クリスマスの選択 〜タイムリープが教えてくれたこと〜
クリスマスの分岐点
第一章 雪の中の再会
十二月二十四日。東京のデパートの前は、クリスマスショッピングの客で溢れていた。
佐藤由美は、夫の忘年会に向かう途中、懐かしい声で呼び止められた。
「由美?」
振り返ると、そこには中学時代の同級生・田中悟が立っていた。
十五年ぶりの再会だった。由美は、その顔を見た瞬間、全身の血が止まったような感覚を覚えた。田中悟。かつて自分が、最も強く愛していた人。
「悟……」
由美は、震える声で呟いた。
田中は変わっていなかった。いや、より魅力的になっていた。仕事を成功させたのだろう。洗練された雰囲気が漂っていた。
「本当に久しぶりだな。元気そうだな」
田中は、自然な笑顔で話しかけた。彼は、由美をまだ愛していることに気づいていなかった。いや、気づいていても、それを表に出さない大人になっていたのだ。
「悟も……変わったね」
そこへ、由美の携帯が鳴った。夫からのメールだ。「もうすぐ忘年会の時間。来て」
由美は、携帯を見て、また田中を見た。
「ごめん。急いでいるんだ」
「そっか。連絡先交換しないか?」
田中は、自然な笑顔で言った。その笑顔の奥に、何か深い感情が隠れているように見えたが、由美は気のせいだと思うことにした。
連絡先を交換した二人は、別れた。
その夜、由美は忘年会で、夫・健一の隣に座った。健一は、いい人だった。優しく、誠実で、由美を大切にしてくれている。結婚して三年。何も不満はない。
なのに、なぜか、心が揺らいでいた。
第二章 時間の逆流
クリスマスイブの朝。
由美は目を覚ました。しかし、目の前の光景は、自分の寝室ではなかった。
懐かしい、高校時代の自分の部屋だった。
由美は、恐怖で身体が硬くなった。タイムリープ。そんなことは、現実にはあり得ない。
しかし、目の前には、確かに、高校時代のポスターが貼られていた。懐かしい音楽プレイヤーが置かれていた。
携帯を見ると、日付は十八年前、クリスマスイブだった。
由美は、悟に会う直前の時間に戻されていたのだ。
その日の学校で、由美は悟に出会った。高校時代、由美は悟に一度告白したことがある。しかし、悟は、別の女性を好きだった。そして、その女性と付き合うことになった。
由美は、その時の傷を抱えながら、別の男性・健一と付き合うようになったのだ。
タイムリープの中で、由美は気づいた。
あの時、もし自分が悟を選んでいたら?
その日の放課後、由美は悟に呼び出した。
「悟、ちょっと話があるんだ」
「何?」
「私、あなたが好きです。今でも。あの時の告白は、本気だった。その時、あなたは別の人を好きだったけど……今はどう?」
悟の顔が、驚きに歪んだ。
「由美……」
その時、悟の携帯が鳴った。付き合っていた彼女からだった。彼女は、別の男と付き合うことにしたと言い、悟と別れるという連絡だった。
由美は、その話を聞いていた。
「悟、これはチャンスなんだ。別の道を選ぶチャンス」
由美は、そう言った。
悟は、由美の手を握った。
「由美……俺も、ずっと君のことを好きだった。だから、君が健一と付き合うのが悔しかった」
その時、由美の身体が光に包まれた。
第三章 二つの道
由美は、また目を覚ました。
今度は、現在の自分の寝室だった。夫の健一が、そっと寝息を立てていた。
クリスマスイブ。十五年後。
由美は、枕元のスマートフォンを見た。そこには、一通のメッセージが来ていた。
発信者は、田中悟だった。
「由美へ。昨日は久しぶりだったね。実は、俺は昨日の再会の前に、奇妙な体験をしたんだ。タイムリープして、高校時代に戻ったような気がした。その中で、由美が俺に告白してくれて、一緒になる未来を見た。だけど、目が覚めたら、現在に戻っていた。その時、気づいたんだ。もし、あの時由美と付き合っていたら、由美は健一と出会っていないと。そして、由美が健一と付き合っているからこそ、今の由美がいるんだと。だから、俺は新しい決断をしました。実は、昨日の再会の後、ずっと付き合っていた人と別れたんです。でも、由美のためじゃなくて、自分の人生を正直に歩むためです。そして、その中で、新しい人に出会うことを信じます。由美は、幸せですか?」
