問題点
周三は竜騎士3名を倒した。
戦いを終えた周三は大魔導師リリアンの元に歩いて向かう。
「ああ。白羊。。。。投げてなくしちゃったよ。どうしよう。」
周三は大事な聖剣【白羊】を手裏剣のようにして使った事を後悔した。
周三はトボトボと下を向いて歩いていると
人型の紙きれが落ちていたのでしゃがんで拾った。
「ちょっとチャレンジしてみるか。」
周三は真昭の術を魔眼で見ていたので術を理解はしていた。
人型の形代に聖剣白羊の元に届けと念じてふっと息を吹きかけた。
フワっと人型が宙に浮かび上がると西の方角に飛んでいく。
「エービンス。ごめんやけれど紙キレについて行って剣を取ってきて。」
左目からエービンスの霊体が出現した。
エービンスの霊体には首が無い。
胸部に大きな目がついていてマッチョな人型の肉体であった。
周三以外の人間にはその姿は目視では見えない。
「はい。シュウ様。かしこまりました。」
人型の紙キレを追いかけてエービンスは走って行った。
周三はリリアンのいる場所に近づくとリリアンに大きく手を振った。
リリアンは胡坐をかいていたが周三が手を振っているのを見えて
立ち上がるとスカートのお尻を手ではたいた。
リリアンも周三に軽く手を振りながら周三のいる方法へ歩き出す。
「おつかれさん。」
リリアンは周三の目の前に立つと労いの言葉をかけた。
「お疲れ様です。リリー先生。ナイスマジックでした。
俺は本当に疲れてしまいました。
けったくそ悪いので、もう喧嘩なんてしたくないです。
とりあえず帰ってシャワーを浴びたい。今の気持ちはそれだけです。」
周三は全身が泥だらけになっていて表情は明るくはなかった。
「大変だったね~。お姉さんがキレイキレイにしてあげよう。」
「そんな魔法があるならぜひお願いします。」
「オ~ケ~。命の根源よ。清らかなる水よ。
汝の穢れを洗い清めたまえ。クリアンアクアウォッシュ!」
リリアンは呪文を唱えると右手の人差し指を周三に向けた。
「あざーす。」
周三が礼を言ったその瞬間に
周三の真下の地面から強烈な勢いで水が噴き出した。
「アブブブブブ!ちょっと。。。水圧がキヅイでずね。」
周三は噴水に体が飲み込まれて息が苦しかった。
「水圧弱めてもいいけれどそれだとびしょ濡れになるだけよ~。」
「ブブブ。。。ガマンじます。。。」
「はい。終了~!どう?綺麗になったでしょ~。」
「確かにキレイになりました。でも、水に濡れて寒いです。」
「は~い。では。。。風よ。砂漠に吹く風よ。
汝につむじ風を吹きつけ給え!ヒーテンホワウィンド!」
「うわ!ドライな風が俺を包み込んでます。
めっちゃ肌が乾燥して荒れそうっす!それになんだか喉が渇きます!」
「はい!終了~!シュウってクレーマー気質なのかな?」
「いや、率直な感想を述べただけです。
本当は感謝しています。すごくパリッと仕上がりました。」
「はい。では、花の香もお付けしますか?」
「あ。それは大丈夫です。。。いや、一応、つけといてもらえますか?」
「オッケー!サービスで付けておくよ~。
肥沃なる大地に咲く花。香り立つ芳香。キンモクセイの甘い香りよ。
汝に纏え。ゴールデンウッドフローラル!」
「ああ~。フワッと甘い香りが立ち込めますね。
なんやろ。トイレの芳香剤みたいな香りがします。」
「もう~!やっぱりシュウってクレーマーなのね。」
「いいえ。率直な感想を述べたに過ぎません。感謝してます。」
「余計な事を言わない方がいい。それが処世術ってものよ~。」
「はい。わかりました。リリー先生。」
「素直でよろしい。」
リリアンが西の方角を凝視した。
「シュウ。なんか。シュウの聖剣が空中で揺れながらこっちに来てるよ。」
「ああ。気にしないでください。俺のちょっとした術です。」
「フ~ン。誰かが手にもって走ってるような動きをしてるね~。」
「俺ってまだ術が未熟だからっすかね。」
周三はエービンスに聖剣を手渡されて受け取った。
エービンスは左目に吸い込まれていく。
周三は受け取った聖剣を腰の鞘に納めた。
「シュウ。いま誰かから剣を受け取ったような素振りをしていなかった?」
「え?そんな風に見えました?丁寧に剣を扱っただけっすよ。」
「へぇ~。ま、どうでもいいんだけれどね~。」
「それよりリリー先生!先生の言葉を信じて
竜騎士の皆さんを無慈悲に甚振らせて頂きましたけれど
大丈夫なんですか?普通はあんな事をされたら死亡すると思うんです。
むしろ死んでないと不自然です。絶対に死んでないとおかしいです。
でも、ギリギリで生きてたりとかしてないかなぁ。
俺、人殺しとかになりたくないんですよ。この国って少年法とかあります?」
「この国の少年法はたぶん10歳までは刑事罰は無しよ~。」
「ちょ!俺、アウトですやん!塀の中のお勤めなんて嫌っすよ。
勇者なんて、しがない公務員なんですから
犯罪で起訴されたら確実に失職しちゃいます。
魔法学園で、ほとぼりが冷めるまで匿ってもらえたりしないですか?」
「別にいいよ~。いっそ名前も変えて
魔導士を目指して心機一転、一から頑張ってみるかい?」
「それいいっすね!
