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選ばれた勇者らしい。  作者: Cookie
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東方からの来訪者

 周三とリリアンはカノレル雑貨店を出た。


 周三とリリアンはカノレル雑貨店の前で立ち止まる。

「どこに連れていってくれるの?」

「どうしようか。西に行こうかなぁ。

この辺じゃ、俺ってバレやすいもん。

議事堂の西にある町には大きな百貨店があるらしいんです。」

「そこに行った事ある?」

「ない。」

「え~。道に迷ったらどうすんの~。」

「そうですね。リアさんに訊いてみます。」

周三は振り返るとカノレルの入り口まで

見送ってくれているリアに近づいた。

「どうかしたの?」

リアが不思議そうな表情を浮かべた。

「すみません。百貨店に行こうと思うのですが

西の大きな百貨店に行くにはどう行けばいいですか?」

周三はリアにそう訊ねた。

「あっちの方に行くのね。道はそんなに難しくないわよ。

議事堂前の大通りを議事堂を超えてずっと真っすぐに行くと

とても大きな交差点に出るからその交差点で

右側の歩道を歩いて北に向かうと一際立派な建物が見えてくるわ。

見たら百貨店ってすぐわかるはず。そこがフェントヴェネア百貨店。

色々な国の品物が売っているから

中の店を見てまわるのもきっと楽しめるはずよ。」

「ありがとうございます。」

「リア~、サンキュ。シュウ、行こう。」

周三とリリアンは店の南の通りを西に向かって歩き出した。


 「シュウの左腕って盾がついてるから腕を組んでも

しっくりこない。右腕にする。」

リリアンは周三の左腕から体を離すと

周三のマントから右腕を引っ張り出して腕を絡めた。

「もう、どっちの腕でもいいですけれど

朝だからまだ涼しいですけれど昼は暑いので

マントを着て体をくっつけられてたら暑苦しすぎですよ。」

「いい女がイチャイチャしてくれてるのに文句を言うなんて

レディーに失礼よ。あたいが暑いと感じたら離れるわよ。」

「リリー先生は美人である事は100%認めますが

リリー先生って清純さが足りないんですよ。」

「女なんてみんなビッチよ!