由美は、涙が止まらなかった。
メッセージを続き読むと、そこにはこう書かれていた。
「もし君が迷っているなら、自分の選択を信じてください。なぜなら、その選択が、今のあなたを作ったから。そして、今のあなたが、本当に美しいから」
由美は、寝ている健一を見つめた。
健一は、その晩、由美に言った。
「由美、昨日の忘年会、楽しそうじゃなかったね。何か悩んでるのか?」
由美は、正直に話した。昨日の再会のこと。昔好きだった人のこと。そして、タイムリープで見た別の未来のこと。
健一は、由美の話を静かに聞いた。そして、こう言った。
「由美が別の道を選びたいなら、俺は応援するよ。だけど、俺は由美が幸せそうに自分の人生を歩んでいる顔が好きだ。どんな道を選んでも、由美が本当に望むことなら、それでいい」
由美は、健一に抱きついた。
「ありがとう。でも、私は、この道を選ぶ。あなたとの人生を」
その時、由美のスマートフォンが、また光った。
タイムリープの前の悟からのメッセージだった。
「由美へ。実は昨日、再会した時から、君のことを思い出していた。何か言いたいことがあるなら、連絡してください」
由美は、返信した。
「悟へ。久しぶりの再会、ありがとうございました。でも、私は今、自分の選択に満足しています。悟も、新しい人生を見つけてください。応援しています」
その返信を送った後、由美は、健一に抱きついた。
「クリスマスの奇跡をありがとう」
そう呟いた由美に、健一は優しく微笑んだ。
完
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時間の贈り物
第一章 十五年後の再会
クリスマスイブ。駅前のイルミネーションが輝いていた。
中村美咲は、会社帰りの駅で、懐かしい顔に出会った。大学時代の初恋相手・篠田翔だった。
美咲は、今、建築設計会社で働く既婚者。夫は、弁護士の小林太郎。結婚して五年。子どもはまだいない。
篠田は、当時のままの面影を持ちながら、より大人びていた。今は、有名な建築家になっているという。
「美咲!」
篠田は、全身で喜びを表現した。
「篠田……」
美咲も、思わず声を上げた。
「久しぶりだね。元気?」
「うん。そっちは?」
二人は、近くのカフェで、お茶をすることにした。
カフェで、篠田は言った。
「実は、美咲と別れた後、ずっと後悔していたんだ。あの時、もし別れていなかったら……」
美咲は、篠田の言葉を遮った。
「篠田、ごめん。急いでいるんだ」
美咲は、カフェを出た。
その夜、美咲は夫の太郎に、篠田と会ったことを話した。
太郎は、黙って聞いていた。そして、こう言った。
「美咲、もし別の人の方が幸せなら、別れてもいいよ」
「何言ってるの?」
「俺は、美咲が本当に幸せなことが大事なんだ。たとえ、それが別の人と一緒になることでも」
美咲は、太郎に抱きついた。
「ありがとう。でも、私は、あなたと一緒にいたい」
その瞬間、美咲の身体が光に包まれた。
第二章 タイムリープ
目を覚ますと、美咲は、大学時代の自分の部屋にいた。
日付は、十五年前のクリスマスイブだった。
美咲は、その日、篠田からプロポーズを受ける予定だった。二人は大学を卒業して、就職が決まり、篠田から「一緒に人生を歩もう」と言われることになっていた。
だが、その日、美咲は迷っていた。篠田は確かに好きな人だった。でも、本当にこの人と一緒にいたいのか。他の選択肢はないのか。そんな迷いが、美咲の心にあった。
タイムリープの中で、美咲は気づいた。
篠田とプロポーズを受けなかったから、美咲は別の人生を歩んだ。そして、小林太郎と出会い、結婚した。
今の自分は、その選択の結果だ。
美咲は、その日、篠田に会わないことにした。代わりに、友人の太郎と出かけることにした。
太郎は、当時、美咲に好意を持っていたが、美咲が篠田に好きだと思い込んでいたため、何も言わなかった。
その日、美咲は太郎に言った。
「太郎、ずっと私のことが好きだったの?」
太郎は、驚いた。
「どうしてそんなことを?」
「直感。だから、聞いているんだ」
太郎は、正直に頷いた。
「好きでした。今でも」
美咲は、太郎の手を握った。
「じゃあ、一緒にいようか。お互いに、正直に」
その瞬間、また光が包んだ。
