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譲れないもの(三兄弟)

*ハルト・ナツ・ユキ→主人公

*IF世界

*三兄弟が主人公に溺愛しすぎてる

*ナツ視点

*甘め…だと思う

 たとえ弟だろうと、馬鹿な兄だろうと……時には譲れねぇものがある。



「なーなー、今日は俺とデートしよっ?」

「………アスカ、ボクと…遊ぶ」


「え、えっと……」



 それはコイツ、アスカのことだ。

 俺様達兄弟は……同じ女を好きになっちまった。

 好きな食べ物や得意なことは全員綺麗すぎるほどバラバラなくせに、こういう所だけは似ているなんて……なんか、複雑だな。



「ユキにハルト、アスカが困ってんだろ?

 それにコイツは俺様と買い物に行くって約束してんだよ」

「買い物なんて明日でオッケーだし、別にアスカちゃん連れてく意味ないでしょ?」

「……ハルト兄さん、正しい………ナツ兄さん、一人で良い…」

「うっせぇ!!お前等の意見は全部却下だ!!!」



 アスカに引っついて離れねぇ二人を剥がそうとしたが、ユキはべったりアスカの腕に絡みついているし、ハルトはちゃっかり腰に手を回している。

 ……無理矢理剥がしたい。だが無理矢理やってちまうと、力加減が難しいから骨を何本か折る恐れがあるからやめておく。



「えっと、今日はナツと約束をしたから――――」

「アスカちゃんは俺と一緒に居たくないのっ?俺はアスカちゃんと一緒じゃなきゃ死んじゃうー…

 ウサギって寂しいと死んじゃうからねー?」

「……好き…傍………離れないで、アスカ」



 次々に愛を囁き、一層絡みつく。

 ………ぁああああ!!!イライラするっ!!!!お前等よく、そんな甘ったるい言葉を言えるよな!!?

 俺様はそんなホイホイ言えねぇよ!!!羞恥心ってものがねぇのか!!!??



「いい加減にしやがれ!!お前等に拒否権はねぇんだよ!!!」

「ナツ、いくらアスカちゃんが好きだからってー…ぷっつんは駄目だぜっ?」

「……ナツ兄さん、怒る………怖い。

 …アスカ、また今度…約束」

「うん、分かった。約束するね?」



 ようやくユキがアスカから離れた。

 ……残りは、馬鹿ハルトか。



「で?馬鹿ハルトは離れねえの?」

「うん、離れないよっ☆」


「…あの、私…早く買い物に行きたいんだけど……」


「ほら、アスカがそう言ってんだろ?早く離れろ、邪魔だ」

「お兄様に対して酷くないっ!!?ちょっと以上に傷つくよ!!??」



 そう言いながらも、馬鹿ハルトはアスカから離れた。

 ……はあ、ようやくかよ…どんだけタイムロスしてんだ………



「ったく………ほら、さっさと行くぞ」

「うん……ハルト、デートって言葉は置いといて、また今度お出かけしようね」

「はーいっ!!!絶ーっ対だよ!!」



 そんなホイホイ約束すんなって……まあ、アイツはまだ誰のものでもねぇから仕方がないけどよ。

 俺様だって、口には出さねえけどちょっとは妬くからな?

 ……さて、誰がこの《勝負》に勝つか…少なくとも、俺様は譲る気なんてない。

 

 ――――――アスカは、絶対………俺様が貰う。





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