表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
選ばれた勇者らしい。  作者: Cookie
110/118

 真昭が式神である赤鬼と青鬼を召喚し

赤鬼と青鬼に周三を討つよう命令した。

赤鬼と青鬼と共に真義も周三を討つべく鬼たちの後ろを走る。


 芝生で腹筋運動をして竜騎士たちを挑発していた周三は

鬼2匹と真義が向かってくるのを見て少し辟易した。

「うげ~。なんかすんげぇ邪魔臭そうなのが来たなぁ。」

周三が積極的に敵に攻撃しない事には理由がある。

加速スキル【神速】や絶対防御スキル【鉄壁】などの

周三独自のイメージ具現化スキルという特技は精神力を消費する。

周三には強い精神力はなく強い意志もなく運動不足で体力も無い。

意思の力がスキルの効果を強くするし精神力がスキルを維持している。

体力的にスタミナ切れを起こせば意思は低下し精神の集中は途切れる。

そうなってしまえばスキル効果は消えてしまう。

そういう不安定要素の強いスキルではあるが効果が強力なので

周三は依存してしまっているが長期戦はとても危険なのである。

周三は敵に対して余裕があるように装ってはいるが

長い緊張状態を回避するために

積極的な攻撃をせずに軽い運動などをしてリラックスしながら

休憩をする事で精神力と体力を温存しているのである。

スタミナ切れは周三の敗北濃厚になる。

もちろん疲れたら周三は自分が勇者であると

堂々と竜騎士たちに名乗る事で

先代勇者カンベインが残した勇者と敵対するものは豚になるという呪いを

盾にして全てをウヤムヤにする事で丸く収めようと考えている。

周三は魔眼を発動しているので鬼たちの構成術式も見えている。

「鬼の体内の人型の紙きれを損傷させれば奴ら消えるやん。

霊体具現化術だから紙切れ以外の部位に物理攻撃しても意味は無いか。

あの元気なおじさんと戦いながら鬼に対処したら疲れそう。

あのおっさんに強力なライフル銃で

頭を撃たれて精神力が劇的にすり減ってしまったからなぁ。

もうまともな攻撃を何発も受けたらスキルが突然に消滅して

うっかり死。なんて絶対に嫌やわ!

あの鬼たちの術式って穢れを嫌うのか。ああ。それは使えそうだな。」

周三は戦術が決まって芝生から起き上がった。


 周三の元に走ってきた赤鬼と青鬼はそれぞれの得物を構える。

赤鬼は金棒を頭上で振り回すと周三に金棒を振り下ろして攻撃した。

「わぁ~!マジで邪魔臭い!」

周三は金棒の強烈な打撃をディアナ仕込みの体捌きで動きでひらりと躱す。

金棒が地面に当たると地面を抉ったような大きな穴があき土煙があがる。

周三が体を躱した位置を狙ったように

青鬼の斬馬刀が横なぎで襲ってきた。

青鬼に鋭い斬撃も周三は後方に飛び退いて躱した。

鬼の攻撃は動きが大きい為に軌道が読みやすい。

周三は加速スキルを使わなくても避ける事が出来た。

真義が刀を鞘に納めたままで高速走りで周三の死角に回り込んで

直角に方向転換し強い踏み込みから居合斬りを打ち込んできた。

魔眼で真義の動きを把握はしていたが

周三にとっても予想外に素早い斬撃だったため【神速】でなんとか避けた。

「おじさんって強いな!けど、あとで俺がボコボコにしてやるからな!」

「小僧!ほざくな!このバケモノめ!

お前いま消えたように見えたがどうやって避けた?

まったく。手品じみたことをしよって!

