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第21話 船団の去就の顛末。

後半ちょっと下ネタ入りまーす。

 結局、後から来た船団は、推定海賊の方だったという報告が来た。


 何故判明したかというと、速攻でヴァンレン帝国の船団とドンパチやりだしたからだ。


 物見塔から島の向こう側までは見えないけど、島のある場所から戦況がずれた結果、ある程度俺たちも観戦する事ができたんだが、帝国の軍船の大砲は、船相手には流石の威力で、相当数の海賊船が海の藻屑になったようだ。


 ただ、帝国側も接舷されての斬り合いで相当数の犠牲者が出てしまったようで、最終的には撤退していった。


 まさかの:俺ら、見てただけ。


「出撃し損ねましたなあ」

「いやでも知識なく奴らに接近したらどうなるかを、海賊どもが身をもって知らせてくれたという見方もできますよ」

 いい年こいて好戦的な事を言う前男爵に、現実を突きつけておく。


「確かにカークの言う通りだな。あの武器は、現在の我々の船にとっても脅威だ」

 新男爵も、そこは異論がないと言い、いったん近場で待機、という話になった。


 待機といっても、漂着物を確認するために数班に分かれて海岸をパトロールするんだけどね。


 最終的に、海賊の壊れた船の残骸や、どちらの勢力のものかもよく判らん感じの死体がいくつも漂着していた。


 流石に兵装の類は流れようがないから、そういうものはなかったし、海賊の方も最初から略奪が目的じゃなかったようで、それらしい物資もなかった。


 問題なのは、それらに混ざって、三体ほどの、神獣様と思しき、損壊の酷い死体が流れ着いたほうだ。


(ああ、大砲の直撃を受けたのだそうだ。こちらの土地にで良いから、葬ってもらえるか)

 俺の家にいた猫が聖獣様だったって話は、もうこの町にも噂で流れてきてしまっていたので、その件はコトンからとして、男爵一同に伝えておいた。


「神獣様ですって、なんてことを……」

 男爵夫人、こっそり周囲に名を聞いたらメレニア夫人、が、並べられた神獣様の遺体の前で、はらはらと涙を零す。


 聞けば昔から教会関係に強い、アーガス子爵家という法衣貴族の出の方だという。


 法衣とはいえ子爵家からまたなんで男爵領に?と思ったら、〈洋々浪々〉、というレアスキルをお持ちで、フランコリンかコルモランに縁付けたい、という先方の要望があったんだそうで……


 海の荒れ具合を抑えることができるっていう、人間が持つものとしてはかなり破格のスキルだそうですよ。


 言われてみれば、エラン同様、儚げな体格のかわいい人ではある。

 彼女もスキルの重みに苦労してきたクチじゃなかろうか。


 問題は、コルモラン男爵家のような尚武の家では、蒲柳の質は歓迎されないことだろうか。

 疎外感を感じていたりという様子はないけど、要注意かねえ。


 家族としてみることはできないが、主家だからね。気は使うべきだろうさ。



 そういえば、前男爵がコニーかーさんに手を出した理由が、謎だなあ。


 人違いだという話はしていたけど、かーさんはスキル持ちじゃないし、当時の同僚だった人たちにも、スキル持ちはいないってのは判っているんだ。


 当時産まれてなかったのは俺より下のファスライドだけだから、子供がいなくて困ってたってわけでもないしな。


 そう、俺が生まれてから五年くらいして、弟ができたんだよ。

 幸か不幸か、スキルは持っていないという話だけど。


 世間一般の貴族評的にいえば、色好みだけだったんじゃないか説もないとは言わないが……

 あの前男爵にそういうイメージがないんだよなあ。


 世間にはそういう色好みの、節操のない貴族や豪商、というのも実在する。

 ただ、この世界、少なくともレジュメイア大陸においては、王族はともかく、貴族は法に縛られる存在でもあるうえに、無能の首は容赦なく挿げ変わる、実力第一主義だ。


 エロにしか気がいかないような老害――そう、だいたいそんなことにうつつを抜かすのは、実務が回ってこなくなって暇を持て余す年寄りだ――は、あっという間に蟄居謹慎からの、人知れずサヨウナラ、だったりするんだ。こえーこえー。


 これがヴァンレン帝国の方になると、スキル持ちの女を集めて孕ませるのが目的だという、特殊な娼館がある、って話まであって、違う意味で怖い。


 帝国ってつくと人権蹂躙国家になるの、ファンタジー小説だけじゃなかったのか。

 その話を図書館の本で見かけた俺の素直な感想がこれだ。


 ただ、その本の出どころはヴァンレン帝国と敵対しているテルメルエンケルだったから、話半分に割り引く必要がないとは言い切れないけどね。


 こっちの大陸にも娼館はある。

 まあだいたい働いているのは、借金のカタの年季奉公の女性が大半だ。

 あとは凶作の時に口減らしされた田舎の農民とかね。


 それでも、しょっちゅう公的機関の監査が入って、清潔な環境や健康管理、給金の支払いなどが厳しくチェックされるので、悲惨さはイメージほどにはない。


 うん、監査側の護衛の仕事で立ち入ったことがありまして。

 お姐さんたち、みんな健康そうだったし、割と稼ぐこと自体に積極的だった。


 でも護衛を誘うのはやめような。

 仕事中には絶対付き合えねえの判っててやってる感じだったから、揶揄からかわれただけだろうけどさ。


 そんなんだから未だに清い身なんだろって?やかましいわ!

 それにもちゃんと、理由がね、あるんですよ。


 俺の子ができたら、確定で何かのスキルが出るってコトンに断言されててさ。

 要するに本命以外にはお漏らし不可なんすよ、ええ。


 つってもなー、まだ本命とか、考えたこともないからなあ……

 俺の息子さんが活躍する日はまだ遠そうだ。

周囲に美人がそれなりにいる健康な男子が主人公なんだから、この手の話は避けて通れまいよ。


なお娼館、闇でブラックなところも王都とかにはあります。

田舎だと逆にないけど。


なお人違いなのは確定しているけど、どっちが間違えたという話は誰もしていない()

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