きみとぼくとなつのひ
時の流れは本当に残刻で、僕はそれに嫌気がさす。
この前ようやく夏になったと思えば、もう過ぎ去ろうとしている。
頬を伝う汗をぬぐい、いつもの場所に行くと、『君』はもうすでに…。
僕はそこに膝をつき、落胆した。
なんということだ、君まで死んでしまったのか。
あふれだしそうな涙をこらえながら君を抱き上げる。
足はかくんと曲がり、もう動くことはなかった。
あぁ、なんて残刻なんだ…。
君の近くには、この前死んでしまった、彼や彼女の墓がある。
君も近くに埋めてあげるからね。
すぐ近くにあったスコップを手に取り、僕は地面を刺した。
そんな僕を日が照らす。
―ザクッ…ザクッ―
この作業をやっていると、まるで僕が君を殺したみたいに感じてしまう。
僕じゃない…、
―ザクッ…ザクッ―
君を殺したのは、時の流れだ!
―サクッ…ザクッ―
少し深く掘りすぎてしまったが、大丈夫だろう。
僕は優しく君を穴の中に入れると、ゆっくり土をかぶせる。
―サーッ…―
そこには小さな山ができて、僕はその作業を終えた。
そうだ、彼や彼女と同じように、墓標を立ててあげないと…。
僕はそこらに落ちていた石から、比較的平たくて、大きいものをとり、マジックペンを取り出し、こう書いた…。
『せみじろうのはか』と…。
その瞬間、こらえていた涙があふれ出す。
「さようなら…せみじろう…」
僕は立ち上がり、家に戻った。
以前書いたものを試しにアップしてみました。
突っ込みどころが多いですが、目をつぶってくださるとうれしいです。