わしの居合斬りを初見で躱す人間がおるなど信じとうはないわ!」

周三は攻撃はせずに鬼や真義の攻撃を退き気味で避けながら

どんどんと西へ西へと移動する。

「逃げてばかりでは勝てんぞ!小僧!」

周三は鬱陶しいそうな目を真義に向けた。

「うるさいなボケ!鬼さ~んこちら♪手のなるほうへ♪」

「はて?小僧は何か企んでおるのか?」

周三の不自然な行動を見て真義はそう疑問を抱いた。

真義は警戒を強化しながら何度も避けられてもめげずに斬撃を繰り返した。

周三は西方向に走り出した。

「小僧め。やはり何か策があるようじゃの。」

真義は足を止めて鬼が周三を走って追うのを観察するという選択をした。

この瞬間を周三が待ちに待っていた好機だった。

周三は右手と左手でそれぞれ同時に2つの魔法陣を空に描いた。

魔法陣が構築されると起動式を書き込んで

大量の魔力を圧縮して魔法陣に送り込んだ。

手のひらに魔力球体が発生して球体の周囲を起動式が取り囲んでいた。

「まさか。小僧は魔法まで使えるのか!?」

真義は魔法で鬼たちを攻撃するのだと予想した。

魔法攻撃は霊体部分に対しては有効な攻撃方法であるとはいえないが

圧倒的な火や雷魔法ならば式神の形代を焼く事ができる可能性はある。

風の魔法や水魔法は形代を切ったり

濡らして損傷させたりできる可能性もある。

周三は強力な分解消滅魔法が攻撃で使える唯一の魔法。

周三は紙の形代の位置は赤鬼も青鬼も胸の中央の辺りあるのを魔眼で確認した。

形代の位置に魔法を打ち込めば一瞬で形代を消す事が出来るはずだった。

駆け足で向かってくる赤鬼に周三は全速力で急接近した。

赤鬼が金棒を振り上げた瞬間に右太ももに消滅魔法の球体を右手で押し込む。

魔法式が起動したが

霊体を物理的な形で分解する事などできるはずもなく魔力がただ霧散した。

「次は青鬼か。」

周三は左横から斬馬刀を薙ぎはらうように斬撃してきた青鬼を目視した。

周三は頭を低くして斬撃を避けてそのまま前に大きく踏み込んだ。

周三は青鬼に接近して左手にある消滅魔法を青鬼の左膝に押し込んだ。

青鬼の右膝に押し込まれた消滅魔法も何も起きずに霧散した。

「小僧。何か企んでいると察したが小僧の奥の手は魔法か。

しかし、魔法の効果範囲に形代が無かったようじゃのう。」

真義は事の一部始終を冷静に観察して周三の魔法攻撃は失敗したと判断した。

赤鬼と青鬼は停止して動かなくなった。

「ん?」

真義は鬼の様子がおかしい事に気付いたが原因がわからない。

周三の姿もいつの間にか消えていた。

「もしや!小僧に謀られたか!」

真義は自分が油断した事を悟って周囲を見渡した。


 真昭は地面に翡翠を7つ置いて北斗七星を形作った。

12枚の紙でできた形代を北斗七星の周りに円を描くように置いた。

腰の儀式刀を抜いて、儀式刀を縦横に移動させて空を切りながら

「青龍・白虎・朱雀・玄武・勾陳・帝台・文王・三台・玉女」

真昭は目を瞑って集中しながら繰り返し陰陽九字を唱え続けた。

真義から武運を祈祷しろと言われたが真昭は別の目的の祈祷をしていた。

真昭は十二天将から一柱の神を選び

ここに顕現させる為の祈祷していたのだ。

「お兄さん。なにしてんの~?」

周三の声が近くで聞こえて真昭は目を開けた。

「なぜ!なぜ貴様がここにいる!父上はどうした?」

真昭は儀式刀を中段に構えた。

儀式刀とは言えども竜騎士のはしくれである真昭の刀は

相当な業物であり、むしろよく切れる刀である。

地面の円陣を魔眼で眺めた周三が真昭の目を殺気を込めて睨んだ。

殺気を感じて殺されると思った真昭は前足を大きく踏む込む。

「トリャーーーー!!!」

そう叫んで真昭は思い切り刀の切先を押し出して

周三の喉を突こうとした。

周三は左腕の小盾を使って刀を上に弾いた。

「反応が遅すぎ!ほんでお前は死刑!」

そう言って周三は真昭の大きく開き切った股を【爆】の呼吸で蹴り上げた。

ドッ!っと思い音の後にスバンッ!と何かが弾ける音がした。

真昭は股間を強く押さえながらその場に倒れこんだ。

「お。。。おっおっお。。。お~~~~!!!」

悲鳴を上げたくてもあまりの痛みに声が詰まって声が出ない。

真昭の顔は脂汗が一気に噴き出てテカテカになっている。

真昭の表情はとても苦しそうで、とても悲しそうで、とても切なそうだった。

「こそこそと神降ろしとかやってんじゃねぇよ!!!