第三章 現在への選択
美咲は、駅前で目を覚ました。
篠田と別れた直後だった。
美咲は、駅を下りて、自分の家へ向かった。
家に着くと、夫の太郎が待っていた。
「おかえり」
太郎は、優しく美咲を抱いた。
美咲は、涙ぐんだ。
「太郎、ありがとう。私の、すべてをありがとう」
その夜、美咲と太郎は、クリスマスパーティーを開いた。
友人たちが集まり、みんなで乾杯した。
その中で、美咲は思った。
別の未来もあったかもしれない。でも、今のこの人生が、自分にとって、本当の幸せなんだ。
タイムリープで見た別の選択。それは、美咲に教えてくれた。
自分の選択を信じること。そして、その選択の結果に、愛情を傾けること。
完
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クリスマスの約束
第一章 駅での邂逅
佐渡島由梨は、三十二歳。電子書籍の編集者として働いている。結婚して四年。子どもはいない。
クリスマスイブの朝、由梨は駅で、懐かしい顔に出会った。高校の先輩・江田悠太だった。
江田は、当時、一番自分が好きだった人だった。しかし、江田には既に彼女がいた。
由梨は、その想いを心に秘めたまま、高校を卒業した。
「由梨?」
江田は、由梨の名前を呼んだ。
「先輩……」
由梨は、驚いた。江田は、当時のままの雰囲気を持ちながら、少し疲れているように見えた。
「久しぶりだね。今何してるの?」
「編集者をしています。先輩は?」
「医者だ。でも、最近、仕事が辛くてさ」
江田は、疲れたように笑った。
「よかったら、コーヒー飲もう」
由梨と江田は、近くのカフェに入った。
カフェで、江田は言った。
「実は、高校の時、君のことが好きだったんだ。でも、別の人と付き合ってたから、何も言えなかった。その人とは別れて、別の人と結婚したけど、最近、その結婚生活が上手くいってないんだ。だから、君との昔の想いを、また思い出してしまった」
由梨は、驚いた。
「先輩、そんなことを……」
「ごめん。重い話で。でも、本当なんだ」
その時、由梨の携帯が鳴った。夫からだ。「クリスマスディナーの予約をしてあるから、早く帰ってきて」
由梨は、江田に謝った。
「先輩、ごめんなさい。私、約束があるんです」
由梨は、カフェを出た。
第二章 時間の逆転
その夜、由梨は、クリスマスディナーを食べながら、タイムリープした。
目を覚ますと、由梨は、高校時代の自分の部屋にいた。
日付は、十五年前のクリスマスイブだった。
由梨は、その日、江田が自分に告白する日だと知っていた。
タイムリープの中で、由梨は気づいた。
江田が当時、別の人と付き合っていたのは、事実だった。だから、江田は由梨に告白できなかった。
でも、もしあの時、江田が由梨に告白していたら、由梨は確かに江田を選んでいたかもしれない。
しかし、由梨がそうしなかったから、由梨は別の人生を歩んだ。
今の夫・小原徹也と出会い、結婚した。
由梨は、その日、高校の友人の小原と遠くで会った。
当時、小原は、由梨に好きだと言ったことはなかった。ただ、友人として接していた。
由梨は、小原に言った。
「小原、これからどこに行くの?」
「実は、塾講師のバイトがあるんだ」
「塾?」
「そう。来年から、本気で予備校の講師になろうと思ってるんだ」
由梨は、小原を見た。
当時、小原は、定職につかず、フリーターをしていると思われていた。だが、実は、将来のために、塾講師のバイトをして、お金を貯めていたのだ。
由梨は、小原の手を握った。
「頑張ってね。応援している」
小原は、赤くなった。
「由梨、ずっと君のことが好きだった。でも、江田先輩のことが好きだと思ってたから、何も言えなかった」
由梨は、小原を見つめた。
「小原、わたしも、あなたのことをもっと知りたい。約束する。この人生で、あなたと歩む。」
その瞬間、光が包んだ。
第三章 選択と幸福
由梨は、クリスマスディナーの席で目を覚ました。
夫の徹也が、由梨を見ていた。
「大丈夫?何か考えてた?」
「ううん。ただ、あなたに感謝していた」
由梨は、徹也の手を握った。
その夜、クリスマスプレゼントを交換した。
徹也から、由梨へのプレゼントは、ダイヤモンドのネックレスだった。
