表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/11

初雪(ユキ)

*ユキ×主人公

*IF世界

*多分恋人同士

*一度やってみたかった、ユキの雪ネタです←

*…甘い…かな……いや、微妙?

「雪……降らないかなー…」


「…………呼んだ?」



 今日、何となくアスカと中庭を散歩した。

 お昼だけど外は曇っていたから、そこまで眩しくない。

 ……明るいのは嫌だから、ずっと曇っていればいいのに。

 

 そう思ってたら、ふとアスカが《ユキ》と呼んでくれたから反応したけど、違うみたい。



「ううん、ユキじゃなくて……雪」

「……?」

「え、えっと、まっ白くて……冬の時期に空から降る、冷たいやつ」

「……………ん、分かった……白いやつ、だよね?」

「そう、そっちの雪だよ」



 ユキと雪。

 すごくややこしいから、よく間違える。

 ……アスカは雪が好きなのかな?



「……アスカ、雪…好き?」

「うん、とっても綺麗で好きだよ」


「………ボクも、好き…」



 ボクの事を好きって言ってくれているみたいで嬉しいけど、実際は違うから少し寂しい。

 でも、ボクも雪が好き。

 小さい頃、ハルト兄さんやナツ兄さんと一緒に雪だるまを作って遊んでた。

 今ではやらないけど、すごく楽しかったな……。



「あ、雪降ったら……何する?」

「…外……遊ぶの…?」

「うん!!

 雪を間近で見たことがないから、沢山遊びたいと思ってるんだけど……駄目かな?」



 ……そうだ、アスカは身体が弱いんだよね。

 それなら、いっぱい遊ぼうかな。

 明るいところは眩しくて嫌だけど、アスカのためなら…我慢、する。



「………ん、分かった。

 雪の日……外で、遊ぶ。」

「まあ、降らなかったら約束が無駄になっちゃうけどね……」


「……雪……降らそうか?」



 普段は外出なんてしないから使い道はないけれど、ボクは天候を左右する魔法を使える。

 アスカが望むなら、今からでも雪を降らせるよ。

 沢山積もったら、アスカは喜ぶかな?


 けれど、アスカは首を振った。



「ううん、魔法は大丈夫。

 雪は自然と降ってほしいな…」

「……どうして?

 魔法、嫌……?」



 まさか、アスカは魔法が嫌いなのかな?

 そうだとしたら、今まで気づかなかったボクは酷い子。

 ……どうしよう。

 


「ううん、嫌じゃないよ。

 ただ……雪が降るか分からないからこそ、楽しみなの」

「……楽しみ………待つの、好き?」

「うん、好き。

 だから一緒に待とう?」

「………うん、アスカと一緒……待つ」



 よかった。アスカは魔法が嫌いじゃないみたい。

 ……じゃあ、待つ。

 いつ降るかは分からないけれど、ずっとずっとアスカと一緒に待つ。

 


「………あ…」

「……アスカ?」



 アスカが空を見上げながら、驚いたような声を出したのでボクも空を見る。

 ……雨…?


 ううん、違う……これは…



「―――――雪?」



 雪が降ってきた。

 でも、この雪は水分が多いから……積もらなそう。



「………アスカ、雪……」

「……すごい、噂をしてたら降ってきた………!!

 すごいよね、ユキっ!!」

「………うん、すごい…綺麗」


 

 けれど、アスカは積もらなくてもいいみたい。

 だって、こんなに嬉しそうな顔をしているから。

 ……アスカが笑っていると、ボクも嬉しい。

 

 だから雪で遊ぶのは……今度にする。

 積るほどの雪が降るまで、約束。




...true end...

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