貞操なんて守ってたらすぐおばちゃんになっちゃう。

花の命は短いものなの。命短し恋せよ乙女。」

「先生。。。。理屈はわかりますよ。

清純派アイドルとか言いながら水着グラビアでセクシーポーズを取って

落ち目になるとアダルトなビデオに出たりしますからね。

先生が言う女の理屈っていうのはわかるんです。

それはわかるんですが年齢不詳の先生が言ってもなんか説得力無いです。」

「あたいは年齢不詳ではなく年齢を言わないだけ。訊かれても言わない。」

「それを世間では年齢不詳って言うんです。」

「フ~ン。えっと、アイドル?グラビア?ビデオ?何それ?」

「ああ。言い直しますね。清純派少女な処女と嘘をついていながら

半裸の絵のモデルになってその絵が売れないと春画のモデルになる。

女性はしたたかな生き物であるというのはわかります。

だって人間ですもん。自分の利益のために嘘もつくし

目先のお金のためにビッチ丸出しな行為も

仕事だからと割り切ってするのでしょう。現実的で夢が無い。」

「だってそれが仕事なんでしょう~。

夢見る童貞のために体張って演じてるなんて偉い女性だよ~。

シュウって冷めているのね。女に騙されないタイプなのかな~?」

「そうじゃないっす。

それがわかっていても男は女性に夢が見たいわけです。」

「男って馬鹿なの?」

「そう。男は馬鹿なロマンに生きる生き物なんです。

それに俺って童貞ですよ。まだ夢を見させておいてくださいよ。」

「手とか触れたら、キャッ!ごめんなさい。とか言って女は恥じらうとか?」

「そういう事です。」

「シュウ、それはあたいには罰ゲームだよ~。」

「そう思ってるリリー先生は童貞にはモテないタイプですね。」

「あたいは童貞にモテたいとか最初からおもってないよ~。」

「ああ。真面目な話していいですか?」

「なに~?急に真面目な顔してさぁ~。」

「さっきの話も俺には真面目な話だったんですけれどね。」

「ウザッ!シュウってウザいタイプ?」

「ちょっと、傷つくからそういう言い方やめて!」

「ごめんごめん。シュウはあたいをビッチって言うのに

自分が言われたら嫌なタイプなんだね~。」

「すんません。そうですね。

リリー先生にビッチだなんて言って俺も言い過ぎました。」

「わかればよろしい。それで質問って何?」

「それは『真祖』って呼ばれている悪魔についてです。

魔法学園の先生なら真祖について何か知ってるかなって。

今回の悪魔の暴挙は真祖に関わりがあるらしいんです。」

「へぇ~。それで真祖の何が知りたいの?」

「男性かとか女性かとかどんな魔法とか使えるのかとか色々です。」

「ふぅ~ん。性別はあって無いようなものよ。

真祖は子供を作らないんだから性別なんて飾りよ。」

「そうなんですね。」

「魔法は使わないんじゃないかな~。」

「え!?魔法は使わないんですか?」

「うん。だって真祖って自分の手を汚さないから。

使わない気がする。使えないんじゃなくて使わない。

使った記録が無いから使えるかすらわからない。」

「それじゃ真祖の目的とかって何なのでしょう?」

「真祖の目的なんて四禍しかないね~。」

「四禍?」

「そ。四禍。4つの災厄の化身であり4匹の強大な魔獣。」

「そんな魔獣がいるんですね。その魔獣をどうしたいんでしょう?」

「ザックリした質問だと話が長くなるから

要点だけ言うね~。真祖って悪魔じゃないよ。」

「え!?悪魔じゃないんですか?でも始まりの悪魔でしょ。」

「そもそも悪魔が生まれる前の存在だから悪魔ではない。

悪魔を作った創造神により生まれた存在だから

そう思われているんだろうけれど実際は別物だと考えられている。」

「悪魔じゃないならどういう存在なんですか?」

「世界の調律者みたいなもんかな~。」

「調律者?」

「大きな嵐とか地震とか流行病とか津波とか災害と呼ばれるものは

色々とあったけれどそういう災害が今の世界には無いの。

そういった災害で5大陸のバランスを調整していたのが真祖。

何故今は災害がないのか?カンベインが四禍を倒して封印したからで~す。

四禍を飼っていたのは真祖なんで真祖は手足をもがれたようなもの。

真祖はというとカンベインを恐れて雲隠れしてしまったわけ。」

「なるほどぉ。だからカンベインがいなくなった今、活発に動き出したと。」

「そうだろね~。カンベインはこの世界を暴力で歪めて平和にしたからな~。

その歪みを正そうとする勢力もある可能性もあるし

真祖とそういう勢力が手を組んでもおかしくないかなぁ~。」

「ふむふむ。四禍が奪われると多くの人が大変な目に合いますよね。

それはなんとしても防がないと。

それでその四禍の居所って知られてるんですか?」

「知られてるも何もこのフェンティーア都市国家に四禍は封じられているよ。

機密だったのに誰かさんが機密を公に公表してしまって

封印まで解く計画があるんだってさ~。」

「マジっすか!?そんな悪だくみが進行中だったなんて!

やはりユンディー教団が黒幕ですかね?」

「は?張本人はあんただよ~!」

「。。。。え?俺?何を言ってるんですか?リリー先生。

俺はそんな悪い事しません。冤罪ってこの世界にもあるんですね。」

「はぁ?無知って怖い。早く学校に入って勉強しなよ~。

四禍はね。ネヴェシスの体に封印されているんだ。」

「。。。何言ってるんすか。そんな。。。マジか。。マジっぽい。

うわ~~~!どうしよう!姫を解放するって

公で言っちゃったし!約束したし!他の人に封印を移すとか無いですか?」

「誰に四禍を移すんだ?シュウの体に移植するのかな~?」

「ちょっと待ってくださいよ。情報が足りなすぎます。

俺一人では判断が難しいっす。

今考えても混乱するだけなので考えるのやめます。

今日はウィンドウショッピングなどして現実から少し目を逸らしましょう。」

「逃げちゃうんだね。いいか。考える時間はまだあるんだから。」


 ドーム状の屋根が印象的な国会議事堂に

近づくと議事堂周辺は厳戒態勢が敷かれており警備の警官が大勢見えた。

「どうしたんだろう?」

周三は警官たちの緊張した様子が気になった。

「警官に訊ねてみたら~?」

「そうですね。ちょっと訊いてみましょう。」

周三は近くにいた警官に訊ねる事にした。

「すみません。何かあったんですか?」

「魔術士さんか。ああ。ちょっと慌ただしい状況なんだ。

詳しくは言えんが数騎の竜騎士将校が訪れていてね。

竜がいるので我々、警察は周囲を警戒している。

竜を刺激する者が現れでもして竜が暴れたら大惨事になるからね。

急な事だから通行止めはしていないが状況によっては

通行止めになるかもしれない。

西に行ったら帰りは少し遠回りして帰る事になるかもしれないよ。」

「そうでしたか。大変ですね。お気遣いありがとうございます。」

周三は警官に礼を言って別れた。

「竜騎士が来てるのか。竜とか見てみたかったな。」

周三はそう呟いて何も気にせずにリリアンと西に歩き出そうとした。

リリアンが足を止めたために周三は右腕が引っ張られた。

「リリー先生。どうしたんですか?」

「いやいや。どうしたんですかはあたいのセリフだよ。」

「え?」

「シュウは何で他人事なの?だって竜だよ。

この国に巨大な軍事力を持ち込んだ奴がいるんだよ。

武官であるシュウが行かないでどうするのよ。」

「え~!そんなの外交とかじゃないんですか?俺、政治とかわからないし。

そういうのは政治家さんたちにお任せしましょうよ。」

「何を呑気な事を言ってるの!

フェンティーア都市国家の心臓部に軍事力を持ち込まれているんだよ。

安全保障の危機だよ。シュウは危機感が無さすぎる!」

「う~ん。でも竜騎士って味方の勢力ですよね?」

「それを確かめて対処するのがフェンティーアの武官の務め。」

「そういうものですか。」

「普通はそう。」

「あまり目立ちたくないし、俺が出る方が話がややこしくなるでしょ。

リリー先生って面白がってそれを狙っていませんか?」

「そんなことないよ~。」

「じゃあ、竜騎士さんに話を聞くだけ聞いてみましょ。

ここに勇者がいるってわかったら議員さんたちに説明とか大変そうだなぁ。

邪魔臭い。本当に邪魔臭いわ。フードを深くかぶる意味も無くなった。」

周三は深く被ったフードを後ろに下げて頭を出した。

「シュウは偉い。仕事は大事だよ。仕事が終わったらゆっくり遊ぼう~。」

「竜を刺激する者が俺にならない事だけ今は祈ります。」

議事堂横にある広場に繋がる道をゲートを設置して道を閉鎖している。

ゲート周辺に大勢の警官が警戒しているという事は

広場に竜はいるのだとなんとなく予想はできた。

その広場への道を封鎖するゲートに向かって周三とリリアンは歩き出した。

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