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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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パニック関連

社会秩序に則り

作者: よぎそーと
掲載日:2023/08/03

 どかん、どすん。

 家の中で大きな音が鳴り響く。



 中では少年が無言でテーブルを振り回していた。

 母親がその度に吹き飛んでいく。

 既に何カ所も叩きつけられていた。

 足は真っ先に狙われ、逃げる事も出来ない。

 そんな母親に少年は容赦なくテーブルを叩きつけていった。



 全ては反撃によるものだ。

 少年が子供の頃から受けてる仕打ち。

 暴言・罵倒・暴力。

 これらを黙って受けていたのだが。

 さすがに何年も続けば堪えられるわけがない。

 とうとう反撃に出た。



 最初は母親だった。

 この親がまずろくでもない。

 罵倒などの暴言、それに伴う殴る蹴るの暴行。

 これらを加えられていた少年を一切かばう事が無い。



 それどころか、普段から少年の素行が悪いという嘘をそのまま受け取っていた。

 家でも常に少年を叱る、怒鳴る。

「大人しくしてなさ!」

「どうして大人しく出来ないの!」

 このくり返しである。



 大人しくしてるのは少年だ。

 暴言にも罵倒にも耐えていた。

 それが我慢できなくなると爆発したが。

 それは当然の結果。

 まず、暴言や罵倒などの悪口を言ってる方が悪い。

 だが、そちらは全くおとがめ無し。



 それで叱られ反撃もしなければ、より派手に悪口を言う。

 大人しくしてれば、今度は殴り蹴られる。

 舐められてるのだ。

 だから反撃するしかない、

 しかし、それを周りの大人はしかる。



 特に母親や女教師は少年を敵視した。

 なぜ暴れるのかと。

 先にやってきたのは周りのクズ共なのに。

 その事を言えば、

「口答えするな!」

「手を出した方が悪い!」

となる。



 つまり、悪口などの暴言はいくらやっても良いという事だ。

 なんでだろうと考え続けた少年は、この答えに時間をかけて辿り着いた。



 暴言は許され、暴力は認められない。

 おかしな話である。

 どちらも暴が付く悪事なのに。



 ただ、そうだと分かると少年の気持ちは落ち着いた。

 怒りが消えたわけではない。

 だが、なぜだろうという思考からは解放された。

 それ以上考える必要がなくなり、脳の負担が減った。

 余計なストレスが無くなった。

 気分がその分軽くなった。



 そうなると別の考えも浮かんでくる。

 なぜこうも暴力が認められてるのか?

 なぜ加害者共は追求される事もなくのうのうとしてるのか?



 時に加害者も叱られる事もあった。

 だが、その時は被害者の少年も叱られていた。

 喧嘩両成敗とかいう馬鹿げた考えを理由に。



 成敗されるのは悪さをした方だけだ。

 なぜ被害を受けた者まで叱られるのか?

 その理由として、時に反撃したからとか言われたが。

 反撃など当たり前だ。

 攻撃を受けたのに、なぜされっぱなしでいなければいけないのか?



 そこまで考えて少年は答えに到達した。

 世の中、加害者が偉いのだと。

 加害者は何をしても良いのだと。

 被害者は被害者のままでいなければいけないのだと。

 反撃せず泣き寝入りしなくてはならないのだと。

 そうでなければ、少年がしかられる理由が成り立たない。

「そういう事か……」

 納得した少年は、やるべき事を理解した。



 母親をいたぶってるのはその為だ。

 被害者である少年をいたぶってる女。

 身近にいるこれをまずは処分しなくてはならなかった。



「なん……で……」

 疑問を口にしてきたが、おかまいなし。

 少年は目の前の敵を叩きのめす。

「死ね」

 呪詛も吐きながら。



「死ね、殺してやる」

 今までの恨みがある。

 自分を虐げ、敵をかばってきた女だ。

 敵の協力者であり、共犯者である。

 生かしておけない。



 生きていれば、この先も害をもたらす。

 なにせ敵なのだから。

 ずっと少年に害を与えてきた。

 身を守る事すら止めていたのだから。

 このまま放置していたら、この女に殺される。

 直接手を下す事はなくてもだ。



 加害者への反撃をさせない。

 唯々諾々と攻撃を受けさせ続ける。

 そうすれば、いずれ死ぬ。

 死なないまでも精神的に死ぬ。

 廃人になる。

 そこまでいかなくても、何もしない無気力な人間が出来上がる。

 そういう人間を作るつもりなのだ。

 でなければ、母親という生き物が行ってる事の説明がつかない。



 そんな母親に少年は反撃していく。

 自分が生きるために。

 命だけではない、自分の意思と尊厳を守るために。

 それを妨げる目の前の敵は殺さねばならなかった。



「死ね」

 テーブルを叩きつける。

「反撃するなよ」

 今まで自分にさせてきたように。

 母親の抵抗は許さない。



「ごめんなさいは?」

 これも強要された言葉だ。

 何も悪くは無い、悪さをされたから反撃しただけ。

 なのに少年が悪者にされて謝罪を強制された。

 同じように母親に強制していく。

「早く言え」

 言っても暴行を、いや、反撃をやめるつもりはなかったが。



 どれだけ大人しくしてても暴行を加えられた。

 だから少年は手を止めない。

 暴行が止まる事はなかったのだから。

「これで仲直り」などと親や教師はほざいていたが。

 仲直りで暴行が止まる事は無いのだから。



「ごめんなさいは?」

 他人に強要していた言葉。

 しかし、していた本人は一向に口にしない。

 痛みに悲鳴をあげるだけ。

「ごめんなさいは?」

 その態度に腹が立った。



 他人に強要しておきながら、自分はしないのか?