神が荒ぶってこの都市にシャレにならない被害が出たらどうすんだよ!」

周三は落ちている真昭の儀式刀を持ち上げて真昭に切先を向けた。

「う~。う~。やめ。。やめてくれ。」

うずくまっている真昭を蹴って仰向けにすると

周三は真昭の鳩尾に思い切り儀式刀を突きさして切先は地面深くまで貫いた。

「ぐは!ゲブゲブゲブゲブ。。。。」

真昭は血の泡を吐いて手足をバタバタさせるが鳩尾に刺さった刀が

地面にまで貫ていて固定されて動けない。

周三は聖剣を抜くと、無表情な顔で真昭の右肩に剣を突き刺した。

「ぐお!ぐおおお!ゴゴブぶぶ!!!」

真昭はあまりの激痛に白目をむいた。

真昭の端正な顔立ちは歪み切った表情で見る影もなかった。

周三は次は左肩に聖剣を深く突き刺して手首をひねる。

「ぐぶううぅう。」

次は右の股関節を聖剣で貫き。左の股関節も聖剣で貫いた。

「ぐがぁぁl!!!。。。。。グフ。。。ゴブブブブ。」

周三は聖剣を鞘に納めた。

「お兄さん。わかる?

手足も動けなくしたから絶対にここから動けない。

お兄さんなら知ってるだろうけれど。呪いってのはさぁ。

自分に返ってくるって世間では言うやんか。

お兄さんの鬼さんたちに俺はささやかな魔法をかけたんだ。

対象に物理的な分解を強制的に実行する魔法なんだけれど

鬼さんは霊体だからもちろん効かなかった。

その魔法は魔王ルシカルが作った魔法で属性が闇でさ。

闇属性には毒属性が付与されてんだよ。

この毒属性っていうのは

物理的な毒ではなくて概念の具現化っつうか。

簡単に言えば毒という効果の呪いなんだ。

魔力も魔法も闇属性も開発者も全部穢れてる。

はっきり言って穢れの塊だよ。

式神は穢れを嫌うものだから闇魔法の毒で

式神の鬼は術式が侵食されて変化しちまった。

呪い返しって感じの技法だと思うんだけれど。お兄さん聞いてる?」

真昭は意識が朦朧とした様子であり

周三の話を理解したかはわからない。

周三は真昭から目を離してリリアンに目を向けた。

リリアンは胡坐をかいていて

スカートの中の下着が見えそうだった。

しかし、絶妙な角度で下着が隠されていて周三には下着が見えなかった。

周三はリリアンに軽く手を振ったらリリアンも周三に手を振り返した。

「シュウ~~~!知ってる~?勇者ってのはね~~!

蹂躙!虐殺!勝利!が定番の三原則なんだって~!

うちの学園の学園長が前に言ってた~!」

リリアンが周三に大きな声で叫んできた。

「勇者って軍事独裁者かよ。まぁ、少なくとも今日はそうなのかもなぁ。」

周三は小声でそうつぶやいた。

周三は今の自分の行為に対しての後ろめたさで

リリアンの発言を強く否定はできなかった。

だから、今回、胸糞の悪い汚れ仕事をけしかけたリリアンに対して

周三は右腕を大きく上げて右手の中指を立てて抗議を示した。

リリアンも右手の中指を立てて笑顔で口からベロを出して周三を挑発した。

周三は西に目を向けた。

次は真義に制裁を加えるべく

周三は真義のいる西の方向に向かって走り出した。

西からは赤鬼と青鬼が周三の方向に向かって走ってきていた。

赤鬼と青鬼の肌は真っ黒になっておりどっちも黒鬼になっていた。

そして、2匹の黒鬼は周三に目もくれずに

周三のすぐ横をすれ違うと真昭に向かって真っすぐに走って行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