プロローグ シスコンとはどういう人なのか
最初に言っておくべきことがある。
俺はシスコンではない。
それをふまえた上で聞いてもらいたいことがある。
シスコン……つまり、"シスターコンプレックスの定義"についてだ。
シスターコンプレックスとは、女姉妹に対して強い愛着・執着を持つ状態をいう。俗に「シスコン」と略され、この場合は、女姉妹に対して強い愛着・執着を持つ兄弟姉妹自体についても使われる。
これが某サイトに記してあったシスコンの意だ。
シスターコンプレックスは、特に「姉妹に対する恋愛的感情」や「自分のものにしたい独占欲」のある兄弟、と言う図式で捉えられマイナスイメージをともなうことが一般的になっている。
異性間に使われることが多いが、同性(姉妹に執着する姉や妹)にも使われることがある。この場合は、「姉を慕う妹」「妹思いの姉」としてむしろ肯定的に見られることが多い。
とも記されている。
では、なぜ「姉を慕う弟」「姉思いの弟」は肯定的に見られないのだろうか。
俺は断じてシスコンではない。
シスコンではないが、一度「シスコンだ」と言われたことがある。
たしかに俺は姉貴のことを悪くは思っていない。
良い暇つぶし相手になるからな。
恐ろしく天然な姉貴を、ちょっといじめるのは結構楽しい。
いじめると言っても決して暴力的なものじゃないよ?
制服の背中の部分に「315円」と書かれた値札を貼るなどのことだ。
「塩取って」と言われて砂糖を渡したけど、普通に食べてた時は焦ったがな。
後で、砂糖だったことを言うと
「だから、甘かったんだ!」
と、言われて何となく姉貴を心配してしまった。
……話を戻そう。
俺がシスコンと言われたということは、こんな俺と姉貴の関係に否定的な目線を向けているということになる。
俺は姉貴に強い愛着・執着を持っている訳ではない。
たとえ、「姉を慕う弟」「姉思いの弟」という意図で言っていたとしても社会的には否定的に見られるという。
では、何故シスコンは否定的に見られるのだ?
ここまで俺の主張を聞いた結構な人は答えに悩むと思う。
むしろ、自分の家族を大切にできる良い人ではないのかと思った人もいることだろう。
それなら、俺は決してシスコンではないが、
「シスコンはこの世に認められるべき存在だ」ということを主張したい!