表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
選ばれた勇者らしい。  作者: Cookie
111/118

竜神の鎧

 周三は真昭の刀で真昭を地面に串刺しにして動きを封じた。


 黒く肌が変色した2匹の鬼が周三の横を通って真昭の元へ駆け寄った。

刀が突きさされ地面に固定されている真昭に向かって

剛鬼が金棒を大きく振りかぶって振り下ろした。

真昭が固定された場所の地面から大きな土煙があがった。

続くように斬鬼は斬馬刀を振り下ろす。

大きな衝撃で地面から土煙がまた上がった。


 真義は黒鬼たちを追って駆けていた。

黒鬼たちが周三をすり抜けて真昭の元へ向かっていくのが見えた。

「小僧の狙いは真昭であったか!」

真義は歯ぎしりした。

黒鬼たちが真昭を滅多打ちにし始めたのを

真義は目撃するとある覚悟を決めた。

真義は白竜の爪で作られたという神刀【爪玉】を鞘から抜き放って

神刀の刃を自身の顔に向けた。

「白竜皇よ。左目をくれてやる!だから力をよこせ!」

そう言って真義は左目を神刀の刃で切り刺した。

真義の左目から血が目からあふれ出た。

その血が水銀のような物質へと変化して真義の体を覆い始めた。

真義の体を覆った水銀のように変化した血は形を成して

立派な意匠の白銀に輝く西洋鎧となった。

鎧の背中からは白銀の竜の翼が生えていた。


 強烈な神気の波動を真義のいる方向から周三は魔眼で感じて足を止めた。

「クソッ!あのおっさんも神降ろしみたいな事ができるのかよ!

なんだあれ?おっさんにめっちゃ後光が差しとる光っとるやないか。

え!?羽まで生えてる!ウソん!