 理解不能な事だった。

 なぜ自分がしない事を他人にさせるのか?

(そうやって……)

 虐げて楽しんでたのだろう。

 少年はそう察知していった。



 最後。

 少年は包丁で母親を刺す。

 生かしておくつもりはない。

 生きてれば確実にまた危害を加えてくる。

 殺して、今後の危害を止めて無くす。

 これで母親による問題は消える。



「なんで……」

 最後まで母親は疑問を口にした。

「あなたの……為……」

「お前の為だろ」

 この後に及んで少年を労るかのような言葉。

 それを反吐が出そうだった。

「お前の思い通りにしたかっただけだろ。

 俺のことなんか何も考えてない」

 事実を突きつける。

 それに母親が何を思ったかは分からない。

 その時にはもう死んでいたのだから。



 その後も帰ってきた父親を。

 学校のクズ共を殺していった。

 問題をこれ以上増やさないために。



 問題は、問題の発生源になる存在がいるかぎり続く。

 解決するためには、問題の発生源をなくさねばならない。

 この日、その問題発生源を少年は潰した。

 あとは学校の教師だけだが。

 それは朝になってから処分するしかない。

 それも昼までには片付いた。

 少年の周囲で、少なくとも小学校を中心とした地域の問題の一つはこれで消えた。



 何よりも少年は加害者になる事を望んだ。

 被害者のままでいたら危害を加え続けられる。

 誰も守ってくれない。

 しかし、加害者になればそうではない。

 誰もが少年を守るようになる。



 実際、今まで加害者が責められる事はなかった。

 いつも被害者の少年が責められていた。

 どう考えても加害者の方が立場は上だ。



 その加害者になるために、少年は行動した。

 これで少年は傷つけられる立場から守られる身分に変わった。

 事はそう単純ではないとも分かっていたが。

 それでも、以前よりは良い立場になれたと確信している。



 ただ、警察などは面倒だった。

 どうにかしてこれは避けたいが。

 しかし、これも対処方法は分かってる。

 より凶悪な加害者になればいい。



 ヤクザなど反社会集団の存在がこれを証明している。

 本当にこれらが問題なら全力をあげて潰すはず。

 それが生きているという事は、この世が加害者を認めてるという事。

 暴力を賞賛してるという事。

 でなければ、こういった者達が生き残ってるわけがない。



 加害者で居続ける。

 より凶悪な加害者になる。

 生き残るにはこうするしかない。

 それを成し遂げられるかどうかは能力や運次第となるだろうが。



 それでもやり遂げるつもりでいた。

 少年に迷いは無い。

 今まで常に悲惨な目にあってきた。

 悲惨な事になる立場にいた。

 だが、今は違う。



 今までとは違う。

 違う人間になる。

 その為に迷いはしない。

 少しでも躊躇えば、確実に殺される。

 被害者にされ、地獄を見る。

 そんなのは御免だった。



 その為にも、危害を加え続けなくてはならない。

 殺して殺し尽くさねばならない。

 奪って根絶やしにしなくてはならない。

 そうでなければ被害者になる。

 誰も助けなくなる。



 加害者でいなければならない。

 この暴力を褒め称える社会の中ではそうでなければいけない。

 そうでなければ殺される。

 生命が途絶えるだけではない。

 精神的に潰される。

 社会的に消される。

 様々な手段で殺される。



 暴力が何より輝かしいこの社会。

 そんな日本で生きていくのだ。

 誰かを傷つける程度で止まってはいられない。

 相手を責めさいなみ、嬲り尽くさねばならない。

 尊厳から踏みにじり、灰も残らぬほど奪い尽くす必要がある。

 そうでなければ日本で生きていく事は出来ない。



「弱肉強食か」

 少年でも知ってる言葉を口にする。

 結局、弱い者に生きてる価値や資格は無い。

 ただそれだけの事なのだ。



 だから少年は加害者の道を進む。

 被害者として虐げられるつもりはない。

 賞賛され、尊敬される加害者になる。

 険しい道だがかまわなかった。

 被害者になればそれ以上の地獄が待ってるのだから。

 それを小学校までの短い期間で悟った。



 そんな少年の努力の成果なのか。

 一部地域で犯罪率が桁違いに増大した。

 しかし、それは数年もすればおさまる。

 警察もあえて追求はしなかった。

 捜査を開始した瞬間に各地の警察が襲撃を受けたからだ。

 あまりの被害の大きさに、警察も傍観するしかなかった。



 それでも数年の月日を経て、落ち着いたのだからこれで良しとなった。

 犯罪率も犯罪件数もそれ以前に比べれば格段に下がった。

 これ以上騒ぎ立ててもしょうがないとなった。



 その地域において、被害者はよりいっそう被害を受けていき。

 加害者が全てを手に入れるようになっていてもだ。

 表向き事件が起こってないのは、被害届も出せないから。

 警察もとりあわずにいるからだ。

 犯罪が犯罪として取り上げられないから、統計資料にもあらわれない。

 そんな表向き安全な地域が出来上がっただけだ。



 そんな地域を実質的に治めてるのは、年若い男だという。

 滅多に表に出ないので、存在すら定かでは無いが。

 しかし、まことしやかにそんな者がいるという噂だけは流れていった。

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あと、異世界転生・異世界転移のランキングはこちら

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以前、こちらのコメント欄で、俺の書いた話を話題にしてくれてたので、覗いてみると良いかも

http://mokotyama.sblo.jp/

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