を開く。

「たしかに天使が人間を攻撃しないのは知っているが

あんた一人じゃ多勢に無勢で取り押さえられる可能性だってあるだろう?」

ファデルは首を振る事で否定を示した。

「それは無い。

天使を攻撃してはいけない法律なんて存在しない。

誰が何の罪でオレを罰する事ができる?」

ブラッドフォードが何かに感づいたような表情をして口を開いた。

「うむ。わたしたちは天使について実は何も知らないのではないか?

歴戦の兵士であり元天使であるファデルは

一人で天使に勝つと確信を持って言っているんだ。

元天使のファデルに天使の事を何も知らないわたしたちが

根拠やマイナス材料が無いのに悲観的な意見を言うのはやめるべきだ。」

ファデルは大きく頷く。

「艦長、その通りだ。

カレン。オレは休日にまるでピクニックのように

戦争に参加するほどの戦闘が好きでは決して無いよ。

大型連休の予定を潰してまで戦争に参加したくはない。

週末の休日だって1日中ベッドでゴロゴロしてキチンと体を休ませたい。」

ブラッドフォードが口を開く。

「フフフ。それもそうだ。ふむ。それはごもっともな話ではあるが

では、天使と戦いたい理由をわかりやすく簡潔に説明してくれないか?」

ファデルは少し考えた様子を見せて口を開いた。

「簡潔ねぇ。いいだろう。

オレは人間の体だから天使からは

人間だと認識されて天使から攻撃されずに天使を攻撃できる。

オレは精神は人間ではなく悪魔なので躊躇なく天使を攻撃できる。

天使には死の概念が無いからたとえ消滅させても死にはしない。

だから天使を人間が倒したとしても殺人罪や傷害罪は存在しないんだ。

だが天使は攻撃をすれば倒す事は可能だ。

天使は地上界では現身うつしみという仮初めの肉体で存在している。

神の奇跡を無効化する暗黒物質を使えば現身はなんてなんなく破壊できる。

現身は壊れて機能しなくなると光の粒となって霧散して消滅する。

しかし、現身が破壊されても天使は死にはせずに後日に復活をする。

だが現身が壊れてすぐその場で復活はすることは普通は出来ない。

天使は復活する為には、どうでもいいような形式ばかりの無駄な儀式を

沢山行わねばならないから復活までは意外と日数がかかるんだ。

オレが敵と認識した状態で天使の現身をオレが破壊し

天使の現身を消滅させれば魔眼は敵の死亡数としてカウントしてくれる。

肉体が壊れた天使はいずれは復活するとはいえども

地上界からその存在が一定時期は消えるのだからな。

だから天使の死として魔眼はカウントしてくれるんだ。

それにオレがもし天使に捕まったとしてもすぐに解放されるだろう。

艦長が許可してくれるなら魔眼解除ノルマを達成したら

オレはわざと捕まって

天使たちの手でそのまま本国に送還してもらいたいくらいだ。

天使がオレを解放するだろうと予想した理由は

天使はオレが魔眼という悪魔との契約で

精神を操られて天使を破壊したのだと天使側が多分決めつけてくれる。

オレが天使たちに必死で悪魔には心までは操られてはいないと否定をしても

『心を操られていないと貴方が思ったのはきっと悪魔に心を操られていて

自分の意思だと思い込まされていたのよ。』と天使は決めつけて

こちらの言い分は聞いてくれない。

天使は人を罰するためではなく人を罰さない為に努力する傾向があるんだ。

人を罰さない為にまったく関わってない事件でも天使は私のせいとか言うね。

天使はオレを加害者ではなく被害者だと思い込みたがるだろうな。

あいつらは人間じゃない。人間から見たら頭がおかしい存在で当たり前。

事件の原因は魔眼による悪魔の契約であって契約者ではないと

妄信的に決めつけてくるに決まってる。罪を憎んで人を憎まずだ。

悪意のある人間が天使に迷惑をかけて捕まったとしても天使たちは

『これはきっと貴方への神の試練だわ。』とか

『貴方が人生を悔い改める為に神から与えられたチャンスよ。』とか

裏の取れていない事実を根拠の無い自信たっぷりに

さも事実のような口ぶりで言ってくるんだ。

オレも天使時代はそうだった。

今のオレにとって天使時代は黒歴史でしかない。

天使は神のご意思だとか何かにつけて言ってるが

自分の意見を神の意見だと言ってすり替えているだけなんだ。

なのに天使は嘘を言っているとは自分では認識できていない。

真実はこの第三大陸の創造神は長期間不在で意思なんか存在しない。

天使は他人の悪意に疎くてむやみにやたらに自己犠牲したがる。

そんなあいつらは基本的にはドMだし、

人間は必ず不幸で可哀想な生き物だと決めつけてくる失礼な奴らだ。

オレが悪魔の契約の解除のために死んでくれと正直に言ったら

天使たちは神に祈りながらオレの前に跪いて頭を垂れて

自分の首を切断される事を了承するだろう。

どうだ。オレが負ける理由がまったく存在しない。

艦長が今からオレに半休をくれたら

東の高原に陣取っている天使軍に突入して

オレはかなりの人数の天使をノーリスクで破壊できると確信している。

天使が大量に一か所にいるなんてことは普段はなかなかないんだ。

魔眼の契約ノルマ達成のビッグチャンスを逃したく無い。

ビックボーナスが確定してるんだ。オレは許可が無くても絶対に行く。

とりあえず今の説明で何か質問ある?」

ブラッドフォードとボビーとカレンはファデルの話に感心している。

そもそも人間は天使を敵だとはまったく認識をしていない。

ユンディー教団の信徒と言えども天使は大好きで愛している。

人間にとって無害であり有益でもある天使に対して

人間には天使は無抵抗だからという理由で

任務でもない個人的な理由で艦隊が待機中だからと自分勝手に

当日に半休を上司に申請して

ちょっと高原に行ってに天使を大量虐殺してくるというファデルの発想自体が

普通の人間の感覚では理解されず許しもしない行為であろう。

しかし、ブラッドフォードとボビーとカレンは納得した表情をファデルに向けた。

それはファデルが実は悪魔だと3人が認識しているから納得できたのだろう。

もし、ファデルが堕天使ではなく普通のただの人間だったら

ここにいる仲間たちはファデルに対して

精神異常者のレッテルを貼って警戒していた可能性は高い。

普通の人間の感覚からしたら

無抵抗な天使を虐殺するなんていうのは忌み嫌われる行為でしかない。

「現身が破壊されたら天使の魂は天界に送られるの?」

カレンはそう質問した。

「カレン。とてもいい質問だね。」

ファデルはそう言って自分の足を組み直した。

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