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第40話 コトンとセティとねーさんと。

 しゅるるるる、と一気に小さく、いつもの長毛猫のサイズに戻りながら、コトンが降りてきて、受け止めるべく軽く広げていた俺の腕の中に、すぽっ、と納まって丸くなる。


(流石にちと疲れた……寝るぞい、抱っこしておれ)

 そう俺に命じると、すやぁ、と秒でお休みするコトン。


「流石ネフェ様……ボクだと本来の姿でも、あれだけやったら消えちゃうぅ」

 セティが恐る恐るといった様子でそう述べるので、コトンとしても相当に消耗しているらしい。


 そうだよな、俺のいる場所で寝るなんて、初めてだ。



「上手くいったのだね?」

 第二王子殿下が確認してきたので、頷く。


 ややあって、ふわりと舞い戻ってきたモンタン氏も俺の肯定を保証してくれた。


[船まで全て亡霊種であったようで、船ごと綺麗さっぱりでございますよ!

 いやあ、一の聖獣様の光の吐息をこの目で見ることが叶うとは!末代までの語り草でございますよお!]

「まったくだ、よもや、あれほどの御力をお持ちの方だったとは」

 普段は愛らしい猫であるのになあ、と前男爵が感心しきりだ。


 そうだろそうだろ、ハネっ毛だからって、事あるごとにブラッシングしてた結果、ふわふわだからな、今のコトン。


 ただ元の姿に戻った影響なのか、また毛先がぴこぴこ跳ねている。

 起きたらまたブラッシングだな!


「ふふ、よくやったわね、カーク君」

 まだ俺を支えてくれているフィリスねーさんが、耳元で囁くもんだから、思わずドキっとしてしまう。


 落ち着け俺、これは社交辞令だ!もしくはお姉さんが弟を誉めてる奴だ!


「真っ赤ですねえ、意外と初心?」

「意外とか言わないでくれますかねえ!?」

 よもやのシシェーリス確認官が謎微笑と共にそんなツッコミを入れてきたので秒で反論したら、全員に顔を見られた。はい?


「随分とシシェーリス確認官殿と懇意になったものだね?」

「ああ、昨日少し話をしていたら、趣味が合うみたいで」

 喋ってて夜更かししました。と正直に申告したら、今度は俺とシシェーリス確認官が交互に見られることになった。


 いや普通の男の友情ですよ?前世式のオタトークって奴だけど。



 念のため、情報が確保されるまで数日待機、という話になって、この後も城に泊まるのが確定だ。

 数日で済むのは、モンタン氏以下神獣様達が全力で情報収集してくれるから、だな。


 ネフェルテム様にすべて片付けて貰ってしまったから、それ以外では我々が頑張らないと、だそうだ。


 似たような理屈で、俺も仕事を振られることなく、コトンとぼーっとしている。

 コトンは夕方には目を覚ましたけど、まだちょいと怠いなあ、と、俺の傍で日向ぼっこをしたり、うとうとしたりだ。


 しいて言えばコトンのお世話係が今の俺の仕事かな?

 そして、その俺の世話を、フィリスねーさんとセティが張り切って奪い合っている。


 セティは、くしゃくしゃだった髪を城の侍女さん方とフィリスねーさんに手入れされてついでに風呂にも入れられたらしく、今の外見は割とかわいい少女、といった体だ。


 見ている分には悪くない。幼女なんて見るだけだが。この世界でもお触り厳禁だぜ。


「いよう、色男」

 今日も洗濯物の回収で揉めている二人を、ベッドの上に胡坐をかいて、おねむなコトンを載せつつ眺めていたら、モードゥナがやってきた。


「褒めても今は何も出ないぞ」

 俺自身も【内なる力】を豪快に枯渇させて、まだ回復しきっていないからな。

 休息以外に回復の方法がないので、俺も大人しくしているしかない、が現状だったりする。


 昨夜セティが布団に潜り込みに来たけど、追い出した。

 ちゃんと寝床は用意して貰ったんだから自分とこで寝ろ。


 夜向け体力も【内なる力】と連動してるらしいんですよ。気力だけじゃなかった。

 それ以前にセティのようなひょろぺたちびっ子に食指は動かんです。

 何度もいうが俺にロリ趣味はない。


 フィリスねーさんだったらボインバインで純粋にかかえ心地がよさそうだから、抱き枕くらいにはしたかもしれないけど。


 生憎ねーさんは、【内なる力】が枯渇した時の状態は体験済みらしくて、今日は大人しく寝ていなさいね、って言われたに留まった。


「【内なる力】の枯渇って、そんなにしんどいのか」

 俺の答えを聞いたモードゥナは、一転して心配顔になった。


 モードゥナはスキルを所持していないから、【内なる力】を使う機会そのものがない。

 だから、スキル持ちからの伝聞でしか知らないんだな。


 この【内なる力】自体は、誰でも量の多少こそあれ、持っているものなんだけどね。


「俺の場合総量が並みより多いから回復も長引く。

 といってもちょっと無気力になるくらいだから、日常生活には支障はないぞ」

 ちょっと、動くのが億劫だな、とかたまに思う程度だからな。


 流石に枯渇直後だけはちょっとふらついたけど、多分一時的な低血糖辺りが症状としては近そうかなあ。


「スキル使ったあとふらついてたしさ」

「流石に普通は身体の方が枯渇を前提にしてないんじゃないかな。

 気絶はしなかったから問題ないんだと思ってるけど」

 我ながら基準がアバウトだが、だめな状態だったなら、コトンかモンタン氏かセティがなんか言ってきそうだし、それがなかった以上、問題ないんじゃないかなと。


「ああ、モードゥナ君は知らないのね。【内なる力】の一時的枯渇は、心身ともに無防備、もしくは無気力になる以外の弊害は特にないのよ。

 私やカーク君くらいの総量だと、回復させる方が大変なくらいね」

 洗濯物争奪戦が終わって(女子二人が揉めている間に、トーテルが全部持って行った)、こっちに戻ってきたフィリスねーさんが簡単に説明してくれる。


 いや待て、心身ともに?精神的にも影響があるの、良く無くない?

いやお前なんでそこで顔なんだよオッπちゃうんかい(まて

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