第三十四章57 【アンサー・クリエイト/さよなら真の強者(きょうしゃ)達4】57/【後半ラブエピソード?13】02
「わんわん、わんわん、わんわん」
イヌの吠える声がする。
「わんわん、わんわん、わんわん」
何を言っているのだろう?
ちょっと翻訳してみよう。
「(イヌ語翻訳)ご主人、ご主人、ご主人」
どうやら、飼い主に声を掛けている様だ。
ここは幕末の動乱期。
このイヌは、どうやら飼い主の志士に声を掛けている様だ。
その志士は瀕死の状態。
今にも死にそうだ。
志士は、
「・・・すまん・・・なぁ・・・
【雪丸】・・・
最後まで面倒をみてやれなくて・・・
良い飼い主を・・・見つけてくれ・・・
拙者の事は気にするな・・・
人を斬る人生だった・・・
人を斬って来た以上、斬られる覚悟はあった。
それだけの話だ・・・」
と言った。
イヌは、
「わんわん、わんわん、わんわん(訳/死なないでください、死なないでください、死なないでください)」
と叫ぶ。
だが、志士はそのまま息を引き取る。
それに準じて、【雪丸】と呼ばれたイヌも共に死を選んだ。
【雪丸】が目を覚ますと、暖かいベッドの上に居た。
どうやら裸で寝ていたらしい。
裸?
イヌなら当たり前の事だ。
だが、今の【雪丸】はイヌでは無かった。
どうやら人の姿をしている様だ。
ご主人の無念を晴らすため、【雪丸】は人の身になって転生した様だ。
いや、正確には違う。
【雪丸】の霊が、人に取り憑いたのだ。
だから、人の姿になっていた。