俺って勇者より魔法使いが性に合ってる気がずっとしていたんです。
今回は魔法使いになるいいきっかけだったのかなぁ。
新しい名前も考えておかないと。
シュウベルトとかシュウマッハとか格好いい横文字な感じにしたい。」
「プププププ。シュウは心配しすぎよ~。竜騎士は全員が死んでないってば。
シュウって若いくせに心配症だね~。マジウケル。」
「え!?マジで竜騎士の皆さんは全員死んでいないんですか!?
そっか。嘘みたいな事ですが本当の事なんですよね。助かったぁ~。
だって、知らない土地で失業して無収入になるとかマジで怖いっすもん。
でも、竜騎士ってすごいなぁ~。すごく不死身なんだなぁ~。」
「そうね。でも、あたいも復活の呪文を使うのとか久々だから緊張する。」
「。。。。リリー先生。いま復活の呪文とかって言いませんでした?」
「うん。言った。復活の呪文って今言ったよ。何か問題ある?」
「ああ。。。いや。。。まぁ、いいのかな。
復活っていう言葉には色々なニュアンスがありますしねぇ。
その結果がみんなが笑い合える未来なら
その過程については俺は問いません。
本当は死んでいるとか死んでないとかは些末な問題だと今思いました。」
「そう。それではさぁ、竜騎士どもを復活させる前に
今回の戦いについての反省会をしようよ~。」
「へ!?反省会っすか?何か俺の戦いに問題がありましたでしょうか。」
「うん。一応、問題点はいくつかあったよ。
魔法学園に入学したあともその問題点は役に立つと思うんで~。
問題点は知っててもらってた方がいいかな~と思った。」
「そっすか。立ち話もなんですし竜騎士さんたちが
座っていたソファーを使わせてもらいましょ。」
「ソファーが残っててくれてラッキーだね~!」
周三とリリアンはソファーのある場所に歩き始める。
パラソルは激しい攻撃による地面の揺れが原因で横に倒れていた。
「竜が近くにいるからソファーのあるこの辺りを破壊しないでくれましたね。
でも、ソファーの近くのあの大きな穴が
目に入りますが見ないようにしてください。
神主姿のお兄さんがペチャンコになっているはずなんで。」
「あたいはグロいの苦手~。絶対に見ないからね~。」
「俺もグロいのとかってすんげぇ苦手っす。
Hな映像はモザイクは有りか無しかって言えば有り派ですもん。」
「モザイクって模様の事だよね~?」
「そっすね。春画は大事な部分を模様で隠している作品を俺は好みます。」
「あれ~?そういう話って女性にあんまりしない方がいいんじゃないの?」
「え?こっちの世界にもセクシャルな話題は女性にはご法度ですか?」
「う~ん。魔法学園って女生徒が多いから
そういう話はやめておいた方がいいよ~。人によっては嫌われちゃうよ~。」
「嫌われてもいいっす。俺は下ネタが嫌いな女が嫌いなんで。」
「シュウってビッチは嫌いなのに下ネタが好きな女が好きって矛盾してない?」
「あ!まず、その話題について議論します?
思春期の男女特有の歪な恋愛観については俺はかなり熱く語りたいっす。」
「ちょっと。マジウザい。そこをまず反省して欲しいかな~。」
「ああ。リリー先生はもう思春期の恋バナできる歳じゃないのか。」
リリアンは周三のお尻を回し蹴りした。
「すんません!俺が悪かったっす。真面目に話をしましょ。」
周三とリリアンはそれぞれのソファーに腰を下ろした。
「では、竜騎士たちとの戦闘でのシュウの問題点を挙げていきましょう。」
「はい。リリー先生。ご指導よろしくお願いします!」




