大好きなお兄ちゃんへ(2)
優輝君目線でかきました。
次で終わらせます!
(本当は今回で終わらせたかったのですがまとまらず…申し訳ないです)
私には11歳年下の妹がいる。
彼女が物心つく前から、愛おしくて可愛くて家族の宝物だった妹。
(いつから私は、彼女をうらやましく思っていたのだろう。)
本当は、ままごとでお母さん役をやりたかった。
運動会で女の子用のピンクのポンポンを振りたかった。
お遊戯会では戦う王子様より、フリルのドレスを着たお姫様になりたかった。
彼女が何の気なしに背負う真っ赤なランドセルが、輝いて見えた。
(でも実際の私はどう?)
背が高くてヒゲが濃い、全然可愛くない男。
鏡に映る私は誰…?
周りの人は「頭良いよなー」とか「イケメン」って言ってくれたけど、私が欲しいのはそんなものじゃない。
私にとって、それはおかしい事なの。
実家を出て東京の大学へ進んだのは、私を「男」としか見ていない人から離れたかったから。
研究や勉強は忙しかったけど、休みの日は同じ悩みを持つ人の集まりに出かけ、運営を任せてもらえることになった。
あれこれ聞いてくる親よりも、妹と話している方がガールズトークをしているようで楽しかった。
長期休みには可愛いカフェに出かけたり、雑貨屋さん巡りをしたり。
「私」を出せる集団の中で、
「私」らしく生きるのは幸せな事だった。
でもその幸せを追求してしまうのが、人間の本能であり罪なのでしょう。
社会人になったら、女として人生を歩みたい。
私は私として生きたい。
少しずつ大きくなっていく気持ちは留まることを知らなかった。