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精霊使いと賢者の遺産  作者: 夜空琉星
第2章 雷狼と風の忍び
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第2章 23話 総力戦

 「里の南、東、西の三方向から複数体の魔獣が襲来。防壁が破られ、現在里の内部で魔獣と交戦しています!!」


 里長(さとおさ)()に入ってきた忍びの報告を受けて、この場の全員に驚きと緊張が走った。

 だがこの場にいるのは数多くの戦いを経験してきた里の精鋭たる班長たちと、それを束ねる里長だ。

 報告内容に驚きつつも、冷静さを失っている者はいない。

 経験が浅い半蔵(はんぞう)一花(いちか)宙翔(ひろと)やシャルロットも突然の報告に目を見開いて驚いていたが、狼狽(うろた)えたりパニックなったりすることはなく冷静に事実を受け止めていた。


 「詳しい状況を」


 善蔵(ぜんぞう)に促され、忍びは報告を続ける。


 「西と東に大型の魔獣が一体ずつ。南には大型の魔獣が小さい魔獣を十数体(じゅうすうたい)引き連れている模様。現在動ける忍び総出でことに当たり、三か所それぞれで防御陣形を組んでこれ以上の魔獣の侵入を防いでいます」


 先の魔獣化した雷亜(らいあ)との戦闘で少なくない数の怪我人がいるが、それでも動ける忍びたちをかき集めてなんとか魔獣の侵攻を食い止めているようだ。


 「しかしながらこちらの消耗は激しく、陣形が崩れ魔獣がさらに里の内部へと進行してしまうのは時間の問題かと思われます」


 報告を受けて全員が事態は一刻を争うと悟り、里長の下す判断を聞くために一同の視線が善蔵に集中する。

 善蔵はこの場にいる者たちの契約精霊や戦闘スタイル、特性、怪我の状態など現時点での個々の能力を踏まえて瞬時に対応を考える。

 善蔵は一瞬目を伏せて対応を考えていたが、瞬時に目線を上げ班長たちに指示を飛ばす。


 「紅葉(くれは)は救護所に戻り、第十班の忍びたちで怪我人を里長の屋敷の地下まで非難させろ。義輝(よしてる)剛介(ごうすけ)虎助(こすけ)は東の魔獣の相手を。俊也(としや)(とおる)直樹(なおき)亮太(りょうた)は南の魔獣の群れの相手を頼む。隼人(はやと)、以下第一斑は西の魔獣の相手だ」


 紅葉、以下九人の班長たち、そして第一班のメンバーである半蔵と一花は善蔵の指示を受けて頷きをもって答える。


「この魔獣の襲撃は例の黒ローブの二人組の仕業の可能性が高い。さらに魔獣が押し寄せてくることも十分に考えられる。史郎(しろう)は屋敷の屋根から索敵及び現場の状況把握、伝達をしろ」


 雷亜の話で今回の一連の魔獣騒動が自然的ではなく人為的に起こされているとわかったので、さらなる事態の悪化を防ぐための手立ても考える必要がある。

 そのため隠密行動や情報収集に長けている史郎は班長として戦闘力も申し分ないが、今回はそちらに集中してもらうことにした。

 そうなると戦力面に不安が残るが、この場には忍び以外にも戦力になる者がいる。 


 「空閑(くが)殿(どの)は第一斑と行動を共にしてもらう。よろしく頼むぞ」


 今回は事態が事態なので、善蔵も最初から宙翔を戦力としてカウントしていた。

 そして魔獣化した雷亜との戦闘でその実力や人間性を評価されたのか、前回と違って宙翔の参戦を否と考えるものはいなかった。

 これが現時点で善蔵が考え得る最適な人選と配置だった。

 そして采配を終えた善蔵は勢いよく立ち上がり、これから壮絶な戦いに(おもむ)くみなの士気を上げるための(げき)を飛ばす。


 「これ以上の被害を許すわけにはいかない。風間の里の精鋭たちよ、これは総力戦だ! 里を守るために死力を尽くせ!!」


 「はっ!!」


 善蔵からの言葉を受け取った一同は勢いよく立ち上がり、里の命運をかけてそれぞれの戦いへと赴いた。

 第2章23話「総力戦」を読んでくださったみなさん、ありがとうございました。

 これから第2章の終盤に突入してバトルシーンが目白押しなので、ぜひ次回も読みにきてくださいね!


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