第三十四章76 【アンサー・クリエイト/さよなら真の強者(きょうしゃ)達4】76/【物語の締めくくり】10
【風】を贈ると言った、【ティシェル姫】。
それって空気って事?
雰囲気だけで何も無いって意味?
と思う者もいるだろう。
だが、違う。
【全知全能界アンサワルド】では【風】も立派な贈り物なのだ。
例え離ればなれになっても、常に一緒に居る。
そう言う意味が込められている。
地球人の感覚で、何もないと考えるのは無粋なのである。
力有る存在である【ティシェル姫】だからこそ、贈る【風】にもしっかりと意味と力があるのである。
【芳一/リア】は、
「ありがとう。
・・・風を感じる。
涼しい風だ。
夏の暑い日にはこれが心地よいな」
と言った。
そう。
【ティシェル姫】が贈った【風】は彼女のぬくもりを感じられる風なのだ。
夏の暑い時は涼しさを、
冬の寒い時は暖かさを、
春の暖かい時は、ぬくもりを、
秋の涼しい時は、人肌を。
それぞれ届けるのである。
こうして、お互い思いを込めたプレゼントをしあった2人。
じっと見つめ合い。
キスをする。
そこからの2人の中継をするのは無粋というものになるだろう。
2人だけの世界。
後は2人でゆっくりと過ごしてもらいたい。
3夜目も同様である。
最後の別れをどうするのか?
それは皆さんのご想像に任せたいと思う。
【ティシェル姫】との最後の時を過ごした翌朝、運命の日を迎えたのであった。
今日の日付は、2028年6月27日。
大切なみんなとのお別れの日である。




