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第14話 お説教と森への再挑戦企画。

 森からは無事にクラス全員と引率者全員が帰還した。


 負傷者はいたけど死人は出なかったし、モンスターは元凶と暴れたものはすべて討伐されたけど、演習は序盤で中止の形だ。


 当日は点呼ののち解散して、森演習は後日改めて、そして翌日は午前の授業を潰してお説教と森の注意点の再教育、だそうだ。



 今回の事件は、そもそも想定外の場所に大型サーペントというモンスターが出現するというイレギュラーが原因だったわけだけど。


 それでもバカでっかい悲鳴を上げてモンスターを引き寄せてしまったテレックは厳重注意と謹慎処分を受けることになり、俺ら、クラス全員も、連座でお説教を受けることになった。


 ……はずだったんだが、何故か俺らのパーティはそれを免除された。


「いやだって、引率者各位の報告だと、君たち、はぐれモンスターにほぼ完璧な対処してたそうだし」

 担任のマーティン先生の言葉はこれだ。


「僕はお説教組です。気絶して、ただのお荷物になってましたから」

 エランは涙目でそう申告して、自分からお説教を受けに行ったけどね。



「エランは真面目だよなあ、まあそこがいいんだが」

 アル兄がそう述べるので、残っている班の全員で頷く。


 うん、皆がお説教の間は、図書室の隣の自主学習室で自習なんだ。

 図書室ではおしゃべりは禁止だからね……


「でもまあ、死人や後に残るような怪我をした人がいなくてよかったよね」

「モードゥナは気の毒だったなあ。単純な骨折だそうだから、ふた月もあれば治るそうだが」

 実は、テレックが厳重注意になったそもそもの理由は、クソデカ悲鳴を上げたから、じゃないんだ。


 隣にいた、というか、一人で勝手にずんずん進んでいたテレックを連れ戻そうと、後を追ってきていたモードゥナを突き飛ばして一人だけ逃げたから、なんだよ。


 そしてモードゥナは運悪く木にぶつかったはずみで倒れて、危うくサーペントの昼飯にされるところだった、のだそうだ。


 どこかの骨が折れたとは聞いているが、フィリスねーさんが駆け付けた時にはサーペントの胴に巻かれていたそうで、どの段階で折れたかまでは判らないらしい。


 割とガチめに命の危機だったんだな、モードゥナ……

 森にトラウマ持たなきゃいいが。


 多分テレックの奴はそのまま謹慎からの放校処分になるだろう、というのが冒険者一同の意見だった。


 なんでそんな噂話を知っているか?


 昨夜シシ鍋をみんなで囲んだから。

 モツと血を抜いて埋めて処分したあとの猪本体を輸送して、本格的に毛皮と枝肉に解体する作業も、あの二人の冒険者の兄さんたちが引き受けてくれたから、そっちにおすそ分けの形でもいいけど、いっそ一緒に食おう、ってなってさ。


 冒険者組合の食堂を借りて鍋にしてもらって、班の全員と当日の引率役の冒険者さん達とで晩飯として食べてきたという次第。


 食堂のおばちゃん達が張り切ってくれたこともあって、素晴らしく旨かったよ!



「一応あの悲鳴でフィリスねーさんが駆けつけることができたから、その分は減算されるだろうけど、それでも処分は免れない、ってのが冒険者の皆さんの意見だったからなあ」


 また悪いことに、テレックは実は冒険者志望を公言していた。

 そこに、最悪のシチュエーションで冒険者たちに名前を覚えられてしまった訳だ。


 当然の事ながら、仲間を見捨てるような行動をする人間は、冒険者組合ではオコトワリ、だそうなので、今回の件はテレックの思い描いていた未来が完全に失われるという、自業自得にしてもちょっと辛い結果になりそうだ。


 ただ、冒険者勢曰く、あのタイプは実際に冒険者にはまずならないタイプ、だそうだけど。

 格好つけ(スタンドプレイ)だけが得意なタイプは、地味な普段の実務を見せたら、だいたい逃げるんだってよ。


「それにしても、わたくしもお説教免除で宜しかったのかしら?

 問題解決には一切寄与しておりませんけれど」

「お嬢は全然動じてなかったし、問題ないと思うけど?」

 首を傾げるレメディア嬢に、ミーティスがさらっと回答している。


「そうだね、ああいう時にいちばん大事なのは、慌てない、騒がない、だからね」

 そういう意味では、気絶したエランも、テレックのやらかしに比べたら遥かに優等生だ。


 実際には気絶しないで自分の足で立って歩ける、ところまでは頑張ってほしいにしてもさ。

 だけども、それは繊細で虚弱体質なエランにはまだまだ難しいよなと俺は思っている。


 まあ、可能なら克服してくれたらいいな、というくらいの、努力目標って奴だ。


 そんな話も交えながらだけど、自習は案外と捗った。

 貴族の格付けとかの話は、やっぱり貴族本人に聞くのが一番いいからさ。


 ちょうどいい機会だったんで、レメディア嬢とアル兄を質問攻めにしました!


 そのあとは、森への再挑戦のための基本行動を自分たちでも考える。

 時期的にモードゥナはまだ骨折療養の期間だろうから、この六人で行くことになりそうだしな。


 いやでもそうそう何度も、あのクラスのモンスターは湧かないよなあ?

 クレトス村の場合、西の森にはモンスターがあまり出ないから、俺としてもあんまり実感がないっていうか。


「それにしてもカークはスキルがあるとは聞いてたが、モンスターを囲めるんだな。

 あれはいい足止めだった」

 アル兄がふと思い出したように言う。


「本来は自分中心に発動させるスキルらしいんだけどね。練習だと外に出す方が効率よくって」


 流石に、モンスターを囲めるかどうか判らないまま、イチかバチかでやった、ってのは言わぬが花、だよな……?

転生者のスキル、多分現地民と仕様違うんじゃねこれ。

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