ユイ 気になるアイツ
「ユイ、冒険者楽しいね」「ユイ宝箱一緒に開けようよ。」「ユイこれ美味いぞ。一緒に食べよう。」ことある毎にアイツは話しかけてくる。私は一応奴隷だと思うんだけど。でも私だけでなく皆にも同じだ。いつもニコニコしてる。
魔法の練習してる時もどうすれば良いのかと真剣に悩んでいた。特に私は魔法に触れた事が無くなかなか使えなかった。そうしたらアイツがいつも隣で一緒に悩んで試して励まされ、そして成功したら自分の事の様に喜んでくれた。そして優しく「良く頑張ったね。」と頭を撫でてくれた。人に優しくされたのは久しぶりだったから思わず胸を借りて泣いてしまった。最初は困った顔していたが泣き止むまで頭を撫でてくれた。
翌日は顔が見られなかったからリリー姉に「どうしよう。顔が見られないよ」と相談したが笑いながら「ユイ可愛い。」って言われた。「そうじゃなくて、アドバイスして欲しいんだけど。」と話しをしたら「今日、ダンジョンで宝箱が出たら一緒に開けたいって言ってごらん。」だって。そんなんでいいなら言うけど。
アドバイス通りにダンジョンを進んで行った。その間も「ユイ、ナイス。」とか「サンキュー。」とか話しかけてきて微笑んでくる。全く昨日の事を気にしてないからなんか腹立ってきた。ツカツカと近づいて脛を蹴っ飛ばした。私ばかり気にしてバカみたいじゃない。「ふんっ。」外方を向いてやった。
その後の休憩中に「俺何かやらかしたかな?」ってリリー姉やミカゲ姉とかに話して盛大に笑われてた。そんな感じでもボス戦になると顔つきが変わる。物凄いキラキラした顔でボスに突っ込んでいく。フォローするのも大変なんだから。と思いながら走り出そうとしたら突然姿が消えた。『魔闘術』そう名づけられた必殺技。それを使いあっという間にボスを切り刻む。間違えなくルリフェン族最強だった尊敬する父より速くそして強かった。その姿に目が奪われて動けなかった。「ユイ、フォローサンキュー。勝ったぜ。」Vサインしているアイツがいた。鉄製宝箱が出たと大騒ぎしてるアイツはいつもニコニコだ。「ごめん、皆。私も宝箱開けたい。」って思いきって言ってみた。事情を知るリリー姉が「ユイと一緒に開けてあげてね。」とフォローしてくれ「おー。ユイも宝箱に目覚めたか。」と嬉しそう。そうじゃないけど「うん。一緒に開けて。」と笑顔で答えた。
正直、一緒に開けるドキドキとは違うと思うけどアイツの隣は心地良い。最後はハイタッチしてハグだし中身は良い物だったんだろう。アイツのキラキラ顔を見て分からなかった。「これからもよろしくね『ご主人様』」




