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選ばれた勇者らしい。  作者: Cookie
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結界

 動けない真虎を周三は聖剣を刺して甚振る姿に

真義は怒りを露にしてライフルで周三の頭部を狙って発砲した。


 頭に何かが当たった気がした周三は足元を見渡した。

芝生の上に黒い銃弾のようなものが落ちていたので拾った。

「おっちゃ~~~ん!鉄砲を撃った~~?

人様に銃を撃つなんて犯罪ですよ~!死んだらどうしてくれんのじゃ!

おのれら!しばきたおしてボコボコにしたるから早くかかってこいや!」

周三は地団駄を踏むながら真義に向かって大声で叫んだ。

「馬鹿な!?竜のうろこをも軽く貫く竜牙弾が効かんのか?」

真義の顔に緊張感が走る。

「父上!」

真昭が真義に声をかけた。

「真昭。お前がさっき提案した作戦で行こう。」

「はは!では、早速、竜に騎乗致しましょう!」

「おう!」

真義と真昭は竜に騎乗しようと竜の前に駆け寄った。

2頭の竜は主人を乗せるために伏せようとした瞬間。

「我が真名をもって絶対零度の凍結を発せよ!

シンバルガルアイシングフロージア!」

リリアンが両手を天に掲げて呪文を唱えた。

広範囲に魔力の波動が広がると

空一面に巨大な魔法陣が顕現した。

「魔法だと!?あの小娘は魔術師であったか。」

真義は横目でリリアンを一瞥した。

「父上!竜が凍っております!」

「何だと!!!魔法の力か!」

三頭の竜が見る見るうちに凍結していく。

竜たちはただの真っ白な氷像になってしまった。

「シュウ~~!これでノルマは果たしたよ~!」

リリアンは周三に向かって大きく手を振った。

「サンキューです!マイサーヴァント~!」

周三もリリアンに手を振り返した。

「竜を一瞬で凍らすだと!?あの小娘も小僧と同じくバケモノの類か。」

真義は今置かれてる状況が思っていた以上に大ごとであると悟った。

「わたくしはあの少女を何とかしましょうか?」

真昭は真義に提案した。

「落ち着けバカモン!バケモノ相手に戦力を分散してどうする。

小娘は無視しろ。小娘が本気ならわしらはとっくに氷像になっとるわ!」

「はは!」

周三が真義たちのいる所にゆっくり歩いて近づいてきている。

真昭はソファーの近くに置いていた矢筒を背負って弓を手に持った。

「わたくしが結界を張って少年の動きを止めますので

父上は腰の御神刀で少年にトドメを刺してくださいませ!」

「あいわかった!わしが小僧を引き付けてる間に準備せい!」

「はは!」

真義はライフルを構えて周三を撃ちながら西方向に走り出した。

周三は魔眼で弾道を予測して加速スキル【神速】で弾を避けた。

「もはや、弾が掠りもせぬか。本当にあの小僧は何者じゃ?

相手の立場もわからんのでは不用意に降参も出来ん。

足掻いて足掻いて足掻きまくってそれでも駄目なら是非もなし。」

真昭は人型の紙の形代の束を懐から出すと空中に放り投げた。

形代の束はバラバラに飛びながら

空に浮かんで浮遊し四方に連なって四角い陣を作った。

真昭は両手で印を結んで呪文を唱えだした。

「青龍・白虎・朱雀・玄武・勾陳・帝台・文王・三台・玉女

四柱神の守護を持って縛となす!急急如律令!」

呪文を唱え終わると真昭は天に向かって破魔の矢を放った。

「やったぞ!」

矢は空中で制止し、その矢を中心に

形代が整然と並んで四角い結界を構築した。

「父上!もう少年は動けないはずです!」

真昭は形代に「結界構築成功」と指で書いて真義に飛ばした。

結界内にいた周三は何かの術が発動した事に魔眼で気付く。

形代が飛んできて、それを掴んだ真義は結界が構築された事を知る。

「真昭でかした!」

周三は立ち止まり動きが止まってピクリとも動かなくなった。

真義はライフルを地面に置くと腰の刀を抜き放った。

「いくら小僧がバケモノであっても

ハインベルトの守護竜『白龍皇』の爪を鍛えた神刀『爪玉』は

防ぎきれまいて。小僧!覚悟せい!」

真義は刀を振り上げると

ありえないような速度で移動しながら周三に急接近した。

周三の顔がはっきり見える位置まで接近した真義は

急に方向を変えて真昭の方向へ走り始めた。

「父上!どうなさいました!」

真義は慌てる真昭の前に立つと真義は真昭の胸倉を掴んで持ち上げた。

「おい!動きを封じる為の結界の構築ができたというのは嘘か!」

真義の顔は怒りで顔を真っ赤にしていた。

「何をおっしゃいます!結界の術式は完璧でございます。

術も完璧に起動いたしました。何を根拠にお疑いなさいますか?」

「口笛。。。あの小僧。。。口笛を吹きながら目が笑っておった。」

「それはなんと!?父上の見間違いではございませんか?」

「真昭!口を慎めい!わしが言うておるのじゃ!

すぐに結界を確認せい!」

「はは!すぐに!」

真義は真昭の胸倉を離した。

真昭は呼吸を整えて両手で印を結んだ。

「青龍・白虎・朱雀・玄武・四柱神よ。我が問いに応えたまえ!」

真昭がそう叫んだとたんに空に浮かんでいた形代が風に飛ばされていく。

空に浮かんで停止していた矢が落下してザクッと地面に刺さった。

「真昭。これはどういうことか説明してみろ。」

「父上。。。こ。。。こんなことがありえるのでしょうか?」

「あるから訊いておるのじゃ!可能性でもいいから言うてみい!」

「四柱神が自ら結界を解除いたしたとしか考えられません。」

「なぜじゃ?」

「あの。。。あの少年と敵対しないという意思かと。。。」

「なに~!おい!高位の神格があの少年を恐れてるってのか?」

「恐れているかはわかりませんが少年と関わりたくないのは確かかと。」

「おいおい。わしらは何と喧嘩しとるんじゃ?不安になってきたぞ。」

「ここは一旦、少年と和解した方が賢明かと思いまする。」

「そんなことが出来るならとっくにしとるわ!

小僧を見てみろ!芝生の上で腹筋運動を始めとるぞ!

結界で体が固まっているフリももう飽きたといった様子ではないか。」

「クゥ!なんと無礼な!許せません!」

「あのような人をなめきった態度でわしらを煽ってきよる。

小僧はなぁ。わしらをただ甚振りたいだけなのじゃ!

真虎のあの無残な姿を見たらわかるだろうが。

和解したらところで無慈悲な拷問と死が待っとるぞ。」

「では、今、出来る最善の戦いをするしかありません。」

真昭は懐から2枚の形代を出すと両手に持ちそれぞれに息を吹きかけた。

形代2枚を地面に置いて右手を縦横に移動させ空を切った。

「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前。

霊神に剛鬼・斬鬼の召喚を願い奉る!急急如律令!」

地面の形代から霊気が立ち上ると

3メートルはあろうかという2体の鬼が姿を現した。

金棒を持った赤鬼と斬馬刀を持った青鬼であった。

「剛鬼!斬鬼!あの不埒ものを討つべし!」

真昭の号令とともに赤鬼と青鬼が駆け足で周三の元に向かっていく。

「真昭はせめてわしの武運を祈祷でもしておれ!」

「はは!」

赤鬼と青鬼の後ろを追う形で真義も走り出した。

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