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赤い糸には白さが必要
ありえない。
ありえない、ありえない、ありえない。
筆箱が、ない!
机にも、当然、下駄箱にも、ない!
一時限目まであと三分。
僕を見捨てるかのように。
社会だ、あの高津が怒らない訳がない!?
ダメだ。もう、時間がない。
諦めよう。
どうせ、見つからない。
*
いじめが始まったのは、つい最近のことでは無かった。随分前から。
友達はいない。
あるのは風紀と生徒だけ。
誰も構ってはくれない。
誰も助けてはくれなかった。
ひたすらに、必死に声を出しても、その声は地上へは届かず、ただ、また帰ってくる。
なぜ。
なんで。
俺が。