「ずっと君と一緒にいたいんだ。これからも」
由梨は、泣いた。
そして、その翌日。
由梨の会社に、メールが届いた。
江田からだった。
「由梨へ。昨日の再会で、随分失礼なことを言ってしまいました。実は、妻と話し合った結果、夫婦でカウンセリングを受けることにしました。昔の恋慕は、現在の問題から逃げたいという気持ちだったんだと気づきました。由梨も、自分の人生を大切にしてください。幸せそうで、本当に良かった」
由梨は、メールに返信した。
「先輩へ。こちらこそ、懐かしい再会をありがとうございました。先輩とお奥さんが、幸せになることを応援しています。自分たちの人生を信じてください。それが、誰もが幸せになる道だから」
完
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運命の分岐
第一章 再会のクリスマス
高橋聡美は、三十四歳。ファッションデザイナーとして、自分の店を持っている。結婚して六年。夫は、弁護士の松下雄樹。
クリスマスイブ、聡美は自分の店で、懐かしい顔に出会った。
大学時代の彼氏・村上健太だった。
村上は、聡美のデザインを展示する大手百貨店の支配人になっていた。
「聡美!」
村上は、嬉しそうに声をかけた。
「村上さん……」
聡美も、思わず声を上げた。
「久しぶりだね。店、素晴らしくなったね。聡美のデザインセンス、変わってない」
「ありがとうございます」
村上は、以前とは違い、敬語で話しかけた。聡美が既婚者であることを知っていたのだ。
「聡美、実は、今回の百貨店展示は、君のデザインを扱いたいという提案で来たんだ。だから、契約書を持ってきた」
聡美は、驚いた。これは、仕事上の大きなチャンスだった。
しかし、聡美は迷った。村上とビジネスをすることが、何か危険に思えたのだ。
「村上さん、契約書を見せていただけますか?」
聡美は、プロとして、村上を対応した。
その夜、聡美は夫の雄樹に、この話を話した。
雄樹は、こう言った。
「聡美、仕事のチャンスなら、つかむべきだ。俺は応援する。ただ、村上さんのことが心配ならば、弁護士として、契約書をチェックすることもできるよ」
「ありがとう」
聡美は、雄樹に抱きついた。
その時、聡美の身体が光に包まれた。
第二章 過去への旅
目を覚ますと、聡美は、大学時代の自分の部屋にいた。
日付は、十五年前のクリスマスイブだった。
その日は、村上が聡美にプロポーズする日だった。
聡美は、村上との関係に迷っていた。村上は確かに好きな人だった。でも、本当にこの人と結婚して、自分の夢を追い続けることができるのか。
その迷いが、聡美を悩ませていた。
タイムリープの中で、聡美は気づいた。
村上と結婚していたら、聡美は、自分の店を持つことができなかったかもしれない。村上の夢は、経営だ。聡美は、村上のサポート役に回っていた可能性があった。
だから、聡美は別の道を歩んだ。
聡美は、その日、村上と別れることを決めた。そして、松下雄樹と出会った。
雄樹は、当時、聡美のデザインの大ファンだった。聡美が自分の夢を追い続けることを応援していた。
聡美は、その時間軸で、雄樹に電話をした。
「雄樹、いる?」
「聡美?何?」
「会いたい。今、カフェで」
聡美と雄樹は、カフェで会った。
聡美は、雄樹に言った。
「あなたは、私のデザインが好きですか?」
「もちろん。聡美のデザインは、世界に通用すると思う。だから、支援したい」
聡美は、雄樹の手を握った。
「一緒に歩もう。あなたと一緒に、私の夢を追い続けたい」
その瞬間、光が包んだ。
第三章 現在への感謝
聡美は、自分の店で目を覚ました。
村上は、まだ聡美の前に立っていた。
「聡美、どうした?顔が蒼い」
「ごめんなさい。少し、考えさせてもらえますか?」
「もちろんだ。でも、聡美、今の君は、本当に幸せそうだ。昔以上に」
聡美は、村上を見た。
村上は、心底、聡美の幸福を願っているようだった。
「村上さん、ありがとうございます。でも、この契約は、お断りさせていただきたいんです」
「え?」
「理由は……複雑なんです。ただ、ビジネスの判断としては、別のパートナーとの関係が、長期的には良いと思うので」
村上は、頷いた。