それって飛べるって事とちゃうんか?邪魔くさすぎる!」

真義が翼を大きく広げるのが見えた。

「ヤバい。こりゃ詰んだか。なるほど。俺が勇者と名乗る時が来たかな。」

周三も覚悟を決めようとしていた。

真義は翼を大きく羽ばたかせると姿が消えた。

「うわぁ~!なんかすげぇこえぇ!」

強烈な神気が接近するのを魔眼で感じて周三は身構えた。

周三は神気が後方に通り過ぎたのを感じた。

そのあとに強烈な風が前から吹いてきた。

周三は後ろを振り返ると

真昭を滅多打ちにしていた剛鬼と斬鬼の体が

バラバラに切断されて周囲に四散して消えていくのが見えた。

「おっさんは俺をバケモノって言ったけれど

バケモノは俺じゃなくおっさんの方じゃないかよ!」

真義の姿は動きが速すぎて通常目視では捉えられない。

周三は魔眼を集中させながら加速スキルを

随時発動しながら周囲を警戒する。

周三は加速スキルによって周囲がスローモーションように

見えているにも関わらず真義の動きはその上をゆく速さだった。

真義の気配を感じて魔眼で姿を捉えて気合いを入れて魔力を発散させた。

周囲に衝撃波を発生させる事で敵を牽制する【発破】という技である。

周三は首に衝撃を覚えた。

真義は西の空から一気に下降して低空飛行で周三に急接近。

周三が周囲に放った衝撃波をものともせずに

居合斬りで周三の首に刀をまともに打ち抜いた。

周三は鉄壁スキルで衝撃を殺しきれずに体が宙に吹っ飛んだ。

「ぐぅっ!マジか!?」

周三の体は東の方向に吹っ飛ぶ。

周三が吹っ飛んだ先に真義は超高速飛行で先回りして

周三の背中を居合斬りで斬りあげた。

周三は背中からはっきりと痛みを感じた。

「うわ!痛ってー!ヤバすぎる!痛い!」

上空高くに舞い上がった周三を真義は急上昇して先回りすると

上空に舞い上がってくる周三に向けた左手を向けた。

「小僧!死ね!白竜皇威光弾!!!」

真義の左手から光の速さを超える強烈な威力の白く太い光線が放たれた。

周三は光線を防ぐ手段もなくまともに光線を浴びた。

光線の衝撃に飲み込まれて光線とともに地上にすると

広範囲で土煙が高く舞い上がり地鳴りが周囲に鳴り響いて地面が揺れた。

土煙が収まるとクレーターのような巨大な穴が広場に姿を現した。

「小僧は肉片も残ってはおるまいて。」

真義はそうつぶやくと上空からクレーターの中央に着地した。

クレーターの中には周三の姿は無い。

「やはり光線の威力で小僧の体は蒸発してしまったか。

さて、女子供に手だしするのはわしの性分ではないが

あの魔術師を締め上げて何者なのか吐かせねばのう。」

真義は南の方角を見渡しリリアンの姿を探し始めた。

リリアンの姿を確認して翼を大きく羽ばたさせて飛行しようとした。

しかし、真義は飛び上がれない。

「ん?なんじゃ?」

真義は自分の足元を見た。

地面から何者かの手が突き出ており真義の右足の足首を掴んでいた。

「小僧!生きておったのか!信じられん。貴様は何者じゃ!?神か!?」

手からは黒い瘴気が発生していた。

グギャ!っと真義の足首から鈍い音がした。

「ぐあああああぁああああああああああ!!!」

真義は足鎧の装甲ごと足首が握りつぶされていた。

あまりの痛みに真義は地面に尻もちをついた。

「離せ!足を離せ小僧!」

真義は左足のかかとで右足を掴む何者かの左手を何度も何度も蹴った。

地面からもう右腕が突き出て真義の左足首を掴む。

真義は腰の鞘から刀を抜いて

何者かの左腕を切先で突き刺すが切先が刺さらない。

「なんだ!なんだ!なんなんだお前は~~~~!!!!」

何度も何度も真義は切先を左腕に突き立てたが刺さりはしなかった。

グキッ!っと真義の左足首から鈍い音がした。

真義の左の足首が握りつぶされて激痛が襲った。

「ぐぐうう。。。。うおおおおおお!!!!離せ!離せ!離せー!!!」

真義は左手に神気を集めて光線を撃とうとした。

すると、周三の頭が地面から突き出た!

「小僧!やはり生きておったか!」

「おっさん。芝生を手入れしてくれている職員さん達に土下座して謝れ。」

「ほざけ!小僧!白竜皇威光弾!!!」

真義は左手で至近距離から周三の顔に向けて光線を放った。

周三はシャワーを顔に浴びているような顔をして頭を揺らした。

光線は打ち消されて霧散した。

「なんなんだ!なんなんだお前はよぉ。」

真義は泣きそうな声を出した。

周三の左目からは血のように赤い光が炎のようにぼんやり揺らめいていた。

スパンっ!!!という音と共に

周三の体を埋めていた土が四散して飛び散った。

泥まみれに汚れた周三の体が姿を現した。

周三の体からは瘴気が立ち上って体を覆い始めている。

「おっさん。お前ってチートプレイヤーか。

意味のわからんような火力を出しやがって。

マジで死ぬかと思ったぞ。

オンラインゲームならスクリーンショットして

運営に通報してアカウントを停止させたい気分だぜ。

まぁいいや。おっさん。もっと本気を出していいぜ。

俺もようやく体が温まってきた所だ。」

周三は真義の両足首を掴んでいた両手を離すと

左手で自分の右の肩を押さえながら首を回した。

周三は自分の体を凝視してガッカリした様子を見せた。

「おい。一張羅が汚れちまったじゃねぇか。このボケが!

クリーニング代はおっさんの国から後で請求するからな。

クソが!約束通りにボコボコにしてやるから本気で足掻いてみせろ。」

真義は恐怖で言葉が出ない。

足首を潰されて立ち上がれもしない。

周三にいま降参しても命が助かる気がしない。

本気を出したのに本気を出せと言われてる。

まったくの八方塞がりの状況の中で真義は必死で何をすればいいか考えた。

周三の顔を見上げると周三の両目からは狂気しか感じ取れなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