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第2話 始まりと事件

ー2525年東京ー

 かの東京オリンピックから500年以上経った今、世界情勢は大きく動いていた。

米中ソ間での緊張が大きく高まり、米ソ戦が噂されるなか、日本は憲法を改正。小野寺首相の下、自衛隊の軍隊化を進めていた。


 そんな中、日本のゲーム界にも大きな動きがあった。

一世を風靡したド○ゴンクエストだったが、開発グループの汚職や独立で終了。そして独立したグループがモ○スターハンターなどの制度を取り入れたタイガークエストを企画。当時はドラクエのパクリと叩かれたが、徐々に受け入れられ、今は日本のゲームの代表格まで登り詰めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


学校からの帰り道、俺、酒井翔太はタイクエ8の先行予約のため行きつけのゲームショップを訪れた。予約を済ませた俺は中古品のゲームコーナーを漁っていた。ここにはたまに掘り出し物なんなもある。すると、


「これは!製造数100本のタイクエ7のプレミア版!」


早速手に取りレジへ向かう。


「すみません。これなんですけど・・・」

「ああ!そういえば数日前にフードを被った男性が売りにきてましたよ。しかも、お金はいらない。とっときな、とか言ってましたねぇ。」

「胡散臭くないですか?」

「でも本物なので一応置いてあった物よ。欲しいんならタダでいいわよ。」

「どうしてですか?」

「だって仕入れ値0だし、まあお姉さんからの優勝記念プレゼントだと思って。」


胡散臭く危ないかと思ったが、好奇心に負け貰うことにして、家に帰った。


「ただいま〜。」

「おかえりなさい。予約は?」

「出来たよ。」

「夕食は?」

「後で」


俺は部屋に戻る。当たり前だ。早くタイクエ7のプレミア版をやりたい。荷物を片付け、着替えてゲームを起動する。


その瞬間目の前が爆ぜた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「う・・・うう・・・」


いきなりの爆光に目をやられた。しばらくすると周りがしっかりと見えるようになる。点けたはずのテレビは消え、なにが起こったのか皆目見当もつかない。少し呆けていると、


「お兄ちゃん!大丈夫!?」


妹の美菜が入ってきた。栗色でロングの綺麗な髪を靡かせながら俺に抱きついて来る。重度のブラコンだ。


「大丈夫だ。」


俺は今日の出来事を話した。


「プッ、ハハハ!」

「何だよ。」

「だってさ、そんな都合良い話あるわけないじゃん!馬鹿なの?」

「俺だって胡散臭いと思ったよ!でもな、目の前にどうしても欲しかったゲームがある。本物かもしれない。少し胡散臭かったとしても買わないという選択肢がゲーマーにあるか?美菜。お前もゲーマーならわかるよな?」

「ごめん。それには共感できない。」


何・・・だと・・・。俺の言うことのほとんどに共感してくれる美菜が・・・。もしや、反抗期か?

俺が落ち込んでいると母親が1階から声をかけてきた。


「美菜。買い物手伝って。今日はお米を持って帰らなきゃいけないの。」

「はーい。今行く-。 もう。お兄ちゃんしっかりしてよね。」


そう言い残すと美菜は部屋から出て行った。

気を取り直してゲームしようと腰を上げたところで、スマホが鳴った。どうやら二つ隣の幼馴染みの中村明からのようだ。内容は、今からゲーセンに行こうということだったので承諾した。母親にゲーセン行くとメッセージを送り外に出た。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「おーい。翔太ー。」

「お、茜もいるのか。」


栗原茜は俺のもう一人の幼馴染みで、同級生だ。容姿は赤髪のセミロングで身体的特徴は特にない。普通の女子高生だ。


「なによ。いちゃ悪いっていうの?」

「いやいや全然。」

「茜は俺が誘った。」

「ふーん。なんならお前ら二人で行けばよかったじゃん。ゲーセンデートって感じで・・・痛ッ!」


茜に回し蹴りを喰らった。普通に痛い。


「なんで蹴った!」

「ふん。」


茜がそっぽ向いたので腹が立ち、問い詰めようとしたとき明が少し慌てたような様子で声をかけてきた。


「ま、まあまあ落ち着いて。せっかく来たんだし早く中に入ろうぜ。」

「そうだな。行こう。」


俺はゲーセンに入る。少し後ろからついてくる茜の「馬鹿・・・」という呟きは煩いゲーセンの中にいる俺には聞こえなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「あー疲れた。」


今ではすっかり機嫌のよくなった茜がつぶやいたように俺たちは疲れ切っていた。

格ゲーで明と茜をフルボッコにした後、卓球やホッケーをやりUFOキャッチャーでかなりの物をとり店員が涙目になっていた気がする。

茜の機嫌が良くなったのは格ゲーで茜をボコボコにしたせいで茜の機嫌がとてつもなく悪くなり拗ねかけていたので、UFOキャッチャーで取った猫のぬいぐるみをあげたら機嫌がなおった。


「私こっちだから。それじゃまた明日!」


茜と別れ、明と2人になると明が聞いてきた。


「この様子じゃ大丈夫そうだけど、今日の昼どうした?」

「え?ああ。あの光のこと?」

「そうそう。何したんだ?」


俺は明にタイクエの話をした。


「何だそれ。ラノベでは異世界転移とかする流れだぞ。変わったこととかないのか?」

「ない。」

「は・・・」


明が何か気づいたように呟いた。


「どうした?」

「もしや・・・ここはすでに異世界なのか!?」

「バーカ。んなわけあるか。」


俺は明の頭を叩いて笑った。もし、この明の冗談について深く考えていれば何か変わったかもしれない。


結局俺はこの後家まで明とゲーム談議をして家に帰った。母親に遅いと怒られたり、やり忘れた宿題を大慌てでこなすうちに夜中になり俺はそのまま眠ってしまった。

タイクエがどうなったかという重大なことを忘れて。



夜中

浅い眠りについていた俺は轟音と咆哮に叩き起こされた。カーテンを開くと


「嘘だろ・・・」


つい数時間前まで立ち並んでた家は木っ端微塵になり、その中心に一匹の豹が吠えていた。


「お兄ちゃん!」


美菜が俺の部屋に入ってくる。


「あれって・・・」

「タイクエ7の代表的なモンスター、ライトニングパンサーだ!」

「何でこんなところにいるの?」


そんなのこっちが聞きたいわ!そう言い返そうとするのを抑えて


「父さんと母さんは?」

「パパとママは仕事でいないよ!」


そうだった。しかしどうしたものか。ライトニングパンサーはタイクエで高い攻撃力と素早さで多くのプレイヤーを苦しめた。今、武器も魔法もない俺たちに勝ち目はない。逃げても追いつかれるだけだ。弱点の喉を攻撃できれば・・・


「美菜。近くに武器。なかったっけ?」

「ええ!戦う気!?無理だよ。お兄ちゃん。死んじゃやだ・・・」

「いいから。どこかないか?」

「近くの廃材置き場か、右の少し離れたところに日本刀を売ってる店が・・・」

「よし。ありがとう。美菜はここで待ってろ。」

「お兄ちゃん!」


俺は暗闇へ駆け出した。


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