「わかった。残念だけど、応援してる」
その夜、聡美は雄樹と、クリスマスディナーを食べた。
「村上さんとの契約は、どうなった?」
「断った」
「え?何で?」
「理由は……私の直感と、あなたへの信頼。あなたなら、もっと良いパートナーを見つけてくれると思った」
雄樹は、聡美を抱いた。
「聡美、信じてくれてありがとう」
その夜、聡美は思った。
別の選択肢もあったかもしれない。でも、今の人生が、自分にとって、本当に大切なんだ。
そして、その人生を築いてくれた人に、感謝しよう。
完
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クリスマスの夜明け
第一章 駅での瞬間
田島実は、三十一歳。看護師として、市民病院で働いている。結婚して二年。夫は、公務員の鈴木隆一。
クリスマスイブの夜勤を終えた実は、駅で、懐かしい人に会った。
医学部の時の同級生・坂田誠だった。
坂田は、有名な医師になり、医学部の講師もしていた。
「実?」
坂田は、実に話しかけた。
「坂田先生……」
実は、坂田が大好きだった。医学部時代、実は坂田に恋慕していた。しかし、坂田は別の女性と付き合っていた。
「久しぶりだね。看護師になったんだ」
「はい。市民病院で働いています」
「いいね。君は、本当に優しい人だから、看護師が向いている」
坂田は、そう言って、実に名刺を渡した。
「これからも応援してる。もし、専門的な相談があれば、いつでも」
実は、坂田の優しさに、また心が揺らいだ。
その夜、実は夫の隆一に、坂田と会ったことを話した。
隆一は、黙って聞いていた。そして、こう言った。
「実、もし別の人の方が幸せなら、別れてもいいよ。俺は、君の幸福が大事だから」
実は、その言葉に泣いた。
「ありがとう。でも、私は、あなたと一緒にいたいです」
その瞬間、実の身体が光に包まれた。
第二章 時間の選択
目を覚ますと、実は、医学部時代の自分の部屋にいた。
日付は、十五年前のクリスマスイブだった。
その日は、坂田が実に告白する日だった。
医学部時代、坂田は実に好意を持っていた。しかし、実が別の人と付き合っていると思い込んでいたため、別の女性と付き合うことになった。
タイムリープの中で、実は気づいた。
坂田と付き合っていたら、実は医学部を卒業することはできなかったかもしれない。坂田は、医学部で最優秀だった。実は、その陰で勉強に苦しんでいた。
坂田との関係が深まれば、実は医学部を辞めていたかもしれない。
だから、実は別の道を歩んだ。
その日、実は、医学部の友人である鈴木隆一に会った。
当時、隆一は、実を想っていたが、実が坂田に心を寄せていると思い、何も言わなかった。
実は、隆一に言った。
「隆一、いつも勉強で困っている私を助けてくれてありがとう。実は、あなたのおかげで、医学部を続けることができました」
隆一は、赤くなった。
「実……」
「隆一、あなたのことが好きです。ずっと。だから、一緒にいようじゃないか」
隆一は、実を抱いた。
「実、本当?」
「本当です」
その瞬間、光が包んだ。
第三章 人生への感謝
実は、病院の休憩室で目を覚ました。
夜勤の同僚が、実を心配して、声をかけた。
「実さん、大丈夫ですか?」
「ああ、ごめんなさい。少し休みが必要だったんです」
実は、その日の夜勤を終えた後、隆一の元へ向かった。
隆一は、実を抱きしめた。
「実、疲れてるんじゃないか?無理するなよ」
「ありがとう。でも、大丈夫です。むしろ、あなたに感謝したくて」
「何で?」
「あなたが、いつも私をサポートしてくれているから。あなたがいなかったら、今の私はいません」
隆一は、実に、クリスマスプレゼントを渡した。
それは、婚約指輪だった。
「実、これからも、一緒にいてくれますか?」
実は、泣いた。
「はい。一生、一緒にいます」
その夜、実は思った。
タイムリープで見た過去。その中で、実は別の選択肢を見た。
しかし、今の人生が、本当に大切だ。
そして、その人生を一緒に歩んでくれる人に、心から感謝したい。
クリスマスの夜。実は、最高の幸福を感じた。
完
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