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宝石の騎士様6

姉様あああああ!

私と離れたくないと言ってくれたのにいいいい



心の叫び虚しく、私は姉様と同じ部屋ではなく南側にある騎士の寄宿舎に泊まらなければならないらしい。私も抗議しようとはしたのだが、姉様にあんなふうに見られ、そんなふうに諭されては………どうしようもないではないか。

くそ、あの宰相これが狙いだったとしたら、許さん。何がなんでも、いずれその似非スマイルをボコボコにして殺る。あ、つい殺るってなっちゃったよ。てへぺろ。




「でも、大丈夫かしら。寄宿舎ってたくさんの騎士たちがいるのでしょう?この子、人見知りなので心配ですわ」




姉様が私の心配してくれてる!!

姉様あああ!!愛してますーーー!!!




「なに、寄宿舎にいけば人見知りする暇なんてありませんよ…………………来ましたね」




何が?と、聞く間もなく扉をノックする音と共にバタン!と扉を乱暴に開け放つ音が室内に響いた。

すかさず姉様の前にたって警戒をする。だが、扉から現れたの私と同い年くらいか、年下の男の子だった。



「ちゃーす!呼ばれて駆け出しだだだだーん!第三騎士隊のあげあげたいちょー、ヤハル君の登場ですよーん!」



…………………










は?




室内に満ちる微妙な空気をものともせずに、荒々しく入ってきた、この変人は部屋の中をキョロキョロ見渡してから宰相のもとへ走っていく。


「宰相さまさまー!こんちはーす!」


「相変わらずですね、ヤハル。…私が呼んだのはミハルのほうなのですが。何故あなたがきたんです」


「ミハルンはあー、我らが堅物たいちょーさんに呼ばれてしまったんすよおー。だから、俺っちが来たわけでぇっす!」



額を押さえて唸る宰相とは正反対に、このヤハルという少年はうざいほど明るい。宰相というのは、王族の次に城で権力をもつと聞いていたのだが 、この口の聞き方はなんなのだろう。

自分も決して礼儀があるとは言えないが、これはひどい。さすがにひどい。それ以上にうざすぎる。


関わりたくもないし、姉様に関わらせたくもない。姉様に悪影響が出るかもしれないやつは即効排除。これは私のなかでは絶対的なこと。

よし、こいつと姉様は二度と関わらせまい。

そして、早く部屋から出ていけ。


出ていけー、と念じながら少年を見ていたら不幸にも視線に気づいた少年がこちらを見てしまった。

やばいっ!と、おもったのは直感だったのかもしれない。すんーごく目をキラキラ、いやギラギラ輝かせながらこっちを見てる。




来るなよ来るなよ来るなよ来るなよ来るなよ、、、、、、、げっ!!!



案の定、面白いおもちゃを見つけた子供のような顔で変人はやってくる。せめて、姉様は守らねば!と、姉様を自分の後ろに隠す。



「わお!これは、なんともなんとも!きゃわゆいおにゃのこはっけーん!」


「きゃわゆい…?」


「デュフフフ!その困惑した顔がさらに…きゃわゆーいねぇーー!キミ、なまえ、、あいたーいん!」


「ミシェレア様にそれ以上近づかないで下さい」




不用意に姉様に伸びた手を全力で叩き落とす。

私が目を光らせているうちは、絶対に姉様に触れさせん!目を光らせなくても触れさせん!


目の前にきたこの変人は、よくよく見れば男にしては可愛らしい顔をしていた。(姉様には及ばないけど) 茶色、というよりは亜麻色。瞳は青々とした新緑の瞳をしている。まだ角張ってない丸みを残した輪郭は青年の域にまだ達していない少年期のもの。くりんとした瞳は、身長の関係で私からしたら若干上目遣いになっていた。

かろうじて、声は低めなので男だとわかるほど可愛らしい少女のような顔立ちだ。



女みたいな顔立ちだなあ。

だが、だからといって姉様には近づかせんぞ。



「むむむー……んん!!キミもけっこうきゃわゆーいねぇーー!キミ、名前は?俺っちは、ヤハル・グロウスっていうんだぁー!ヤハル、でも、ヤハルたんでも、やーにゃんでも、呼び方は何でもいいよぉ!あぁ、でもどちらかというと、やーくん☆って呼んでくれると嬉しすしすー!その、冷たい瞳ではにかみながら、やーくん、って呼ばれたら……俺っち、イチコロ!コロリと傾いちゃうよーん!」



「……宰相閣下、この変人…じゃない、この方は?」


「この変態…ではなく、このヤハル・グロウスは君が寄宿する第三騎士隊の隊員です」


「……それ、本当ですか」


「本当どぅえーす!!あ!もしかしてキミが、これから俺っちたちの寄宿舎にくる子??やったあ!こんなきゃわゆい子がくるなんて、ハピハピハッピー!」


「別の寄宿舎に入れませんかね」


「申し訳ないですが、空いてるのがそこしかないのです…」





最悪だ、、、と、目を向ければ今はハピハピハッピーダンスしちゃうよー!と、勝手に踊りだしている。こんなのと同じ寄宿舎とか無理。さらに言えばこんなのが隊員とか第三騎士隊のたかが知れるというもの。絶対に関わり合いたくなどない。




「うふふ、そのハピハピハッピーダンスって面白そうね。」


「じゃあ、一緒に踊っちゃう?!あ、キミ名前はー?」


「ミシェレア・アルバティアンですわ。ヤハルさん」


「アルバティアンってことはぁー、あーっ!!もしかして、あの堅物たいちょーのお友だちの第2部隊のたいちょーさんの憧れの第一部隊のふくたいちょーさんさんの妹ちゃん?!」





説明長いな!!

たいちょーたいちょーうるさいわ!

ふくたいちょーさんさんって何だよ、わざわざさんを2つつける意味もわからん。

ふつーに、第一部隊の副隊長の妹、でいいだろうが!




「お義兄様は副隊長をやっていらっしゃるのね。うふふ、私あまりお義兄様にお仕事の話をお聞きできなくて…ヤハルさんから見てお義兄様はどんな感じなのですか?」


「そうだネー、キミの兄様はそりゃあもう!女の子にモッテモテ!俺っちが、いいなーこのこカワイイナーって狙ってた子は、みぃーんなキミの兄様が好きでねえ…いつかあの澄ましたイケメン顔を崩してやろうと思ったか知れないヨー!アッハハハハッハ」


「まぁ、女性におもてになるのね。お義兄様さすがですわ」


「ほんとにネー、女の子にきょーみなさそーな顔してるやつに限って女の子にモテるって。ホントにネー、世の中理不尽にできてるよネー」






ニコニコと義兄に思いを巡らすミシェレア姉様と、何やらどす黒い雰囲気を醸し出す変人…

二種の違うオーラを醸し出しながら、宰相が止めるまで二人の義兄トークは続いたのだった。










区切りがうまくつけれなかった。

ミシェレアは、義兄のことが大好きです。今まで皆の姉として頑張ってきたので頼れる年上の存在というのが嬉しいです。

そんなミシェレアが義兄のことばかり言っているのでユエリナはそれほど義兄が好きではないです。いい人だな、でもミシェレア姉様は渡さん。といったところでしょうか。

ちなみに、義兄様はミシェレアもユエリナも大好きです。

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